NYダウ17000回復もドル円は動きなし

著者:川島寛貴
投稿:2015/10/09 13:08

NYは1000ドル安ショックから帰還

昨晩NYダウが17000ドルを回復しました。
8月20日~24日のたった3日間で最大1975ドルの下落となったNYダウですが、ほぼ下落幅を埋めたことになります。

一方日経平均はというと、VWショックのあおりを受けながらも、17000円前半では強い買いが入り先日25日移動平均線を奪還。
ようやく下げ止まりの兆候がみられたというところです。

ドル円は昨年5月~7月の状態に

ドル円はというと、先日も書いた通りに材料が出ない限り動きづらい相場となっており、120円を挟んで動きのない展開となっております。

特に今週は、120円と119円台に大きなオプションがありより動きが出づらいこととなりました。昨日の値幅は50銭となっていますが、もう少しボラティリティが無くなるところまでいくのではないかとみています。

機関投資家がリスクを取ることをに慎重になっているようで、安値売り高値買いをする大口投資家が激減。
その為、直近では119円~120.60円を抜けてくるとそういった投資家が一気にポジションを取ってくるかもしれませんが、それなりの材料待ちというところでしょう。

それなりの材料とは、やはり日銀かFOMCの動向。

日程としては以下となりますが、やはり中国の指標も気にしておきたいところです。

10月14日 中国消費者物価指数(CPI)
10月20日 中国鉱工業生産、小売売上高
10月22日 HSBC製造業PMI(速報値)
10月29日 FOMC
10月30日 日銀金融政策決定会合

ボリンジャーバンドのバンド幅が1年で最狭に

経済指標待ちとなってしまいますが、ボリンジャーバンドは過去1年で最大の収縮幅となっており、それは2014年7月と同じ幅です。

その後ドル円がレンジブレイクし、1ヶ月で7円の上昇となりました。
この間、個人投資家の多くは逆張りで攻め続け、大きなチャンスを逃してしまったようです。5月末にドル円が新高値を取ってきた際も、同様でした。

動きが小さくなった後にレンジブレイクした後は必ず大きく動くとは限りません。しかしながら、ポジションが一気に傾き、損切りを巻き込みながら急騰急落となる場合は多いことも事実です。

このレンジをブレイクした際には、上記のようにまだポジションを持っていない機関投資家も参入してくると考えられますし、利上げが行われてからドル買いを持つという声も多いようです。
そういったことを考えると、このレンジブレイクが行われた際には、やはり大きな値動きとなる可能性が高そうです。

しかし、目先はまだ大きな動きはないでしょう。今週のドル円は上昇よりも下落の方が早いことから、レンジトレード戦略でも売りをメインとした方が短時間で勝負を決められそうです。
時間帯としては、欧州時間と米国株のスタート時間に動きますので、それだけ積極的にポジションを取ってくるトレーダーが少ないということを表しているともいえます。

ドル円が退屈になってきましたら、TPPの大筋合意を背景に乳価が上昇し、それに連動して大きく動いているニュージーランドドルを狙ってみるのも良さそうです。
川島寛貴
株式会社IEYASU 代表取締役
配信元: 達人の予想