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クオールホールディングスのニュース
■クオールホールディングス<3034>の中長期の成長戦略と進捗状況
3. 医療関連事業の成長戦略と進捗状況
医療関連事業の成長戦略として、「専門性の深化」と「グループシナジーの最大化」を掲げ、それぞれ売上規模の拡大とともに収益力を高めていく方針となっている。
(1) CSO事業
CSO事業におけるCMRの市場動向は前述したように、新薬の主軸がプライマリー薬からスペシャリティ薬にシフトしていることを背景に、製薬企業におけるMRの削減が今後も一段と進み、CMRに置き換わっていくものと予想されている。国内のMRのうちCMRの比率は2019年で5.8%にとどまるが、CMRの市場が先行して立ち上がった欧米市場では12~17%がCMRに置き換わっている。特に、コロナ禍において製薬メーカーはマーケティング体制の最適化を推進している状況にあり、MRのアウトソーシング化の流れが一層加速するものと予想される。こうした環境を考えれば、日本でも早晩、CMRの比率が15%前後まで上昇する可能性はある。
こうした状況を背景に、同社はCMR人員を2021年3月期末の約570名から、中期的に1,000名まで拡大し、業界シェアを現在の約16%から20%まで引き上げていくことを目標としている。このため、採用についても積極採用を進めていく方針だ。同社のCSO事業の強みとして、MRを教育するためのスタッフが20名と業界トップクラスの陣容を誇り、基礎分野から高度な専門分野に至るまで幅広く充実した教育カリキュラムを構築していることが挙げられる。特に、最近はオンコロジー領域等専門分野でのCMRの需要が高まっており、同社の強みがさらに発揮できるものと弊社では見ている。
(2) 医療系人材紹介派遣事業
医療系人材紹介派遣事業については、成長スピードを加速していくため、2020年に分社化によりアポプラスキャリアを新設した。慢性的な医療人材不足と働き方の多様化が進むなかで、薬剤師、保健師、登録販売者等の医療従事者の派遣需要は今後も拡大していく見通しであり、同社はグループ薬局への薬剤師派遣等シナジーを高めていくと同時に、M&A等も活用しながら職種並びにシェアの拡大に取り組んでいく方針となっている。薬剤師の紹介派遣については、求人先の獲得はもちろんのこと、登録者数をいかに増やしていくことができるかが成長のカギを握ると見られ、今後の施策に注目したい。
(3) 医薬品製造販売事業
同社が医薬品製造販売事業に進出を決めた背景には、総合ヘルスケアカンパニー構想がある。国内トップクラスの調剤薬局チェーンの同社は、一方で、医薬品の営業担当者であるCMRの派遣(CSO事業)や、医薬品の研究開発をサポートするCRO事業等も行っている。医薬品製造販売事業に進出することで研究開発から始まり製造、販売、調剤を経て患者に至る、ヘルスケア分野において切れ目のないサービスを提供することが可能となる。
グループシナジーとしては前述のとおり、グループの調剤薬局で藤永製品の取扱店舗数を広げていく。また、新たなジェネリック薬の開発を計画しており、工場への設備投資やM&A等も進めながら事業規模を拡大し、次のステップとして大手製薬企業からの受託製造等にも展開していく方針となっている。また、ここ最近、他の後発医薬品メーカーにおいて品質管理問題が発生しているが、同社では品質管理対策をしっかり実施したうえで、事業拡大を進めていく方針としている。2021年3月期の売上規模は20億円弱、営業利益率で10%程度だが、中期目標としては新規事業も含めて売上高で300億円、営業利益85億円を目標にしており、今後の展開が注目される。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
<AS>
3. 医療関連事業の成長戦略と進捗状況
医療関連事業の成長戦略として、「専門性の深化」と「グループシナジーの最大化」を掲げ、それぞれ売上規模の拡大とともに収益力を高めていく方針となっている。
(1) CSO事業
CSO事業におけるCMRの市場動向は前述したように、新薬の主軸がプライマリー薬からスペシャリティ薬にシフトしていることを背景に、製薬企業におけるMRの削減が今後も一段と進み、CMRに置き換わっていくものと予想されている。国内のMRのうちCMRの比率は2019年で5.8%にとどまるが、CMRの市場が先行して立ち上がった欧米市場では12~17%がCMRに置き換わっている。特に、コロナ禍において製薬メーカーはマーケティング体制の最適化を推進している状況にあり、MRのアウトソーシング化の流れが一層加速するものと予想される。こうした環境を考えれば、日本でも早晩、CMRの比率が15%前後まで上昇する可能性はある。
こうした状況を背景に、同社はCMR人員を2021年3月期末の約570名から、中期的に1,000名まで拡大し、業界シェアを現在の約16%から20%まで引き上げていくことを目標としている。このため、採用についても積極採用を進めていく方針だ。同社のCSO事業の強みとして、MRを教育するためのスタッフが20名と業界トップクラスの陣容を誇り、基礎分野から高度な専門分野に至るまで幅広く充実した教育カリキュラムを構築していることが挙げられる。特に、最近はオンコロジー領域等専門分野でのCMRの需要が高まっており、同社の強みがさらに発揮できるものと弊社では見ている。
(2) 医療系人材紹介派遣事業
医療系人材紹介派遣事業については、成長スピードを加速していくため、2020年に分社化によりアポプラスキャリアを新設した。慢性的な医療人材不足と働き方の多様化が進むなかで、薬剤師、保健師、登録販売者等の医療従事者の派遣需要は今後も拡大していく見通しであり、同社はグループ薬局への薬剤師派遣等シナジーを高めていくと同時に、M&A等も活用しながら職種並びにシェアの拡大に取り組んでいく方針となっている。薬剤師の紹介派遣については、求人先の獲得はもちろんのこと、登録者数をいかに増やしていくことができるかが成長のカギを握ると見られ、今後の施策に注目したい。
(3) 医薬品製造販売事業
同社が医薬品製造販売事業に進出を決めた背景には、総合ヘルスケアカンパニー構想がある。国内トップクラスの調剤薬局チェーンの同社は、一方で、医薬品の営業担当者であるCMRの派遣(CSO事業)や、医薬品の研究開発をサポートするCRO事業等も行っている。医薬品製造販売事業に進出することで研究開発から始まり製造、販売、調剤を経て患者に至る、ヘルスケア分野において切れ目のないサービスを提供することが可能となる。
グループシナジーとしては前述のとおり、グループの調剤薬局で藤永製品の取扱店舗数を広げていく。また、新たなジェネリック薬の開発を計画しており、工場への設備投資やM&A等も進めながら事業規模を拡大し、次のステップとして大手製薬企業からの受託製造等にも展開していく方針となっている。また、ここ最近、他の後発医薬品メーカーにおいて品質管理問題が発生しているが、同社では品質管理対策をしっかり実施したうえで、事業拡大を進めていく方針としている。2021年3月期の売上規模は20億円弱、営業利益率で10%程度だが、中期目標としては新規事業も含めて売上高で300億円、営業利益85億円を目標にしており、今後の展開が注目される。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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