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ファーストコーポレーションのニュース
*15:19JST 1stコーポ Research Memo(9):免震・耐震に優れた新建築技術の研究開発に注力。差別化で受注拡大を目指す
■中期的な展望
1. 免震・耐震に優れた新たな建築技術の開発
ファーストコーポレーション<1430>は、中期的には建築技術に関する新たな手法を開発し、他社との差別化によって受注拡大につなげる方針だ。具体的には、免震・耐震に優れた新建築技術の研究開発に注力している。現在の新耐震基準は1981年から施行されており、施行から40年以上が経過している。国土交通省の調査によると、2023年末には新耐震基準のマンションで築年数が40年超となるものが約34万戸に上ると推定されている。さらに、2038年末には、その約8倍の約260万戸まで膨らむという。一般的にマンションは築30~40年で建て替える傾向にあり、新耐震基準対応のマンションであっても今後、建て替えのニーズが発生することは想像に難くない。そうしたなか、同社の免震・耐震に優れた新たな建築技術が差別化要因になると弊社は考える。研究開発は順調に進んでおり、近い将来、具体的な成果を発表できるようである。今後も引き続き研究開発に注力し、投資家に向けて進捗状況の開示を適宜実施していく。
全国的に人口が減少するなかにあっても、同社が主要事業エリアとしている首都圏1都3県の人口減少スピードは相対的に緩やかである。また、同社によると分譲マンションに対する購買意欲は今後も底堅く推移することが予想されるという。同社のこの地域でのシェアは2024年5月期で3.21%であることから、なお市場開拓の余地は大きいと言えそうだ。
九州支店でもオフィスビルを建設。実績をベースにさらなる事業拡大を模索中
2. M&Aを念頭に置いた事業展開
建設業界における足元のマイナス要因の1つは慢性的な人手不足である。そうしたなかで同社は、業務提携によって施工人員の拡充を図るなど、積極的に対策を講じている。人手不足解消の手段としては、業務提携のほか、M&Aも念頭に置いている。人材育成は時間を要するため、現状では規模に応じた受注を心掛けているが、必要に応じてM&Aによる陣容増強に踏み切る考えだ。M&Aについてはコストパフォーマンスに留意し、慎重に進める考えだ。外部環境の好調が見込まれるなか、旺盛なニーズをしっかりと業績に取り込む体制を構築し、事業領域を広げるためにもM&Aを活用する方針である。また、2024年5月には管理本部管下の採用・人材開発部を採用・人材開発室に改組したうえで、社長直轄部門とした。採用力を強化することで、施工人員と施工体制の拡充を図る。
一方、将来の成長性を考えたうえで重要なポイントとなるのがエリアの拡大であり、注目すべきは九州支店である。同支店については、2018年4月の開設後、投資先行の状態が続いていたが、直近では福岡県福岡市博多区でオフィスビルを手掛けたほか、事業用地の売却、自社開発案件を手掛けるなど、事業活動の幅を確実に広げている。アジアへの玄関口であるこの地域の人口は2038年まで増加すると見込まれており、将来的なビジネスの展開を踏まえても、九州支店を開設した意味は大きい。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 清水陽一郎)
<HN>
1. 免震・耐震に優れた新たな建築技術の開発
ファーストコーポレーション<1430>は、中期的には建築技術に関する新たな手法を開発し、他社との差別化によって受注拡大につなげる方針だ。具体的には、免震・耐震に優れた新建築技術の研究開発に注力している。現在の新耐震基準は1981年から施行されており、施行から40年以上が経過している。国土交通省の調査によると、2023年末には新耐震基準のマンションで築年数が40年超となるものが約34万戸に上ると推定されている。さらに、2038年末には、その約8倍の約260万戸まで膨らむという。一般的にマンションは築30~40年で建て替える傾向にあり、新耐震基準対応のマンションであっても今後、建て替えのニーズが発生することは想像に難くない。そうしたなか、同社の免震・耐震に優れた新たな建築技術が差別化要因になると弊社は考える。研究開発は順調に進んでおり、近い将来、具体的な成果を発表できるようである。今後も引き続き研究開発に注力し、投資家に向けて進捗状況の開示を適宜実施していく。
全国的に人口が減少するなかにあっても、同社が主要事業エリアとしている首都圏1都3県の人口減少スピードは相対的に緩やかである。また、同社によると分譲マンションに対する購買意欲は今後も底堅く推移することが予想されるという。同社のこの地域でのシェアは2024年5月期で3.21%であることから、なお市場開拓の余地は大きいと言えそうだ。
九州支店でもオフィスビルを建設。実績をベースにさらなる事業拡大を模索中
2. M&Aを念頭に置いた事業展開
建設業界における足元のマイナス要因の1つは慢性的な人手不足である。そうしたなかで同社は、業務提携によって施工人員の拡充を図るなど、積極的に対策を講じている。人手不足解消の手段としては、業務提携のほか、M&Aも念頭に置いている。人材育成は時間を要するため、現状では規模に応じた受注を心掛けているが、必要に応じてM&Aによる陣容増強に踏み切る考えだ。M&Aについてはコストパフォーマンスに留意し、慎重に進める考えだ。外部環境の好調が見込まれるなか、旺盛なニーズをしっかりと業績に取り込む体制を構築し、事業領域を広げるためにもM&Aを活用する方針である。また、2024年5月には管理本部管下の採用・人材開発部を採用・人材開発室に改組したうえで、社長直轄部門とした。採用力を強化することで、施工人員と施工体制の拡充を図る。
一方、将来の成長性を考えたうえで重要なポイントとなるのがエリアの拡大であり、注目すべきは九州支店である。同支店については、2018年4月の開設後、投資先行の状態が続いていたが、直近では福岡県福岡市博多区でオフィスビルを手掛けたほか、事業用地の売却、自社開発案件を手掛けるなど、事業活動の幅を確実に広げている。アジアへの玄関口であるこの地域の人口は2038年まで増加すると見込まれており、将来的なビジネスの展開を踏まえても、九州支店を開設した意味は大きい。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 清水陽一郎)
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