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ファーストコーポレーションのニュース
■事業内容と沿革
創業は2011年6月で、資本金40,000千円でスタート。以来、「より良質な住宅を供給し、人々の豊かな住環境に貢献する」を社是、「安全・安心・堅実」をモットーとして、良質で安価な住宅を供給してきた。分譲マンション建設に特化したゼネコンである。
事業エリアは、東京、神奈川、千葉、埼玉の1都3県で展開。これら東京圏と呼ばれるエリアは、全国的に人口減少となるなかで、依然として人口が増加する一方、2020年の東京オリンピック・パラリンピックを控えて再開発需要が旺盛であるなど、マンション需要はなお拡大する見通しだ。
国土交通省の建築着工統計調査報告によると、東京圏1都3県のマンション建設の着工戸数は、2018年に54,000戸と前年比16.6%減が予想されている。2011年以降キープしていた6万戸台を割り込む見通しだ。
着工件数は2ケタの大幅減少となるものの、これは急激にマンション需要が減退したということではない。五輪需要を見込んで東京圏ではホテル建設が活発化した状態が続いており、ホテルとの競合でマンション用地の確保が業界全体で難しくなっていることも理由となっている。実際、(株)不動産研究所の公表値における2018年の供給戸数予想は前年比5.3%減と着工件数に比して減少幅は小さい。
ひと頃に比べて環境は厳しくなりながらも、ファーストコーポレーション<1430>の強みである「造注方式」を生かして良質なマンションを供給し、巻き返しに向けて態勢を整えている状態だ。
この「造注方式」を武器に創業後は急速に成長し、2015年3月には東証マザーズ市場に、創業からわずか3年9ヶ月で上場。2016年12月には、東証第1部に指定替えとなった。
造注方式により収益力がアップ
同社が急成長を遂げた背景に、「造注方式」と呼ぶ事業モデルがある。これは他社に先駆けて、マンション用地を仕入れ、企画、設計を行い事業主に提案、特命で工事を受注して施工し引渡す方式だ。各事業主のニーズに合った事業開発を提案するなかで、精度の高い用地情報を幅広く収集して、用地情報の確保から企画提案までを最短10日間というスピードで実現している。
造注方式の具体的な流れは、まず不動産会社や金融機関、土地所有者など、多岐にわたる独自のネットワークを駆使してマンション用地情報の収集を行い、次に、立地特性を最大限に生かせるよう、周辺環境、マーケティング、権利関係、各種法規制等の調査を実施し、クオリティの高いプランを立案する。
そして、効率的なプランをベースに適正かつ有効的な建築費の見積りを行い、オリジナルの各種標準仕様を選定する。そうしたプランから事業主に対し、土地代、建築費、設計料等の諸経費をもとに事業収支を作成し、より緻密で正確な事業計画の提案を行う。その上で、事業主の要望を最大限に考慮した建築費の見積りを提示し、工事を特命で受注することになる。
造注方式は、同社が土地を押さえることによって主体的に企画提案を行うことができるため、競争入札で建設工事を受注する場合と比較して契約条件が良くなる。一般的に、建設会社はこうした特命工事の比重をいかに高めるかが、収益向上につながるポイントになるが、同社の特命比率は現状で100%だ。これによって、事業運営の効率化、安定した利益確保が可能となり、創業来の急成長に結び付いてきた。
第三者機関による検査導入で信頼度増す
2005年の耐震強度構造計算書偽装事件に続き、2015年のマンションデータ偽造問題など、マンションに不信感を抱かせる事件が生じ、マンションに対する「安全・安心・堅実」が強く求められるようになっている。
これらの問題は、消費者にマンション購入を躊躇させることにつながり、実際、直近でも一時的に業界全体で販売が落ち込んだ。そうしたなかにあっても、同社は着実に受注を伸ばしたが、それは、品質にこだわり、良質で均一な品質維持のための取り組みを行ってきたことと無縁ではない。
同社では、社内で独立した専門部署である安全品質管理室による安全巡回・品質管理に加えて、第三者機関による検査を行うことでダブルチェック体制を整えるなど、安全と品質に対して徹底した姿勢で厳格な管理を実施している。安全品質管理室では、社長直轄の独立した部門として社員教育や健康管理も含めて、事業の安全を厳しく管理している。
委託契約した第三者機関は、杭や配筋の検査、生コン工場の品質管理体制の確認等、厳しい施工監査を行う。杭の施工では、講習を受けた社員が立ち会い、支持層への到達を確認し、一部の工法を除き支持層のサンプルを必ず全数採取・保管し、竣工時に事業主へ引き渡す。また、着工した後、安全品質管理室は、すぐに建築部と連携、施工検討会への参画に始まり、各作業所を毎月1回以上巡回して技術支援を行い、安全及び品質管理が正しく行われていることを確認・記録しているほか、業務基準となる「建築施工マニュアル」についても常に内容を検討・改善し、毎年改訂するなど、「安全・安心・堅実」への強い取り組みが、事業主からの高い信頼につながっている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 水野 文也)
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創業は2011年6月で、資本金40,000千円でスタート。以来、「より良質な住宅を供給し、人々の豊かな住環境に貢献する」を社是、「安全・安心・堅実」をモットーとして、良質で安価な住宅を供給してきた。分譲マンション建設に特化したゼネコンである。
事業エリアは、東京、神奈川、千葉、埼玉の1都3県で展開。これら東京圏と呼ばれるエリアは、全国的に人口減少となるなかで、依然として人口が増加する一方、2020年の東京オリンピック・パラリンピックを控えて再開発需要が旺盛であるなど、マンション需要はなお拡大する見通しだ。
国土交通省の建築着工統計調査報告によると、東京圏1都3県のマンション建設の着工戸数は、2018年に54,000戸と前年比16.6%減が予想されている。2011年以降キープしていた6万戸台を割り込む見通しだ。
着工件数は2ケタの大幅減少となるものの、これは急激にマンション需要が減退したということではない。五輪需要を見込んで東京圏ではホテル建設が活発化した状態が続いており、ホテルとの競合でマンション用地の確保が業界全体で難しくなっていることも理由となっている。実際、(株)不動産研究所の公表値における2018年の供給戸数予想は前年比5.3%減と着工件数に比して減少幅は小さい。
ひと頃に比べて環境は厳しくなりながらも、ファーストコーポレーション<1430>の強みである「造注方式」を生かして良質なマンションを供給し、巻き返しに向けて態勢を整えている状態だ。
この「造注方式」を武器に創業後は急速に成長し、2015年3月には東証マザーズ市場に、創業からわずか3年9ヶ月で上場。2016年12月には、東証第1部に指定替えとなった。
造注方式により収益力がアップ
同社が急成長を遂げた背景に、「造注方式」と呼ぶ事業モデルがある。これは他社に先駆けて、マンション用地を仕入れ、企画、設計を行い事業主に提案、特命で工事を受注して施工し引渡す方式だ。各事業主のニーズに合った事業開発を提案するなかで、精度の高い用地情報を幅広く収集して、用地情報の確保から企画提案までを最短10日間というスピードで実現している。
造注方式の具体的な流れは、まず不動産会社や金融機関、土地所有者など、多岐にわたる独自のネットワークを駆使してマンション用地情報の収集を行い、次に、立地特性を最大限に生かせるよう、周辺環境、マーケティング、権利関係、各種法規制等の調査を実施し、クオリティの高いプランを立案する。
そして、効率的なプランをベースに適正かつ有効的な建築費の見積りを行い、オリジナルの各種標準仕様を選定する。そうしたプランから事業主に対し、土地代、建築費、設計料等の諸経費をもとに事業収支を作成し、より緻密で正確な事業計画の提案を行う。その上で、事業主の要望を最大限に考慮した建築費の見積りを提示し、工事を特命で受注することになる。
造注方式は、同社が土地を押さえることによって主体的に企画提案を行うことができるため、競争入札で建設工事を受注する場合と比較して契約条件が良くなる。一般的に、建設会社はこうした特命工事の比重をいかに高めるかが、収益向上につながるポイントになるが、同社の特命比率は現状で100%だ。これによって、事業運営の効率化、安定した利益確保が可能となり、創業来の急成長に結び付いてきた。
第三者機関による検査導入で信頼度増す
2005年の耐震強度構造計算書偽装事件に続き、2015年のマンションデータ偽造問題など、マンションに不信感を抱かせる事件が生じ、マンションに対する「安全・安心・堅実」が強く求められるようになっている。
これらの問題は、消費者にマンション購入を躊躇させることにつながり、実際、直近でも一時的に業界全体で販売が落ち込んだ。そうしたなかにあっても、同社は着実に受注を伸ばしたが、それは、品質にこだわり、良質で均一な品質維持のための取り組みを行ってきたことと無縁ではない。
同社では、社内で独立した専門部署である安全品質管理室による安全巡回・品質管理に加えて、第三者機関による検査を行うことでダブルチェック体制を整えるなど、安全と品質に対して徹底した姿勢で厳格な管理を実施している。安全品質管理室では、社長直轄の独立した部門として社員教育や健康管理も含めて、事業の安全を厳しく管理している。
委託契約した第三者機関は、杭や配筋の検査、生コン工場の品質管理体制の確認等、厳しい施工監査を行う。杭の施工では、講習を受けた社員が立ち会い、支持層への到達を確認し、一部の工法を除き支持層のサンプルを必ず全数採取・保管し、竣工時に事業主へ引き渡す。また、着工した後、安全品質管理室は、すぐに建築部と連携、施工検討会への参画に始まり、各作業所を毎月1回以上巡回して技術支援を行い、安全及び品質管理が正しく行われていることを確認・記録しているほか、業務基準となる「建築施工マニュアル」についても常に内容を検討・改善し、毎年改訂するなど、「安全・安心・堅実」への強い取り組みが、事業主からの高い信頼につながっている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 水野 文也)
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