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エレマテックのニュース
■要約
エレマテック<2715>は電子材料を得意とするエレクトロニクス商社。2009年に高千穂電気株式会社と大西電気株式会社が合併して誕生した。その後2012年に豊田通商<8015>グループ入りした。
1. スマートフォンの需要一巡により減収減益で着地ながら、健闘した決算
同社の2019年3月期は売上高183,399百万円(前期比6.5%減)、営業利益6,335百万円(同2.2%減)と減収減益で着地した。事業環境としては、上期は堅調だったものの下期に入ると米中貿易摩擦の影響などにより中国経済が減速した。そうしたなか同社は、スマートフォンの普及に伴う需要一巡の影響により、前期比減収となった。利益面では高付加価値ビジネスの増加によって売上総利益率が上昇したほか販管費も前期比減少した。この結果、営業利益は前期比減益となったものの、その減益幅は2.2%と相対的に軽微だった。
2. 成長のけん引役が、スマートフォンから自動車と自動化/省力化(ロボット)へ移行
同社は自身の特長と強みを生かし、その時々の成長市場を着実につかまえることで安定成長を実現してきた。過去10年ほどはスマートフォンが成長のけん引役となり、同社も“スマホ関連銘柄”との評価を得るまでになった。スマートフォンの普及が進んでその需要が一巡し、ここ数年は業績の踊り場にあったが、ここにきて成長市場が自動車と自動化・省力化(生産ロボット)に明確に移行した。とりわけ自動車関連については、従来から中長期的視野に立って地道に育成してきたことに加え、親会社である豊田通商の持つネットワークの活用などで、今後の成長戦略が一段と明確で骨太なものとなりつつある。2020年3月期予想ベースでは自動車関連売上高は年間500億円規模となり、スマートフォン関連の売上高の規模を大きく上回る見通しだ。
3. 強みである5つのベーシック機能を一段と強化し、成長市場の移行と合わせて成長加速を狙う
同社はまた、中長期成長戦略における取り組みとして、“高付加価値型ビジネス”の拡大に注力している。“高付加価値”の意味は、同社のビジネスのあり方として、商材の仕入・販売という伝統的なものから脱却し、企画・提案、試作品の製造、加工品やモジュール品及び、完成品としての納入などへと踏み込むことだ。同社は5つのベーシック機能(調達代行サービス機能、加工サービス機能、企画開発機能、海外ネットワーク機能、品質・環境マネジメント機能の5つ)を有している点に特徴と強みがある。今後はこれらの機能をさらに強化・活用して、ODM事業に迫るような領域にまで自社の活動領域を拡大していく方針だ。これまでも同社は、国内外の協力工場とも協力しながらそうした経験と実績を積み重ねており、その実力は既に有していると言える。今後はこの動きをさらに加速し、前述の成長市場の移り変わり(スマートフォンから自動車・ロボットへ)と合わせて、中長期的成長の実現につなげる方針だ。
■Key Points
・成長市場と高付加価値の2軸による成長戦略へ展開
・自動車関連の売上規模が約500億円となり、成長ドライバーの主役に躍進
・過去からの多数の取引において、付加価値の創造・拡大に向けた知見の蓄積が進む
(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川裕之)
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エレマテック<2715>は電子材料を得意とするエレクトロニクス商社。2009年に高千穂電気株式会社と大西電気株式会社が合併して誕生した。その後2012年に豊田通商<8015>グループ入りした。
1. スマートフォンの需要一巡により減収減益で着地ながら、健闘した決算
同社の2019年3月期は売上高183,399百万円(前期比6.5%減)、営業利益6,335百万円(同2.2%減)と減収減益で着地した。事業環境としては、上期は堅調だったものの下期に入ると米中貿易摩擦の影響などにより中国経済が減速した。そうしたなか同社は、スマートフォンの普及に伴う需要一巡の影響により、前期比減収となった。利益面では高付加価値ビジネスの増加によって売上総利益率が上昇したほか販管費も前期比減少した。この結果、営業利益は前期比減益となったものの、その減益幅は2.2%と相対的に軽微だった。
2. 成長のけん引役が、スマートフォンから自動車と自動化/省力化(ロボット)へ移行
同社は自身の特長と強みを生かし、その時々の成長市場を着実につかまえることで安定成長を実現してきた。過去10年ほどはスマートフォンが成長のけん引役となり、同社も“スマホ関連銘柄”との評価を得るまでになった。スマートフォンの普及が進んでその需要が一巡し、ここ数年は業績の踊り場にあったが、ここにきて成長市場が自動車と自動化・省力化(生産ロボット)に明確に移行した。とりわけ自動車関連については、従来から中長期的視野に立って地道に育成してきたことに加え、親会社である豊田通商の持つネットワークの活用などで、今後の成長戦略が一段と明確で骨太なものとなりつつある。2020年3月期予想ベースでは自動車関連売上高は年間500億円規模となり、スマートフォン関連の売上高の規模を大きく上回る見通しだ。
3. 強みである5つのベーシック機能を一段と強化し、成長市場の移行と合わせて成長加速を狙う
同社はまた、中長期成長戦略における取り組みとして、“高付加価値型ビジネス”の拡大に注力している。“高付加価値”の意味は、同社のビジネスのあり方として、商材の仕入・販売という伝統的なものから脱却し、企画・提案、試作品の製造、加工品やモジュール品及び、完成品としての納入などへと踏み込むことだ。同社は5つのベーシック機能(調達代行サービス機能、加工サービス機能、企画開発機能、海外ネットワーク機能、品質・環境マネジメント機能の5つ)を有している点に特徴と強みがある。今後はこれらの機能をさらに強化・活用して、ODM事業に迫るような領域にまで自社の活動領域を拡大していく方針だ。これまでも同社は、国内外の協力工場とも協力しながらそうした経験と実績を積み重ねており、その実力は既に有していると言える。今後はこの動きをさらに加速し、前述の成長市場の移り変わり(スマートフォンから自動車・ロボットへ)と合わせて、中長期的成長の実現につなげる方針だ。
■Key Points
・成長市場と高付加価値の2軸による成長戦略へ展開
・自動車関連の売上規模が約500億円となり、成長ドライバーの主役に躍進
・過去からの多数の取引において、付加価値の創造・拡大に向けた知見の蓄積が進む
(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川裕之)
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