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クオールホールディングスのニュース
■要約
クオールホールディングス<3034>は大手調剤薬局チェーンの1社で、調剤薬局店舗数で第2位、売上高で第3位(上場企業ベース)の位置にある。マンツーマン薬局と異業種連携による新業態薬局での店舗展開に特徴がある。調剤以外の分野では、CMR (契約MR)の派遣を中心とするCSO※事業に加えて、2019年8月に藤永製薬(株)を子会社化し、医薬品製造販売事業に進出した。
※CSOとはContract Sales Organization(医薬品販売業務受託機関)の略で、CMR(契約MR(Medical Representative、医薬情報担当者))の派遣業務となる。
1. 2021年3月期第2四半期累計業績は新型コロナの影響で減収減益となるも期初計画を上回って着地
2021年3月期第2四半期累計(2020年4月-9月)の連結業績は、売上高で前年同期比2.7%減の79,090百万円、営業利益で同39.4%減の2,080百万円となった。医療関連事業がCSO事業の拡大や藤永製薬の収益貢献等によって2ケタ増収増益と順調に推移したものの、新型コロナウイルス感染症拡大の影響による医療機関への受診控えや、処方期間の長期化による処方箋応需枚数の減少によって、主力の保険薬局事業が減収減益となったことが要因だ。ただ、期初計画(売上高77,500百万円、営業利益800百万円)からは上振れて着地した。当初は2020年9月頃まで受診控えの影響が続くと見ていたが、7月以降に外来診療件数が徐々に回復し、処方箋応需枚数が計画を上回った。また、薬局の人員配置を見直すなどコスト適正化プロジェクトを実施した効果も寄与した。
2. 2021年3月期業績見通しは新型コロナの影響が不透明なため期初計画を据え置く
2021年3月期の業績は売上高で前期比0.1%増の165,500百万円、営業利益で同15.9%減の6,500百万円と期初計画を据え置いている。新型コロナウイルス感染症の患者数が再拡大しており、今後の影響が不透明なためだ。実際、2020年10月の調剤報酬額については前年同月比で4.9%減と第2四半期累計の4.1%減と変わらない状況が続いている。通期の保険薬局事業の売上高は新規出店効果も含めて前期比0.5%減、セグメント利益で同18.8%減を見込んでいたが、M&Aを含めた新規出店についても新型コロナの影響でやや遅れ気味となっており、売上高については下振れリスクがある。ただ、新型コロナウイルス感染症対策として販売を開始した「オゾン除菌脱臭器 AIR BUSTER(以下、エアバスター)」の注文が好調で、年間20億円程度の売上が見込める状況となっている。同製品は計画に入っていないことから、調剤売上が下振れたとしても同製品の売上でカバーできる可能性がある。一方、医療関連事業の業績は売上高で前期比17.7%増、セグメント利益で同32.7%増を計画している。
3. 保険薬局事業、医療関連事業を両輪として営業利益250億円の達成を中期的に目指す
中長期成長戦略は、従来から一貫しており変更はない。保険薬局事業では「戦略的出店による規模の拡大」と「薬局の価値創出」に取り組むことで安定成長を目指す。戦略的出店ではM&Aも含めて年間50~70店舗ペースで東名阪エリアを中心に出店し、2023年3月期に1,000店舗を達成したい考えだ(2021年3月期第2四半期末819店舗)。また、2019年の薬機法改正により、2021年8月から2類型(地域連携薬局、専門医療機関連携薬局)の認定薬局制度が導入され、業界大手による集約化の動きが一段と加速する見通しとなっており、同社は既存店の価値創出に取り組むことで収益力を高めていく戦略となっている。Withコロナ時代における新たな生活様式に対応したサービスとして、非接触受渡しを可能とするロッカーを一部の店舗で導入し、検証を進めているほか、2020年9月からはオンライン服薬指導やQRコードによるタッチレス決済の対応も開始している。一方、医療関連事業では「専門性の深化」と「グループシナジーの最大化」に取り組むことで高成長を目指す。今後も需要拡大が見込まれるCMR市場において、専門領域を強化して一段のシェア拡大を目指すほか、薬剤師や産業保健師、登録販売者等の紹介派遣事業についても成長スピードを加速するため、2020年10月に分社化したアポプラスキャリア(株)で事業を展開している。「グループシナジーの最大化」では、藤永製薬の製品をグループの調剤薬局で取り扱い始めており、今後は品目数の拡充や受託製造事業などにも展開していく計画となっている。これらの取り組みを推進していくことで、中期目標である売上高3,000億円、営業利益250億円の達成を目指していく。
■Key Points
・2021年3月期第2四半期累計業績は新型コロナの影響で減収減益となるも期初計画は上回る
・「薬局の価値創出」に向けICTを活用した様々な取り組みを推進
・CMR派遣の成長に加えて、医療系人材紹介派遣事業の領域拡大、医薬品製造販売事業はグループシナジーを生かして高成長を目指す
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
<NB>
クオールホールディングス<3034>は大手調剤薬局チェーンの1社で、調剤薬局店舗数で第2位、売上高で第3位(上場企業ベース)の位置にある。マンツーマン薬局と異業種連携による新業態薬局での店舗展開に特徴がある。調剤以外の分野では、CMR (契約MR)の派遣を中心とするCSO※事業に加えて、2019年8月に藤永製薬(株)を子会社化し、医薬品製造販売事業に進出した。
※CSOとはContract Sales Organization(医薬品販売業務受託機関)の略で、CMR(契約MR(Medical Representative、医薬情報担当者))の派遣業務となる。
1. 2021年3月期第2四半期累計業績は新型コロナの影響で減収減益となるも期初計画を上回って着地
2021年3月期第2四半期累計(2020年4月-9月)の連結業績は、売上高で前年同期比2.7%減の79,090百万円、営業利益で同39.4%減の2,080百万円となった。医療関連事業がCSO事業の拡大や藤永製薬の収益貢献等によって2ケタ増収増益と順調に推移したものの、新型コロナウイルス感染症拡大の影響による医療機関への受診控えや、処方期間の長期化による処方箋応需枚数の減少によって、主力の保険薬局事業が減収減益となったことが要因だ。ただ、期初計画(売上高77,500百万円、営業利益800百万円)からは上振れて着地した。当初は2020年9月頃まで受診控えの影響が続くと見ていたが、7月以降に外来診療件数が徐々に回復し、処方箋応需枚数が計画を上回った。また、薬局の人員配置を見直すなどコスト適正化プロジェクトを実施した効果も寄与した。
2. 2021年3月期業績見通しは新型コロナの影響が不透明なため期初計画を据え置く
2021年3月期の業績は売上高で前期比0.1%増の165,500百万円、営業利益で同15.9%減の6,500百万円と期初計画を据え置いている。新型コロナウイルス感染症の患者数が再拡大しており、今後の影響が不透明なためだ。実際、2020年10月の調剤報酬額については前年同月比で4.9%減と第2四半期累計の4.1%減と変わらない状況が続いている。通期の保険薬局事業の売上高は新規出店効果も含めて前期比0.5%減、セグメント利益で同18.8%減を見込んでいたが、M&Aを含めた新規出店についても新型コロナの影響でやや遅れ気味となっており、売上高については下振れリスクがある。ただ、新型コロナウイルス感染症対策として販売を開始した「オゾン除菌脱臭器 AIR BUSTER(以下、エアバスター)」の注文が好調で、年間20億円程度の売上が見込める状況となっている。同製品は計画に入っていないことから、調剤売上が下振れたとしても同製品の売上でカバーできる可能性がある。一方、医療関連事業の業績は売上高で前期比17.7%増、セグメント利益で同32.7%増を計画している。
3. 保険薬局事業、医療関連事業を両輪として営業利益250億円の達成を中期的に目指す
中長期成長戦略は、従来から一貫しており変更はない。保険薬局事業では「戦略的出店による規模の拡大」と「薬局の価値創出」に取り組むことで安定成長を目指す。戦略的出店ではM&Aも含めて年間50~70店舗ペースで東名阪エリアを中心に出店し、2023年3月期に1,000店舗を達成したい考えだ(2021年3月期第2四半期末819店舗)。また、2019年の薬機法改正により、2021年8月から2類型(地域連携薬局、専門医療機関連携薬局)の認定薬局制度が導入され、業界大手による集約化の動きが一段と加速する見通しとなっており、同社は既存店の価値創出に取り組むことで収益力を高めていく戦略となっている。Withコロナ時代における新たな生活様式に対応したサービスとして、非接触受渡しを可能とするロッカーを一部の店舗で導入し、検証を進めているほか、2020年9月からはオンライン服薬指導やQRコードによるタッチレス決済の対応も開始している。一方、医療関連事業では「専門性の深化」と「グループシナジーの最大化」に取り組むことで高成長を目指す。今後も需要拡大が見込まれるCMR市場において、専門領域を強化して一段のシェア拡大を目指すほか、薬剤師や産業保健師、登録販売者等の紹介派遣事業についても成長スピードを加速するため、2020年10月に分社化したアポプラスキャリア(株)で事業を展開している。「グループシナジーの最大化」では、藤永製薬の製品をグループの調剤薬局で取り扱い始めており、今後は品目数の拡充や受託製造事業などにも展開していく計画となっている。これらの取り組みを推進していくことで、中期目標である売上高3,000億円、営業利益250億円の達成を目指していく。
■Key Points
・2021年3月期第2四半期累計業績は新型コロナの影響で減収減益となるも期初計画は上回る
・「薬局の価値創出」に向けICTを活用した様々な取り組みを推進
・CMR派遣の成長に加えて、医療系人材紹介派遣事業の領域拡大、医薬品製造販売事業はグループシナジーを生かして高成長を目指す
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
<NB>
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