「日銀は現状維持」

著者:黒岩泰
投稿:2015/09/15 20:10

「関心は米FOMCへ」

 本日の日経平均は60.78円高の18026.48円で取引を終了した。買い先行から一段高となる場面もあったが、お昼休みに日銀が金融政策の現状維持を発表すると株価は失速。引けにかけて上昇幅を縮小させた。一部で緩和期待が残っており、発表前には買い戻しの一因にも。上海総合指数が3%以上の下落となったことで、株価は引けにかけて失速した。

 日経平均の日足チャートでは、上影陰線が出現。上値の重さを示しており、やはり高値圏では戻り待ちの売り圧力が強いようだ。「窓・壁・軸理論」では相変わらず「軸下向き」であり、近い将来、大幅安を予感させる形状。目先は16500円付近に位置している下方の窓を目指す展開となりそうだ。

投資家はどうしても「買い目線」で相場を考えてしまう。どの株が急騰するのか。すぐ儲かる銘柄は何なのかと・・・。でも、その思考回路自体がドツボに嵌っていることに気づかない。「儲けよう」という欲が損失の原因だということに、まったく気がつかないのだ。

 急騰しそうな銘柄というのは、得てして急騰した銘柄だ。勢いがある銘柄ということであり、「飛び乗り、飛び降り」が基本スタンスとなる。
 
 だが、そういう銘柄は売り場が難しい。飛び乗ったものの、どこで飛び降りていいのか。まったく分からないのだ。だって、勢いがあるときは出来高もできていて、天井の気配がまったくないからである。そうこうしているうちに、マイナスになっていく。いったんマイナスとなると、売るに売れなくなる。どんどん損失が拡大していくのだ。――そういう失敗を何度も繰り返してきた。自分の相場観が邪魔をしていたのである。

 投資には戦略が必要だ。買う前に売るタイミングまで考えてエントリーしなければならない。当てずっぽうにトレードしていると、損失が拡大する一方である。

 いっそのこと株式からいったん離れるという手もある。別に儲かるのであれば、株式である必要はないということだ。日経平均先物やオプション取引を選ぶのの選択肢のひとつであろう。先物、オプションの良いところは、「指数が相手」ということである。指数ならば変動率はある意味「限定的」だし、倒産のリスクもない。それだけ安心して眠れるというわけだ。

 オプション取引はとくに妙味が大きい。一見、「オプション」というと「難しい」「分からない」という印象を抱くが、別にそんなに難しいものではない。基本的には四則計算ができれば、難なくこなせる。「時間的価値」を味方につければ、安定的に儲けることも可能だ。個別銘柄の投資で悩んでいるならば、いっそその世界に入ってみるのはいかがだろうか。 
黒岩泰
株式アナリスト
配信元: 達人の予想