755円
日本国土開発のニュース
18日の後場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。
・日経平均は反発、英財政不安後退も米長期金利の4%維持が気掛かり
・ドル・円は上げ渋り、日本政府の円安けん制で
・値上がり寄与トップはリクルートHD<6098>、同2位は第一三共<4568>
■日経平均は反発、英財政不安後退も米長期金利の4%維持が気掛かり
日経平均は反発。209.87円高の26985.66円(出来高概算5億3395万株)で前場の取引を終えている。
17日の米株式市場でダウ平均は550.99ドル高(+1.85%)と大幅反発。英政府の減税策の撤回で同国の財政悪化を契機とした世界金融市場の混乱への警戒感が緩和。また、大手銀行の予想を上回る決算も安心感を誘い、終日堅調に推移した。ナスダック総合指数も+3.43%と大幅反発。米国株の反発を受けて日経平均は391.94円高と27000円を回復してスタート。ただ、買い戻しの息は短く、寄り付き直後に27229.88円(454.09円高)の高値を付けると、戻り待ちの売りから失速。しばらく上げ幅を縮める動きが続き、前場中ごろには26910.10円(134.31円高)まで縮小した。一方、ナスダック100先物が上昇率1%を超えて推移する中、前引けにかけては下げ渋る展開となった。
個別では、JR東<9020>、JR西<9021>の陸運、JAL<9201>、ANA<9202>の空運、三越伊勢丹<3099>、高島屋<8233>の百貨店など、リオープン・インバウンド関連が総じて高い。コナミG<9766>、コーエーテクモ<3635>、セガサミーHD<6460>のゲームセクター、第一三共<4568>、エーザイ<4523>の医薬品も大きく上昇。自社株買いを発表したリクルートHD<6098>は大幅高となり、米ハイテク株高に加えて月次動向も追い風になったラクス<3923>が急伸。マネーフォワード<3994>は決算があく抜け感につながり急騰。Sansan<4443>、サイボウズ<4776>、ラクスル<4384>など中小型グロース株が全般大きく上昇している。通期計画を大幅に引き上げたSANKYO<6417>も大幅高となった。
一方、ソフトバンクG<9984>、東エレク<8035>、ルネサス<6723>のハイテクの一角が下落。富士石油<5017>、INPEX<1605>、日本製鉄<5401>、東京製鐵<5423>などの市況関連株も全般軟調。前日大きく上昇した商船三井<9104>、川崎汽船<9107>の海運は反落。日本国土開発<1887>は第1四半期の大幅減益決算を受けて大きく下落した。
セクターでは精密機器、陸運、サービスが上昇率上位になった一方、鉱業、海運、鉄鋼が下落率上位となった。東証プライム市場の値上がり銘柄は全体の83%、対して値下がり銘柄は14%となっている。
ナスダックの大幅反発を背景に投資家心理が改善し、本日の東京市場でも買い戻しが先行している。しかし、日経平均は寄り天井の形で大きく失速、200日移動平均線手前で陰線を形成しており、上値の重さを確認した格好だ。寄り付き直後の高値からは一時300円以上も下げた。最近は、心理的な節目の27000円を割り込んでもすぐに回復する底堅さが見られる一方、回復した割には再びあっさりと同水準を割り込むなど、非常に振れ幅の激しいボラタイルな展開が続いている。それでも200日線を超えられない状態が長期化しているあたり、大勢はやはり弱気局面が継続しているといえそうだ。
前日の米国株もハイテク株を中心に大幅反発をしたとはいえ、気掛かりな要素もある。英国のハント新財務相が減税計画の撤回を発表したことで同国の財政不安が後退し、前日の英国債利回りは低下(債券価格は上昇)、通貨ポンドは対ドルで買い戻された。これが波及する形で、前日の米国金利も低下した。しかし、米10年債利回りは低下したとはいえ、結局4%台のままだ。
前日の米国時間、米10年債利回りは一時3.92%まで低下したが、そこから急速に下げ渋って結局4.01%で終えた。米10年債利回りは9月28日に4%に乗せた後、景気後退懸念などを背景に10月上旬に一時3.5%台まで低下。この時、米国金利はピークを打ったとする声も聞かれたが、その後、再び4%を回復。このように、米10年債利回りは4%に乗せては同水準を割り込むといった動きを何度も繰り返している。英国財政を巡る懸念が大きく後退したにもかかわらず、根強く4%台を維持してくるあたり、金利の先高観の強さが窺える。実際、フェデラルファンド(FF)金利先物市場は来年3月時点で政策金利が4.9%にまで上昇することを織り込んでいる。今後の金利上昇圧力は依然として残っていると推察され、株式市場への影響が懸念される。
また、企業決算も注目される。今晩の米国市場では、金融大手のゴールドマン・サックスのほか、動画配信サービスのネットフリックスなどの決算が予定されている。今のところ、金融大手の決算は堅調で、今後本格化する7-9月期決算に対する警戒感は和らいでいるが、ネットフリックスの決算がどのようなものになるかは注目だ。有料会員数が予想外に大きく減少するといった結果になると、4月のネットフリックスショックの再来となりかねないため、注意が必要だ。一方、予想を上回るものとなれば、今週末の米国でのオプション取引に係る特別清算指数算出(SQ)にかけて、全体相場におけるショートカバー(売り方)が加速しそうだ。
■ドル・円は上げ渋り、日本政府の円安けん制で
18日午前の東京市場でドル・円は上げ渋り。米バイデン政権のドル高容認姿勢で、早朝には一時149円台に浮上したが、その後はやや失速。岸田首相は「過度な変動に対しては適切な対応を断固としてとっていく」と発言し、過度な円安に対するけん制を強めた。
ここまでの取引レンジは、ドル・円は148円66銭から149円03銭、ユーロ・円は146円23銭から146円73銭、ユーロ・ドルは0.9829ドルから0.9852ドル。
■後場のチェック銘柄
・テックファームホールディングス<3625>、ピー・ビーシステムズ<4447>など、3銘柄がストップ高
※一時ストップ高(気配値)を含みます
・値上がり寄与トップはリクルートHD<6098>、同2位は第一三共<4568>
■経済指標・要人発言
【経済指標】
・NZ・7-9月期消費者物価指数:前年比+7.2%(予想:+6.5%、4-6月期:+7.3%)
【要人発言】
・岸田首相
「最近の為替市場の動き、一刻一刻注視している」
「投機による過度な変動は容認できない」
「過度な変動に対しては適切な対応を断固としてとっていく」
・黒田日銀総裁
「為替変動や商品市場の動向、先行き不確実性が高い」
「最近の円安進行、輸入物価の上昇をもたらしている」
「量的・質的緩和が失敗したというのは事実に反する。辞任するつもりはない」
・ブロック豪準備銀行副総裁
「向こう数カ月にわたり金利をさらに引き上げる」
「小幅な利上げで他国と同様の引き締めを実現できる」
・豪準備銀行・議事要旨
「25bpの利上げは微妙なバランス」
<国内>
特になし
<海外>
特になし
<CS>
・日経平均は反発、英財政不安後退も米長期金利の4%維持が気掛かり
・ドル・円は上げ渋り、日本政府の円安けん制で
・値上がり寄与トップはリクルートHD<6098>、同2位は第一三共<4568>
■日経平均は反発、英財政不安後退も米長期金利の4%維持が気掛かり
日経平均は反発。209.87円高の26985.66円(出来高概算5億3395万株)で前場の取引を終えている。
17日の米株式市場でダウ平均は550.99ドル高(+1.85%)と大幅反発。英政府の減税策の撤回で同国の財政悪化を契機とした世界金融市場の混乱への警戒感が緩和。また、大手銀行の予想を上回る決算も安心感を誘い、終日堅調に推移した。ナスダック総合指数も+3.43%と大幅反発。米国株の反発を受けて日経平均は391.94円高と27000円を回復してスタート。ただ、買い戻しの息は短く、寄り付き直後に27229.88円(454.09円高)の高値を付けると、戻り待ちの売りから失速。しばらく上げ幅を縮める動きが続き、前場中ごろには26910.10円(134.31円高)まで縮小した。一方、ナスダック100先物が上昇率1%を超えて推移する中、前引けにかけては下げ渋る展開となった。
個別では、JR東<9020>、JR西<9021>の陸運、JAL<9201>、ANA<9202>の空運、三越伊勢丹<3099>、高島屋<8233>の百貨店など、リオープン・インバウンド関連が総じて高い。コナミG<9766>、コーエーテクモ<3635>、セガサミーHD<6460>のゲームセクター、第一三共<4568>、エーザイ<4523>の医薬品も大きく上昇。自社株買いを発表したリクルートHD<6098>は大幅高となり、米ハイテク株高に加えて月次動向も追い風になったラクス<3923>が急伸。マネーフォワード<3994>は決算があく抜け感につながり急騰。Sansan<4443>、サイボウズ<4776>、ラクスル<4384>など中小型グロース株が全般大きく上昇している。通期計画を大幅に引き上げたSANKYO<6417>も大幅高となった。
一方、ソフトバンクG<9984>、東エレク<8035>、ルネサス<6723>のハイテクの一角が下落。富士石油<5017>、INPEX<1605>、日本製鉄<5401>、東京製鐵<5423>などの市況関連株も全般軟調。前日大きく上昇した商船三井<9104>、川崎汽船<9107>の海運は反落。日本国土開発<1887>は第1四半期の大幅減益決算を受けて大きく下落した。
セクターでは精密機器、陸運、サービスが上昇率上位になった一方、鉱業、海運、鉄鋼が下落率上位となった。東証プライム市場の値上がり銘柄は全体の83%、対して値下がり銘柄は14%となっている。
ナスダックの大幅反発を背景に投資家心理が改善し、本日の東京市場でも買い戻しが先行している。しかし、日経平均は寄り天井の形で大きく失速、200日移動平均線手前で陰線を形成しており、上値の重さを確認した格好だ。寄り付き直後の高値からは一時300円以上も下げた。最近は、心理的な節目の27000円を割り込んでもすぐに回復する底堅さが見られる一方、回復した割には再びあっさりと同水準を割り込むなど、非常に振れ幅の激しいボラタイルな展開が続いている。それでも200日線を超えられない状態が長期化しているあたり、大勢はやはり弱気局面が継続しているといえそうだ。
前日の米国株もハイテク株を中心に大幅反発をしたとはいえ、気掛かりな要素もある。英国のハント新財務相が減税計画の撤回を発表したことで同国の財政不安が後退し、前日の英国債利回りは低下(債券価格は上昇)、通貨ポンドは対ドルで買い戻された。これが波及する形で、前日の米国金利も低下した。しかし、米10年債利回りは低下したとはいえ、結局4%台のままだ。
前日の米国時間、米10年債利回りは一時3.92%まで低下したが、そこから急速に下げ渋って結局4.01%で終えた。米10年債利回りは9月28日に4%に乗せた後、景気後退懸念などを背景に10月上旬に一時3.5%台まで低下。この時、米国金利はピークを打ったとする声も聞かれたが、その後、再び4%を回復。このように、米10年債利回りは4%に乗せては同水準を割り込むといった動きを何度も繰り返している。英国財政を巡る懸念が大きく後退したにもかかわらず、根強く4%台を維持してくるあたり、金利の先高観の強さが窺える。実際、フェデラルファンド(FF)金利先物市場は来年3月時点で政策金利が4.9%にまで上昇することを織り込んでいる。今後の金利上昇圧力は依然として残っていると推察され、株式市場への影響が懸念される。
また、企業決算も注目される。今晩の米国市場では、金融大手のゴールドマン・サックスのほか、動画配信サービスのネットフリックスなどの決算が予定されている。今のところ、金融大手の決算は堅調で、今後本格化する7-9月期決算に対する警戒感は和らいでいるが、ネットフリックスの決算がどのようなものになるかは注目だ。有料会員数が予想外に大きく減少するといった結果になると、4月のネットフリックスショックの再来となりかねないため、注意が必要だ。一方、予想を上回るものとなれば、今週末の米国でのオプション取引に係る特別清算指数算出(SQ)にかけて、全体相場におけるショートカバー(売り方)が加速しそうだ。
■ドル・円は上げ渋り、日本政府の円安けん制で
18日午前の東京市場でドル・円は上げ渋り。米バイデン政権のドル高容認姿勢で、早朝には一時149円台に浮上したが、その後はやや失速。岸田首相は「過度な変動に対しては適切な対応を断固としてとっていく」と発言し、過度な円安に対するけん制を強めた。
ここまでの取引レンジは、ドル・円は148円66銭から149円03銭、ユーロ・円は146円23銭から146円73銭、ユーロ・ドルは0.9829ドルから0.9852ドル。
■後場のチェック銘柄
・テックファームホールディングス<3625>、ピー・ビーシステムズ<4447>など、3銘柄がストップ高
※一時ストップ高(気配値)を含みます
・値上がり寄与トップはリクルートHD<6098>、同2位は第一三共<4568>
■経済指標・要人発言
【経済指標】
・NZ・7-9月期消費者物価指数:前年比+7.2%(予想:+6.5%、4-6月期:+7.3%)
【要人発言】
・岸田首相
「最近の為替市場の動き、一刻一刻注視している」
「投機による過度な変動は容認できない」
「過度な変動に対しては適切な対応を断固としてとっていく」
・黒田日銀総裁
「為替変動や商品市場の動向、先行き不確実性が高い」
「最近の円安進行、輸入物価の上昇をもたらしている」
「量的・質的緩和が失敗したというのは事実に反する。辞任するつもりはない」
・ブロック豪準備銀行副総裁
「向こう数カ月にわたり金利をさらに引き上げる」
「小幅な利上げで他国と同様の引き締めを実現できる」
・豪準備銀行・議事要旨
「25bpの利上げは微妙なバランス」
<国内>
特になし
<海外>
特になし
<CS>
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