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パシフィックネットのニュース
■業績動向
1. 2020年5月期の連結業績
パシフィックネット<3021>の2020年5月期の連結業績は売上高が4,566百万円(前期比9.3%増)、営業利益が413百万円(同33.2%増)、経常利益が408百万円(同29.3%増)、親会社株主に帰属する当期純利益が289百万円(同50.6%増)だった。売上高のほか各利益(営業利益、経常利益、当期純利益)は、いずれも期初計画(売上高:4,500百万円、営業利益:400百万円、経常利益:400百万円、親会社株主に帰属する当期純利益250百万円)を上回っており、増収・2ケタ増益での着地となった。
ITサブスクリプション事業、ITAD事業ともに増益を達成
同社はフローからストック中心への収益構造改革を進めているが、ストック収益が占めているITサブスクリプション事業の売上高は前期比38.3%増の2,194百万円、セグメント利益は同36.2%増の227百万円だった。フロー収益であるITAD事業の売上高は同7.2%減の2,080百万円、セグメント利益は同25.6%増の531百万円となり、ITサブスクリプション事業の売上高がITAD事業の売上高を上回っており、フローからストック中心への収益構造改革の進展が窺える。こちらもフロー収益となるが、コミュニケーション・デバイス事業は、売上高が同18.2%減の297百万円、セグメント利益は同1.4%減の52百万円だった。
ITサブスクリプション事業は38.3%増収、ITAD事業は構造改革により収益性が向上
2. セグメント別業績
(1) ITサブスクリプション事業
ITサブスクリプション事業は、同社が進めている中期経営計画「SHIFT 2021」(2018年6月−2021年5月)において最重要施策と位置付けているストック収益部門となる。これまで事業規模拡大に取り組んでいる事業であるため積極投資によるコストが先行しているが、2020年5月期の売上高は前期比38.3%増、2018年5月期比では74.1%増。セグメント利益においては前期比36.2%増、2018年5月期比では214.8%増と拡大している。
売上高利益率は12.7%と前期比では0.2ポイント低下しているが、2018年5月期比では5.7ポイントの上昇となる。ITサブスクリプション事業はコロナ禍の環境激変下においても成長しており、持続的成長と経営安定度の向上に大きく寄与している事業となる。また、PCのサブスクリプション(3年−5年の中長期レンタル)は、そのほとんどが業務利用のPCであり、途中解約するケースは極めて少ないとされる。
(2) ITAD事業
ITAD事業は規模ではなく、収益性の向上、環境変化への態勢強化を事業方針としているため、これに向けた収益構造の改革を実施している。同期間における取り組みとしては、中古PCショップを全て譲渡・閉鎖したほか、EC譲渡によるBtoC(モノやサービスを個人相手に販売するビジネス)から完全撤退し、BtoB(企業対企業の取引)に集中している。
2019年12月に発生し社会問題化したハードディスク転売事件を機に、データ消去需要が拡大しているが、第4四半期においてはコロナの影響によって回収の延期が増加。この影響もあり同期間の売上高は前期比7.2%減、2018年5月期比では24.0%減となったが、セグメント利益においては前期比25.6%増、2018年5月期比では12.4%増と拡大。売上高利益率は25.5%と前期比では6.6ポイント、2018年5月期比では8.2ポイントの上昇となるなど、売上高は減少したが、業務のIT化により生産性が大幅に向上しているほか、固定費の削減効果で収益性が向上している。
(3) コミュニケーション・デバイス事業
コミュニケーション・デバイス事業については、第3四半期までは大幅な増収増益で推移していたが、ワイヤレスガイド無線機「イヤホンガイド(R)」の販売・レンタル・保守のいずれも年間で最大の業績となりえる第4四半期でコロナ禍による観光需要が減少。海外ツアーが大部分を占めていた「イヤホンガイド(R)」の観光利用が皆無となった。第4四半期における売上高は前年同期比92.1%減と大きく落ち込んでいる。この影響から同期間の売上高は前期比18.2%減だったが、セグメント利益は同1.4%減と小幅の減少にとどまった。そのため、売上高利益率は17.5%と前期比では2.9ポイント上昇している。
(執筆:フィスコアナリスト 村瀬智一)
<ST>
1. 2020年5月期の連結業績
パシフィックネット<3021>の2020年5月期の連結業績は売上高が4,566百万円(前期比9.3%増)、営業利益が413百万円(同33.2%増)、経常利益が408百万円(同29.3%増)、親会社株主に帰属する当期純利益が289百万円(同50.6%増)だった。売上高のほか各利益(営業利益、経常利益、当期純利益)は、いずれも期初計画(売上高:4,500百万円、営業利益:400百万円、経常利益:400百万円、親会社株主に帰属する当期純利益250百万円)を上回っており、増収・2ケタ増益での着地となった。
ITサブスクリプション事業、ITAD事業ともに増益を達成
同社はフローからストック中心への収益構造改革を進めているが、ストック収益が占めているITサブスクリプション事業の売上高は前期比38.3%増の2,194百万円、セグメント利益は同36.2%増の227百万円だった。フロー収益であるITAD事業の売上高は同7.2%減の2,080百万円、セグメント利益は同25.6%増の531百万円となり、ITサブスクリプション事業の売上高がITAD事業の売上高を上回っており、フローからストック中心への収益構造改革の進展が窺える。こちらもフロー収益となるが、コミュニケーション・デバイス事業は、売上高が同18.2%減の297百万円、セグメント利益は同1.4%減の52百万円だった。
ITサブスクリプション事業は38.3%増収、ITAD事業は構造改革により収益性が向上
2. セグメント別業績
(1) ITサブスクリプション事業
ITサブスクリプション事業は、同社が進めている中期経営計画「SHIFT 2021」(2018年6月−2021年5月)において最重要施策と位置付けているストック収益部門となる。これまで事業規模拡大に取り組んでいる事業であるため積極投資によるコストが先行しているが、2020年5月期の売上高は前期比38.3%増、2018年5月期比では74.1%増。セグメント利益においては前期比36.2%増、2018年5月期比では214.8%増と拡大している。
売上高利益率は12.7%と前期比では0.2ポイント低下しているが、2018年5月期比では5.7ポイントの上昇となる。ITサブスクリプション事業はコロナ禍の環境激変下においても成長しており、持続的成長と経営安定度の向上に大きく寄与している事業となる。また、PCのサブスクリプション(3年−5年の中長期レンタル)は、そのほとんどが業務利用のPCであり、途中解約するケースは極めて少ないとされる。
(2) ITAD事業
ITAD事業は規模ではなく、収益性の向上、環境変化への態勢強化を事業方針としているため、これに向けた収益構造の改革を実施している。同期間における取り組みとしては、中古PCショップを全て譲渡・閉鎖したほか、EC譲渡によるBtoC(モノやサービスを個人相手に販売するビジネス)から完全撤退し、BtoB(企業対企業の取引)に集中している。
2019年12月に発生し社会問題化したハードディスク転売事件を機に、データ消去需要が拡大しているが、第4四半期においてはコロナの影響によって回収の延期が増加。この影響もあり同期間の売上高は前期比7.2%減、2018年5月期比では24.0%減となったが、セグメント利益においては前期比25.6%増、2018年5月期比では12.4%増と拡大。売上高利益率は25.5%と前期比では6.6ポイント、2018年5月期比では8.2ポイントの上昇となるなど、売上高は減少したが、業務のIT化により生産性が大幅に向上しているほか、固定費の削減効果で収益性が向上している。
(3) コミュニケーション・デバイス事業
コミュニケーション・デバイス事業については、第3四半期までは大幅な増収増益で推移していたが、ワイヤレスガイド無線機「イヤホンガイド(R)」の販売・レンタル・保守のいずれも年間で最大の業績となりえる第4四半期でコロナ禍による観光需要が減少。海外ツアーが大部分を占めていた「イヤホンガイド(R)」の観光利用が皆無となった。第4四半期における売上高は前年同期比92.1%減と大きく落ち込んでいる。この影響から同期間の売上高は前期比18.2%減だったが、セグメント利益は同1.4%減と小幅の減少にとどまった。そのため、売上高利益率は17.5%と前期比では2.9ポイント上昇している。
(執筆:フィスコアナリスト 村瀬智一)
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