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デジアーツ Research Memo(3):「Web・メール・ファイル」のセキュリティ対策製品を中核事業に展開(1)

配信元:フィスコ
投稿:2019/07/12 15:13
■事業概要

同社グループは、2019年3月末現在、デジタルアーツ<2326>と子会社5社の計6社により構成される。このうち連結子会社(2019年3月末)は、Digital Arts Asia Pacific Pte. Ltd.、Digital Arts Europe Limited.、Digital Arts America, Inc.,、デジタルアーツコンサルティングの4社。4社以外の重要な子会社として、2012年6月に設立した米国子会社 Digital Arts Investment, Inc.がある。

手掛ける事業は、一般企業や官公庁、個人向けのWebセキュリティソフト、メールセキュリティソフト、及びファイル暗号化・追跡ソリューションの企画・開発・販売等のセキュリティ事業。開示セグメントはセキュリティ事業のみであるが、ユーザー市場別の状況を開示しており、2019年3月期の市場別売上構成は、企業向け53.6%、公共向け37.5%、家庭向け8.8%となっている。

同社が開発、販売を行っている製品は、(1)Webセキュリティ製品、(2)メールセキュリティ製品、(3)ファイルセキュリティ製品の3つの製品群に分類される。販売方法は、直販(同社のサイトでの申し込み)、販売代理店・販売店等経由で販売するが、企業向け、公共向けはSB C&S(株)(SB C&Sホールディングス子会社)、ダイワボウ情報システム(株)(ダイワボウホールディングス<3107>子会社)などの大手販売代理店経由が大半を占める。

1. Webセキュリティ製品(Webセキュリティソフト)
利用者の設定によってインターネット上のサイトを閲覧するものとしないものに分別する機能を有するソフトウェア。主要製品は企業、官公庁向けの「i-FILTER」、「i-FILTERブラウザー&クラウド」、「D-SPA」と、家庭向けの「i-フィルター」。

主力のライセンス販売製品(オンプレミス版)において、ソフトウェアの利用者は、導入初年度にソフトウェア利用料(ソフトウェアライセンス料と保守料)を支払い、2年目以降は初年度支払額を100とした場合、その半分の50を更新料として払う仕組みであり、安定したストック型ビジネスモデルとなっている。一方、ソフトの開発費は費用として計上される部分と、資産計上され減価償却される部分に分かれるが、売上との差額が同社の収益となる。

それぞれの主要製品の特徴は以下のとおり。(Ver.数は2019年4月時点の最新版)

(1) 「i-FILTER」 (Ver.10)
最新製品であるWebセキュリティソフト「i-FILTER」Ver.10は、メールセキュリティソフト「m-FILTER」Ver.5との連携によって、外部からの攻撃対策と内部からの漏洩対策を同時に防ぐ究極のセキュリティを実現する。標的型攻撃対策※からWebセキュリティまで一つの製品で実現し、Webサービスの柔軟な制御と「見える化」によるリスク管理などが特徴である。

※ 標的型攻撃とは、特定の組織や個人に対して、情報や金銭の不正取得あるいは業務の妨害など、明確な目的をもって行われるサイバー攻撃の総称。


(2) 「i-FILTERブラウザー&クラウド」
スマートデバイス向けWebセキュリティソフトで、AndroidやiOS(iPhone・iPadなど)を搭載したスマートデバイスから、ノートPCなどWindows端末まで、マルチOSの一元管理が可能で、私的利用の抑制、情報漏洩対策を実現する。

(3) 「i-フィルター」
家庭向けは「i-フィルター」のブランド名で提供されている。主要製品は、Windows、iOS、Androidのすべての端末で利用が可能なマルチデバイス用サービス「i-フィルターforマルチデバイス」のほか、PC用サービス、ゲーム機用サービス、スマートフォン・タブレット端末・音楽プレーヤー用サービス等、様々なデバイスに応じた製品を提供している。

なお、製品は大手キャリアのスマートフォンに標準搭載されているほか、インターネットサービスプロバイダーや任天堂<7974>の「3DS」、「Wii」、ソニー<6758>の「PlayStation」、「PSP」など主要ゲーム機・TV・携帯端末機サービスにも正式採用されている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 山田秀樹)


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配信元: フィスコ
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