一難去ってまた一難?!

著者:比嘉洋
投稿:2015/09/09 18:51

売りトレンドは変わっていない!

日経平均が前日比7.7%超の大幅上昇を演じています。上海株が昨日より大幅に値を戻している流れによるところが大きいと思うのですが、果たしてこれで今回の下げは終息へと向かうのでしょうか?私はまだ安心できないと思っています。元々、9月は株式市場にとって鬼門の月。
そして、今年は日本時間18日の早朝にFOMCが控えています。このところの中国経済の鈍化で9月の利上げ確率は28%に低下しています。

とは言え、ロイターが調査したプライマリーディーラー調査(9/4の雇用統計後)によると17社中7社が9月利上げを予想しているだけに、蓋を開けてみるまでは分からない(個人的にはこれまでお伝えしている通り、0.125%の利上げを予想)状況です。

上記のNYダウのチャートをご覧いただいても上段の標準偏差ボラティリティは引き続き売りトレンドを示唆しています。これは1,000円以上大幅上昇となっている日経平均についても同様です。ここから考えられることは、決して買いトレンドに転換しているわけではなく、今回の上昇は、あくまでもこれまでの売りポジションの巻き戻しということになります。

8/24の下落相場は一旦落ち着いたものの、この後のFOMCの結果次第では相場が大きく動き出す可能性があるのではないでしょうか。株式市場の大幅上昇に比べドル/円の戻りも鈍いように感じられます。

引き続き、リスクマネージメントを意識した対応が求められる局面だと考えます。過度なポジション保有は避け、キャッシュポジションを厚めにしておく、事前に対応しておくことで相場が急変しても慌てることなく対応できるはずです。「念には念を!」です。
比嘉洋
マネースクエア シニアコンサルタント
配信元: 達人の予想