【買い】ネクスト （2120）：戦略的M＆Aの結果、2016年は収益回収の年。利益増大に期待=GLA戸松信博

戦略的M＆Aの結果、2016年は収益回収の年。利益増大に期待

国内で総掲載物件数首位の不動産・住宅物件情報サイト「ＨＯＭＥ’Ｓ（ホームズ）」を運営。日本だけではなく世界46か国でサービスを展開しています。

2015年3月期の業績は、売上高が22.0％増の179億2600万円、営業利益が0.6％増の23億1200万円、経常利益が0.4％減の22億9200万円、当期利益が0.1％減の13億3500万円となり、当初計画より改善された結果となりました。

（2016年3月期から国際会計基準に移行するため、比較ができませんが）2016年通期予想は、売上高が241億4500万円、営業利益が43億1500万円、当期利益が28億2100万円の見通しです。

国際会計基準IFRS移行によりのれん償却（2015年年3月期は5億2100万円）はなくなり、営業利益率は17.9％になるとされます。

また、前期の年間配当を4.92円から5.75円に増額し、今期は5円とし、5月31日割当の株式分割を考慮した実質配当は73.9％増配とする方針。

増収となったものの減益となった理由は、Trovit Search社買収に伴費用、積極的な広告・宣伝、営業、そして人員増員を行ったためです。

同社は、Trovit Search社の持分100％を取得し連結子会社化しましたが、この費用、のれんを109億5100万円、短期借入金を70億円計上しており、利益を圧迫しました。ただ、業績自体は右肩上がりの状態で、実際「賃貸・不動産売買」の売上は過去最高を更新しています。

同社が買収したTrovit Search社は、欧州・北米・南米・アジア地域の世界43カ国において、不動産・住宅、中古車、転職情報の世界最大級のアグリゲーションサイト（複数のサイトの情報を集積し、サイト利用者が１つのサイトで一括して情報が閲覧できるサイト）を運営しています。

Trovit社の買収によりNEXT Groupのサービス展開国は4から46ヶ国に拡大しました。2016年3月期の通期に寄与する見通しです。

このように同社はユーザーシェアの獲得と確率の為に戦略的投資を行ったといえます。2015年は投資の年、そして2016年は利益回収の年とし、中長期的に見ても期待できると思います。

株価推移を見ても堅調に推移しているので、押し目を狙いたいところです。