「テクニカルの壁は崩壊へ、16500円台に突っ込む・・・」

著者:黒岩泰
投稿:2015/09/04 20:41

「なぜ日本株だけこんなに下がるのか・・・」

 本日の日経平均は360.90円安の17821.49円で取引を終了した。朝方は堅調スタートだったものの、その後は徐々に値を消す展開。指数寄与度の高いソフトバンク(9984)が格下げで下落。ファストリ(9983)も相場の足を引っ張り、後場に入って下落幅が拡大した。

 日経平均の日足チャートでは、大陰線が出現。一時8/26のザラ場安値(17714.30円)を下回る場面もあり、テクニカルの壁崩壊の可能性が急浮上している。

 ただ、前回埋め残した窓を完全に埋めたことで、ちょっとした達成感が台頭。引けにかけてやや下げ渋る動きとなっている。窓の引き寄せる力が消滅したからであり、ここでいったん押し目買いが入った。

 週明け、売り先行となれば、17700円付近に位置しているテクニカルの壁は完全崩壊となる。いわゆる“ダム決壊”であり、株価は一気に16000円台に突っ込むだろう。その際、下値メドとして意識されるのが、3段目の下方の窓下限(16533.91円)であり、ここからだと1300円程度の下落余地がある。今晩の米雇用統計、そしてG20会合の結果次第では、一気に悲観的なムードが強まり、株価は一段と下落歩調を強める公算が大きい。かなり危険な状態といえよう。

 この2日間で市場参加者が疑問に思っていることは、「中国市場が休場なのに、なぜ日本株がこんなに下がるのだろう」ということだ。解説者のこれまでの説明によれば、「中国リスクが日本株を押し下げていた」となっている。だけど、この2日間だけは違う。いったい市場で何が起こっているのか。その理由は・・・。(黒岩の眼より抜粋)
黒岩泰
株式アナリスト
配信元: 達人の予想