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日経平均株価のニュース
明日の株式相場に向けて=「トランプラリー」での小型株上昇は何を示唆するか
連休明け16日の東京株式市場で、日経平均株価は前営業日比84円高の4万1275円と反発した。前週末に1000円を超す下げとなった後、国内連休中に米ハイテク株が堅調に推移し、NYダウ平均株価は最高値を更新した。トランプ前大統領への銃撃事件というショッキングな出来事が起きながらも、演壇で星条旗を背景に拳を振り上げるトランプ氏は「強いアメリカ」を体現する人物と米国民の一部には受け止められたに違いない。「トランプラリー」の再燃シナリオが意識されるなか、日経平均は短期的な過熱感と円安基調の一服が圧迫要因となり朝高後に伸び悩んだが、三菱重工業<7011.T>など防衛関連株や、三井住友フィナンシャルグループ<8316.T>や第一生命ホールディングス<8750.T>をはじめとする金融株に買いの矛先が向かった。
もう一つ、東証グロース市場250指数の上昇も市場参加者の関心を集めた。前週末に3%を超す急伸となったことから、利益確定売りに押されやすい局面にあったものの、終値は前週末比0.62%高と、上昇率は日経平均(0.20%)やTOPIX(東証株価指数、0.34%)を上回った。
米国では7月11日の消費者物価指数(CPI)公表後、代表的な中小型株指数であるラッセル2000指数に強い上昇圧力が掛かっている。CPIの公表を受けて米連邦準備制度理事会(FRB)による年内2回の利下げシナリオの織り込みが一段と進んだ一方で、トランプ氏の「アメリカファースト」型の政策が財政赤字を拡張させるとの見方もあって、15日の米国市場では10年債利回りは上昇。政策金利の影響を受けやすい2年債利回りが横ばい圏内となるなかで、2年債と30年債利回りの逆イールド状態が解消し、2年債・10年債のマイナスの利回り格差は縮小した。
逆イールドの解消は、教科書的には金融セクターの収益環境にプラス効果をもたらすものとなる。半面、長期金利の指標となる10年債利回りの上昇そのものは、グロース株の多い小型株には逆風となる。そもそも米国でも日本でも、大型株優位の展開が続いていた。利下げ観測の高まりに伴って、出遅れ状態の修正を狙った資金が一時的に中小型株に流入したとみることもでき、上昇の持続性についてはなお疑問符がついた状態と言えるだろう。
更に、長期金利の上昇シナリオに関して留意をしなければならないのが、次期大統領の任期である。トランプ氏が11月の大統領選で勝利を収めたとしても、任期は残り4年。「4年の『期間限定』となれば、トランプ氏が掲げる減税恒久化などの諸政策のいくつかは、財政赤字の現状から共和党内でいずれ修正を迫られることとなりそうだ。副大統領候補のバンス氏を含め、共和党が現実路線をとるシナリオが存在する以上、市場の想定通り中期的に10年債の利回りの水準が切り上がっていけるかどうかは読みにくい」(中堅証券ストラテジスト)との声もある。トランプ氏がドル高を嫌ってFRBに利下げ圧力を掛けるシナリオも存在するだけに、金利上昇を見込む市場のムードの変化については、神経をとがらせる必要がありそうだ。
加えて、欧州ではハンガリーが欧州連合(EU)の議長国となったが、オルバン首相はトランプ氏とともにロシアのプーチン大統領と近い人物とされる。国際情勢が急変するリスクが横たわり、かつ中国景気の停滞懸念がくすぶっているのに対し、日本は岸田政権の支持率が低迷しながらも自公連立政権の枠組みは継続するとみられ、更に企業の保守的な業績予想の上振れ余地も見込まれている。海外勢による先物買いは一服したとみられ、相場の過熱感を冷ます過程に差し掛かってはいるものの、海外投資家の「消去法的」な買いが日本株を押し上げることへの期待感は根強い状況にあり、「海外勢の狙いそうな大型株に資金が集中する展開が続くのではないか」(同)とみる市場参加者は多い。
あすは国内では引け後に6月の訪日外客数が公表される。海外ではインド市場が休場。英国の6月消費者物価指数、ユーロ圏6月消費者物価指数の改定値、米6月住宅着工件数、米6月鉱工業生産指数が公表されるほか、米地区連銀経済報告(ベージュブック)も注目イベントとなる。このほか、ASMLホールディング<ASML>の決算発表や、米国の20年物国債入札も控えている。
出所:MINKABU PRESS
もう一つ、東証グロース市場250指数の上昇も市場参加者の関心を集めた。前週末に3%を超す急伸となったことから、利益確定売りに押されやすい局面にあったものの、終値は前週末比0.62%高と、上昇率は日経平均(0.20%)やTOPIX(東証株価指数、0.34%)を上回った。
米国では7月11日の消費者物価指数(CPI)公表後、代表的な中小型株指数であるラッセル2000指数に強い上昇圧力が掛かっている。CPIの公表を受けて米連邦準備制度理事会(FRB)による年内2回の利下げシナリオの織り込みが一段と進んだ一方で、トランプ氏の「アメリカファースト」型の政策が財政赤字を拡張させるとの見方もあって、15日の米国市場では10年債利回りは上昇。政策金利の影響を受けやすい2年債利回りが横ばい圏内となるなかで、2年債と30年債利回りの逆イールド状態が解消し、2年債・10年債のマイナスの利回り格差は縮小した。
逆イールドの解消は、教科書的には金融セクターの収益環境にプラス効果をもたらすものとなる。半面、長期金利の指標となる10年債利回りの上昇そのものは、グロース株の多い小型株には逆風となる。そもそも米国でも日本でも、大型株優位の展開が続いていた。利下げ観測の高まりに伴って、出遅れ状態の修正を狙った資金が一時的に中小型株に流入したとみることもでき、上昇の持続性についてはなお疑問符がついた状態と言えるだろう。
更に、長期金利の上昇シナリオに関して留意をしなければならないのが、次期大統領の任期である。トランプ氏が11月の大統領選で勝利を収めたとしても、任期は残り4年。「4年の『期間限定』となれば、トランプ氏が掲げる減税恒久化などの諸政策のいくつかは、財政赤字の現状から共和党内でいずれ修正を迫られることとなりそうだ。副大統領候補のバンス氏を含め、共和党が現実路線をとるシナリオが存在する以上、市場の想定通り中期的に10年債の利回りの水準が切り上がっていけるかどうかは読みにくい」(中堅証券ストラテジスト)との声もある。トランプ氏がドル高を嫌ってFRBに利下げ圧力を掛けるシナリオも存在するだけに、金利上昇を見込む市場のムードの変化については、神経をとがらせる必要がありそうだ。
加えて、欧州ではハンガリーが欧州連合(EU)の議長国となったが、オルバン首相はトランプ氏とともにロシアのプーチン大統領と近い人物とされる。国際情勢が急変するリスクが横たわり、かつ中国景気の停滞懸念がくすぶっているのに対し、日本は岸田政権の支持率が低迷しながらも自公連立政権の枠組みは継続するとみられ、更に企業の保守的な業績予想の上振れ余地も見込まれている。海外勢による先物買いは一服したとみられ、相場の過熱感を冷ます過程に差し掛かってはいるものの、海外投資家の「消去法的」な買いが日本株を押し上げることへの期待感は根強い状況にあり、「海外勢の狙いそうな大型株に資金が集中する展開が続くのではないか」(同)とみる市場参加者は多い。
あすは国内では引け後に6月の訪日外客数が公表される。海外ではインド市場が休場。英国の6月消費者物価指数、ユーロ圏6月消費者物価指数の改定値、米6月住宅着工件数、米6月鉱工業生産指数が公表されるほか、米地区連銀経済報告(ベージュブック)も注目イベントとなる。このほか、ASMLホールディング<ASML>の決算発表や、米国の20年物国債入札も控えている。
出所:MINKABU PRESS
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