「窓理論では珍しい法則4の買いサインが出現」

著者:黒岩泰
投稿:2015/11/28 07:48

「強気継続も、ほぼほぼ2万円達成で・・・」

 本日の日経平均は60.47円安の19883.94円で取引を終了した。朝方は堅調スタートとなったものの、買い一巡後は上値の重い展開。2万円にわずかに届かず、失速した。

 日経平均の日足チャートでは、上方の窓をほんの少し埋めたあと、その後は下方の窓を埋める展開。上方の窓を着実に埋めたことで、窓の株価を引っ張る力が減退。その結果、下方の窓を埋める流れとなった。

 「窓理論」においては、上下の窓を同日に埋めるという窓理論の法則4の買いサインが出現。強気相場が継続していることを示唆している。短期的には上方の埋め残した窓(19994.05円―20033.29円)を埋める可能性が高く、来週早々にも到達することになりそうだ。チャートが辛うじて強気形状を維持しているということは、そういうことになる。

 来週は、重要イベントが目白押しだ。ECB理事会が実際に利下げに踏み切るのか、投資家は緊張感を持って見守っている。そして週末の米雇用統計にも注目だ。米利上げが秒読みとなるなか、それを裏付ける内容となるのか、投資家は注視している。途中、中東情勢が悪化し、不測の事態が発生した場合には、すべての金融シナリオが崩れる可能性もある。「戦争が始まりそうなので、利上げは中止します」などと、急遽、言いかねないからだ。FRBが自爆行為を避けるため、そういった理由を無理やりつけてくる可能性はある。私自身、米利上げに半信半疑であり、そういった意味で12月の波乱の目は残されていると考える。本来、利上げは株価にとってマイナスだが、実際に利上げをしなかった場合、「それほど経済が悪いのか」という話になり、株価はネガティブに反応しかねない。チャートが強気形状を維持するなか、勝手な弱気転換は禁物だが、ほぼほぼ2万円に到達した今、それなりの位置エネルギーは持っている。「下げるには十分すぎる高さ」というわけである。
黒岩泰
株式アナリスト
配信元: 達人の予想