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森永製菓のニュース
*15:14JST カンロ Research Memo(4):研究開発技術、品質保証体制、カスタマーイン、商品開発・販売体制が強み(2)
■事業概要
2. 事業の特徴
カンロ<2216>の事業は、数多くある菓子のカテゴリーの中でもハードキャンディとグミのカテゴリーに特化しており、キャンディカテゴリーにおいて国内ではトップのシェアを持つ。国内では、総合菓子メーカーとして明治ホールディングス<2269>や森永製菓<2201>などの上場会社は存在するが、キャンディに特化した企業で上場している会社は珍しい。
同社の売上構成比は、ハードキャンディカテゴリーの2019年12月期の売上高比率は65.0%であったが、2021年12月期は55.9%、2022年12月期は53.4%と最近では6割を切っている。一方で2019年12月期のグミカテゴリーの売上高比率は29.0%と3割程度だったが、2021年12月期は40.9%、2022年12月期は43.7%と4割以上に伸びてきている。
要因としては、グミの国内市場が伸長してきていること、新型コロナウイルス感染症拡大(以下、コロナ禍)をきっかけにライフスタイルが変化しつつあること、同社のグミを成長エンジンとした成長戦略が実を結んだ結果などがあると見られる。同社は、「中長経営計画2024」の中でもキャンディ市場でのトップシェアを維持し、グミのシェアNo.1を目指すと掲げているがキャンディ市場の今後の動きを踏まえ、市場をどう捉えるか、同社の動きに注目していきたい。
(1) 飴(ハードキャンディ)
ハードキャンディとは、水分量が1~3%で、基本配合が砂糖、水飴、酸味料、香料のもの。商品で言えば、フルーツキャンディ、ドロップ、タフィー、黒飴、のど飴、バターボールなどである。ハードキャンディは、これまでの顧客が高齢化し、若い層を取り込めていない状況がある。また、糖質制限のブームによりキャンディを敬遠する風潮が広まったことなどの要因により、国内市場は頭打ちの状況が続いている。
こうした逆境のなか、同社は、あえて「糖と歩む企業」を全体方針に挙げ、「糖から未来をつくる」をスローガンに、リブランディングを行った。2022年には企業パーパス「Sweeten the Future 心がひとつぶ、大きくなる。」を策定、「飴離れ」と言われる若い層に対し、Z世代が好む情緒的で可愛らしいキャンディの商品開発や新しい販売手法を共創することで新しい市場開拓につなげており、一部の商品はSNSで話題になっている。
(2) グミ
グミは、水分量が10~20%で、ハードキャンディの基本配合にゼラチンが加わる。同社は新ブランドを生み出し、現在は、同社が発売するグミの商品は、子どもから大人まで広い層で親しまれている。
(a) 「ピュレグミ」
2002年に同社が発売した「ピュレグミ」は、発売当時は子ども向け菓子であったグミを大人女性も楽しめる菓子としてグレードアップし、グミの新たな購買層を開拓した。果肉のような食感と甘ずっぱさが特徴で、その食感は原料の配合に加えて、綿密な製造条件をクリアしたことで生まれた。「ピュレグミ」が開拓した大人の女性層は、今ではグミのメイン購買層となっている。発売開始から20年間でブランド累計10億袋以上販売するなど、グミ市場拡大を牽引してきた商品である。そして、ピュレグミプレミアムやピュレリング等の派生品を含めて2022年度グミカテゴリー年間売上No.1※となった。グミ国内市場拡大において長期的な活性化に貢献したことが評価され、「ピュレグミ」を発売して20周年を迎えた2022年10月に(株)食品産業新聞社が制定する第52回食品産業技術功労賞(マーケティング部門)“「ピュレグミ」で新需要を創出”というテーマで受賞した。
※(株)インテージSRI+グミ市場2022年1月~12月累計販売金額 ブランドランキング
(b) 「カンデミーナグミ」
「カンデミーナグミ」は2013年、若年層や男性向けに発売され、波型・パズル型・矢印型・力型などこれまでに類を見ない立体的な3Dのグミで、独自の形と食感で特許製法※(特許第6137530号:グミキャンディ成型用のスターチ押し型及びグミキャンディの製造方法)を取得した。
※一部特許製法以外の商品もある。
(c) 「ピュレリング」
2020年、“親から子へ想いをつなげる”をコンセプトに、同社商品の中でも人気の高い「ピュレグミ」を親子でおいしく楽しく食べられるようにという想いから誕生した商品だ。「ピュレグミ」をハートのリング型にしたもので、「見た目のかわいらしさ」や「カラフルな色合いでいろいろな味わいが楽しめる」という点から親子のコミュニケーションもとりやすい商品である。通常のピュレグミよりもすっぱさ控えめで食べやすい味になっている。
(d) 「マロッシュ」
2021年に発表した前述のマシュマロ製品「マロッシュ」は、食べているうちにマシュマロになる不思議な食感の菓子。口に入れるとパウダーが爽快感を感じる一方で、もっちりとした弾力で噛みごたえを感じられる新感覚の商品である。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 中山博詞)
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2. 事業の特徴
カンロ<2216>の事業は、数多くある菓子のカテゴリーの中でもハードキャンディとグミのカテゴリーに特化しており、キャンディカテゴリーにおいて国内ではトップのシェアを持つ。国内では、総合菓子メーカーとして明治ホールディングス<2269>や森永製菓<2201>などの上場会社は存在するが、キャンディに特化した企業で上場している会社は珍しい。
同社の売上構成比は、ハードキャンディカテゴリーの2019年12月期の売上高比率は65.0%であったが、2021年12月期は55.9%、2022年12月期は53.4%と最近では6割を切っている。一方で2019年12月期のグミカテゴリーの売上高比率は29.0%と3割程度だったが、2021年12月期は40.9%、2022年12月期は43.7%と4割以上に伸びてきている。
要因としては、グミの国内市場が伸長してきていること、新型コロナウイルス感染症拡大(以下、コロナ禍)をきっかけにライフスタイルが変化しつつあること、同社のグミを成長エンジンとした成長戦略が実を結んだ結果などがあると見られる。同社は、「中長経営計画2024」の中でもキャンディ市場でのトップシェアを維持し、グミのシェアNo.1を目指すと掲げているがキャンディ市場の今後の動きを踏まえ、市場をどう捉えるか、同社の動きに注目していきたい。
(1) 飴(ハードキャンディ)
ハードキャンディとは、水分量が1~3%で、基本配合が砂糖、水飴、酸味料、香料のもの。商品で言えば、フルーツキャンディ、ドロップ、タフィー、黒飴、のど飴、バターボールなどである。ハードキャンディは、これまでの顧客が高齢化し、若い層を取り込めていない状況がある。また、糖質制限のブームによりキャンディを敬遠する風潮が広まったことなどの要因により、国内市場は頭打ちの状況が続いている。
こうした逆境のなか、同社は、あえて「糖と歩む企業」を全体方針に挙げ、「糖から未来をつくる」をスローガンに、リブランディングを行った。2022年には企業パーパス「Sweeten the Future 心がひとつぶ、大きくなる。」を策定、「飴離れ」と言われる若い層に対し、Z世代が好む情緒的で可愛らしいキャンディの商品開発や新しい販売手法を共創することで新しい市場開拓につなげており、一部の商品はSNSで話題になっている。
(2) グミ
グミは、水分量が10~20%で、ハードキャンディの基本配合にゼラチンが加わる。同社は新ブランドを生み出し、現在は、同社が発売するグミの商品は、子どもから大人まで広い層で親しまれている。
(a) 「ピュレグミ」
2002年に同社が発売した「ピュレグミ」は、発売当時は子ども向け菓子であったグミを大人女性も楽しめる菓子としてグレードアップし、グミの新たな購買層を開拓した。果肉のような食感と甘ずっぱさが特徴で、その食感は原料の配合に加えて、綿密な製造条件をクリアしたことで生まれた。「ピュレグミ」が開拓した大人の女性層は、今ではグミのメイン購買層となっている。発売開始から20年間でブランド累計10億袋以上販売するなど、グミ市場拡大を牽引してきた商品である。そして、ピュレグミプレミアムやピュレリング等の派生品を含めて2022年度グミカテゴリー年間売上No.1※となった。グミ国内市場拡大において長期的な活性化に貢献したことが評価され、「ピュレグミ」を発売して20周年を迎えた2022年10月に(株)食品産業新聞社が制定する第52回食品産業技術功労賞(マーケティング部門)“「ピュレグミ」で新需要を創出”というテーマで受賞した。
※(株)インテージSRI+グミ市場2022年1月~12月累計販売金額 ブランドランキング
(b) 「カンデミーナグミ」
「カンデミーナグミ」は2013年、若年層や男性向けに発売され、波型・パズル型・矢印型・力型などこれまでに類を見ない立体的な3Dのグミで、独自の形と食感で特許製法※(特許第6137530号:グミキャンディ成型用のスターチ押し型及びグミキャンディの製造方法)を取得した。
※一部特許製法以外の商品もある。
(c) 「ピュレリング」
2020年、“親から子へ想いをつなげる”をコンセプトに、同社商品の中でも人気の高い「ピュレグミ」を親子でおいしく楽しく食べられるようにという想いから誕生した商品だ。「ピュレグミ」をハートのリング型にしたもので、「見た目のかわいらしさ」や「カラフルな色合いでいろいろな味わいが楽しめる」という点から親子のコミュニケーションもとりやすい商品である。通常のピュレグミよりもすっぱさ控えめで食べやすい味になっている。
(d) 「マロッシュ」
2021年に発表した前述のマシュマロ製品「マロッシュ」は、食べているうちにマシュマロになる不思議な食感の菓子。口に入れるとパウダーが爽快感を感じる一方で、もっちりとした弾力で噛みごたえを感じられる新感覚の商品である。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 中山博詞)
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