調整のメドと次なる注目銘柄を探す

著者:堀篤
投稿:2015/12/14 11:11

◆調整は18450円~18750円のゾーンか

多くの企業が忘年会シーズンで飲み歩きが始まっている中、投資業界には、それどころではない雰囲気が漂っている。

米国FOMCを前に、市場が荒れているのだ。
利上げがあると読み切っているにも関わらず、この荒れっぷりは、すごい。

NYダウは、309ポイント下落(1.76%)し、日経平均先物は18670円と、東京市場の現物の560円安の水準で終わっている。
ロングの多い投資家は、頭が痛い月曜日を迎えたことだろう。

原油価格の値下がり、中国経済への不安感の再来・・・。

こういったものが、米国利上げにとってどのような形になって噴出してくるのか、多くの投資家に、改めて突き付けられた疑問だろう。

当然、今週の東京市場もまた、難しい対応を迫られる。

まずは75日移動平均線の18743円
一目均衡表の先行線クロスの18500円程度
9月29日から12月1日までの上昇局面の2分の1調整が、18450円

これらの水準が、ひとまずの調整水準だろう。

しかし、下落がそれで終わるわけではない。
短期的に下がれば、いったん相場は浮上するだろうが、その次に来る下落こそが、本当の下落になる可能性がある。
日経平均でいえば、再び17000円を割れる覚悟も必要になるかもしれない。

世界的に資金が躍った、短期金融相場が、米国の利上げと原油価格の下振れで、相場の性質を変えようとしているように見える。
本来ならば、11月初旬に来るべき調整が今、来ているのだ。

ある程度わかっていたこの二つ三つのこと、米国利上げ、原油価格の再下落、中国経済の調整・・・これらが景気連動の相場と一緒になって現れれば、いずれにしても、大きな調整は避けられなかったことだ。

もしこれまで同様、金融的相場が続いていれば、日経平均は21000円程度まで上昇をした可能性がある。
しかし、そこまでは金融相場は続かなかったのだ。


◆少しして、新しい相場が始まる

しかし、悲観的になる必要は無いだろう。すぐに次の相場はやってくる。
景気敏感、業績への過度のこだわりなど、これまでよりも違う性質の銘柄選択が、なされるようになる。

簡単に言えば、中小型株へのシフトが起こるだろう。

ROE、株主還元性向、売上高成長率・・・こういったものが高い中小型銘柄が、総下落の中から拾い出され、ぽんぽんと代わる代わる取り上げられる相場が来るのではないか。
ある程度時価総額が、225不採用銘柄で、ROEが高く・・・

前回のコラムでは、IBJ、コムチュア、CTS、といった銘柄を挙げたが、それ以外にも、注目銘柄を挙げるとすれば、以下の通りだ。

VOYAGE(3688)
トラストテック(2154)
トレジャーファクトリー(3093)

こういった、高ROE銘柄は、常に買う機会を狙われている。
堀篤
日本マネジコ、東京スコットマネジメント代表取締役
配信元: 達人の予想