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■大型株崩れるなか新興株は堅調
今週の新興市場は4週ぶり小幅反落。中国でのゼロコロナ政策を巡る混乱や週末にかけての急速な為替の円高進行を背景に東証プライム市場の主力大型株が軒並み売られる中、景気や為替の動向に影響されにくい新興株は底堅く推移した。週前半にはセントルイス連銀・ブラード総裁やニューヨーク連銀・ウィリアムズ総裁などからタカ派発言もあったが、低調な米経済指標を受けて米長期金利が一段と低下するなか、新興株の逆風とはならなかった。なお、週間の騰落率は、日経平均が−1.79%であったのに対して、マザーズ指数は−0.08%、東証グロース市場指数は−0.08%だった。
時価総額上位銘柄では、ビジョナル<4194>が週間で+9.4%、プラスアルファ・コンサルティング<4071>が+6.4%と上昇したほか、外資証券による新規買い推奨が確認されたBuySell Technologies<7685>が+6.6%と買われた。ほか、三菱UFJフィナンシャル・グループ<8306>傘下の三菱UFJ銀行と屋外タワーシェアリングの推進を目的とした業務提携契約を締結して週後半に急伸したJTOWER<4485>が+4.9%となった。一方、上場来高値圏にあったM&A総合研究所<9552>とサンウェルズ<9229>がそれぞれ−9.0%、−6.5%と下落。ほか、ANYCOLOR<5032>−4.8%、フリー<4478>が−4.0%となった。週間騰落率ランキングでは、11月22日に新規上場したばかりの東京農工大学発の創薬型バイオベンチャーのティムス<4891>が+41.6%と急伸し、週末にかけて上場来高値を更新した。
■FOMC前も底堅さは継続、BBラッシュ
来週の新興市場はもみ合いか。今週末に発表された米11月雇用統計では非農業部門雇用者数と平均賃金の伸びが大きく市場予想を上回り、金融引き締め懸念を強める内容となった。ただ、景気後退懸念が強まる中、週末の米10年債利回りは3.49%と一段と低下し、10月下旬に一時付けた4.3%からの低下基調が鮮明になっている。翌週に控える米連邦公開市場委員会(FOMC)で示される政策金利見通し(ドット・チャート)を受けてからは反発に転じる可能性も残されているが、雇用統計の大幅な上振れを受けてもむしろ低下しているところを見る限り、目先は金利の低下圧力が根強く残りそうだ。
また、米商品先物取引委員会(CFTC)が公表している投機筋の米10年債のポジションをみると、依然として大幅な売り越し状態が続いており、翌週のFOMC前に債券の買い戻しが入る場合には、さらなる金利低下要因になり得る。少なくとも来週いっぱいは米長期金利の大幅な上昇転換の可能性は低いと考えられ、新興株の支援材料となろう。
低調な米経済指標を受けて景気後退懸念が強まる中、急速に円高・ドル安も進行しており、東証プライム市場を構成する主力大型株、特に景気敏感株の手掛けづらさが強まっている。こうした背景も、景気・為替動向との連動性が低い新興株の相対優位性につながりそうだ。
一方で、マザーズ指数は今週末に800ptを僅かに割り込んでおり、心理的な節目の水準での上昇一服感が見られているほか、今月半ばからの新規株式公開(IPO)ラッシュを前にした換金売り圧力など逆風要素も見られる。しかし、先述した背景に加えてイベント前の幕間繋ぎの物色から、相対的には強含みの展開が予想されよう。
個別では、FOMCを前にした週となるため、イベント前の持ち高調整が起こる可能性を想定し、すでに高値圏にある銘柄よりは過熱感のない銘柄に買い需要が発生しやすいと考える。そこで、弊社スクリーニング機能を用いて、(1)今期予想を含む2期連続で営業増益率が20%以上、かつ、(2)昨年末からの株価下落率が10%以上、の銘柄を抽出してみた。該当銘柄の中でチャート形状も過度に悪くないものとして、タスキ<2987>、HENNGE<4475>、GMOフィナンシャルゲート<4051>、フリークアウトHD<6094>、ポート<7047>、スタメン<4019>を取り上げてみた。
なお、今月半ばからのIPOラッシュの序盤戦にあたる企業が今週からブックビルディング(BB)期間に入っている。来週もBB入りとなる企業が多数あり、注目したい。
<FA>
今週の新興市場は4週ぶり小幅反落。中国でのゼロコロナ政策を巡る混乱や週末にかけての急速な為替の円高進行を背景に東証プライム市場の主力大型株が軒並み売られる中、景気や為替の動向に影響されにくい新興株は底堅く推移した。週前半にはセントルイス連銀・ブラード総裁やニューヨーク連銀・ウィリアムズ総裁などからタカ派発言もあったが、低調な米経済指標を受けて米長期金利が一段と低下するなか、新興株の逆風とはならなかった。なお、週間の騰落率は、日経平均が−1.79%であったのに対して、マザーズ指数は−0.08%、東証グロース市場指数は−0.08%だった。
時価総額上位銘柄では、ビジョナル<4194>が週間で+9.4%、プラスアルファ・コンサルティング<4071>が+6.4%と上昇したほか、外資証券による新規買い推奨が確認されたBuySell Technologies<7685>が+6.6%と買われた。ほか、三菱UFJフィナンシャル・グループ<8306>傘下の三菱UFJ銀行と屋外タワーシェアリングの推進を目的とした業務提携契約を締結して週後半に急伸したJTOWER<4485>が+4.9%となった。一方、上場来高値圏にあったM&A総合研究所<9552>とサンウェルズ<9229>がそれぞれ−9.0%、−6.5%と下落。ほか、ANYCOLOR<5032>−4.8%、フリー<4478>が−4.0%となった。週間騰落率ランキングでは、11月22日に新規上場したばかりの東京農工大学発の創薬型バイオベンチャーのティムス<4891>が+41.6%と急伸し、週末にかけて上場来高値を更新した。
■FOMC前も底堅さは継続、BBラッシュ
来週の新興市場はもみ合いか。今週末に発表された米11月雇用統計では非農業部門雇用者数と平均賃金の伸びが大きく市場予想を上回り、金融引き締め懸念を強める内容となった。ただ、景気後退懸念が強まる中、週末の米10年債利回りは3.49%と一段と低下し、10月下旬に一時付けた4.3%からの低下基調が鮮明になっている。翌週に控える米連邦公開市場委員会(FOMC)で示される政策金利見通し(ドット・チャート)を受けてからは反発に転じる可能性も残されているが、雇用統計の大幅な上振れを受けてもむしろ低下しているところを見る限り、目先は金利の低下圧力が根強く残りそうだ。
また、米商品先物取引委員会(CFTC)が公表している投機筋の米10年債のポジションをみると、依然として大幅な売り越し状態が続いており、翌週のFOMC前に債券の買い戻しが入る場合には、さらなる金利低下要因になり得る。少なくとも来週いっぱいは米長期金利の大幅な上昇転換の可能性は低いと考えられ、新興株の支援材料となろう。
低調な米経済指標を受けて景気後退懸念が強まる中、急速に円高・ドル安も進行しており、東証プライム市場を構成する主力大型株、特に景気敏感株の手掛けづらさが強まっている。こうした背景も、景気・為替動向との連動性が低い新興株の相対優位性につながりそうだ。
一方で、マザーズ指数は今週末に800ptを僅かに割り込んでおり、心理的な節目の水準での上昇一服感が見られているほか、今月半ばからの新規株式公開(IPO)ラッシュを前にした換金売り圧力など逆風要素も見られる。しかし、先述した背景に加えてイベント前の幕間繋ぎの物色から、相対的には強含みの展開が予想されよう。
個別では、FOMCを前にした週となるため、イベント前の持ち高調整が起こる可能性を想定し、すでに高値圏にある銘柄よりは過熱感のない銘柄に買い需要が発生しやすいと考える。そこで、弊社スクリーニング機能を用いて、(1)今期予想を含む2期連続で営業増益率が20%以上、かつ、(2)昨年末からの株価下落率が10%以上、の銘柄を抽出してみた。該当銘柄の中でチャート形状も過度に悪くないものとして、タスキ<2987>、HENNGE<4475>、GMOフィナンシャルゲート<4051>、フリークアウトHD<6094>、ポート<7047>、スタメン<4019>を取り上げてみた。
なお、今月半ばからのIPOラッシュの序盤戦にあたる企業が今週からブックビルディング(BB)期間に入っている。来週もBB入りとなる企業が多数あり、注目したい。
<FA>
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