来週は「新たなマネー」が株式市場に流入。

著者:小野山功
投稿:2015/10/30 19:02

~ 小野山功が見通す「来週の株価材料」 ~

★【株初心者の参入×株取引を再開する層】来週は「新たなマネー」が株式市場に流入か。

日本郵政グループ3社の公募価格がそれぞれ仮条件の上限に決定しました。投資家の需要が強く、11月4日(水)の上場に向けて初値高騰への期待が高まりそうです。

■日本郵政の上場を期に、株を再開する層も

日本郵政グループの株式を申し込んだ投資家は、政府保有株の売り出しという特性上、投資になじみがない層や、久しぶりに再開する層が多いと見られています。

郵政3社の新規上場による資金調達額は1.4兆規模で、昨年1年間のIPO(新規上場)に伴う資金調達額を軽く上回る規模です。

郵政上場を期に新たなマネーが株式市場に流入する可能性がありそうです。

野村HDの決算会見での席上で、9月の店頭口座開設の件数が通常の2倍になったことが明らかになりました。

日本郵政の上場を期に、株を始めようという株初心者の参入も見込まれるため、投資家層拡大への呼び水になることが期待出来そうです。

■30日の上昇は「3兆円規模」の補正予算か?

また、「政府は2015年度補正予算案を、総額で3兆円を超える規模にする方向で調整に入った」と10月30日付の日本経済新聞が報じています。

14年度予算の余剰金や税収の上振れ分で、新規の国債発行なしでも3兆規模の予算を組むことが可能となる見通しで、臨時国会見送りで一旦縮小していた政策期待が高まることも期待できそうです。

10月30日の東京市場は、日銀の金融政策の決定後に上昇に転じ、一時19200円台と2ヵ月半ぶりの水準を回復しました。

日銀の陰に隠れて目立ちませんでしたが、補正予算3兆円規模と伝わったのが日銀の決定直後だったため、補正予算が好感された可能性があります。

日銀が追加緩和を見送りしたものの、意外高を見せた日経平均。政策決定後の反動安を見込んで持ち株を調整していた投資家の買い戻しで、堅調な流れを引き継ぐのではないかとみています。

また、中国が29日まで開いた「5中全会」で「一人っ子政策」の廃止を決めました。紙おむつの(9113)ユニ・チャームが買われたほか、育児用品の(7956)ピジョンが上げ幅を10%超に拡大しており、一人っ子政策廃止は息の長いテーマになりそうです。

小野山 功
小野山功
株式会社SQIジャパン 金融コンサルタント
配信元: 達人の予想