このタイミングでの“達成感⇒さらなる調整”は不自然…!?

著者:武市佳史
投稿:2015/06/03 11:31

◆125円到達後は調整も、下値でのドル買いニーズは旺盛

※ご注意:予想期間は6月4日と表示されていますが、本日(6月3日)の東京・欧州・NY市場の値動きを想定した記述となります。


実に“あっさりと”125円に到達し、その後は利益確定売り/ポジション調整が優勢となりました。
これにギリシャ懸念の巻き戻しから来るユーロ買い戻しがドル売りは加速させ、事前予想を下回った米製造業新規受注が発表されたNYタイム序盤には、一時123.741円まで売り込まれています。
もっとも下値でのドル買いニーズは旺盛であり、その後は124円ラインを挟んで方向感なく揺れ動き、そのまま昨日の取引を終えています。

◆調整局面入りの可能性が囁かれているが…?

「125円到達に伴う達成感」との見方が台頭しており、上値への警戒感が広がっています。
テクニカルでも「上位の包み線(抱き線)」が見られており、調整局面入りの可能性が囁かれています。
ただ昨日高値から見ると“下落幅は1円30銭”とかなり大きく見えますが、前日安値からの下値拡大は“わずか11銭”に留まっています。
これはドル高・円安トレンドがまだしっかりと維持されていることを示すものであり、現時点で“目先の高値到達⇒達成感から調整”と囃すのはどうかと思います。

◆このタイミングで「さらに下押し」は想定しづらい

本日予定されるADP雇用統計(事前予想は+20.0万人)/ISM非製造業景況指数(同57.0)と、ドルを積極的に買い戻すには“やや物足りない”事前予想といえます。
ただその後には、次回FOMC(16-17日)の叩き台となる米地区連銀経済報告〈ベージュブック〉が予定されており、今後の米景気拡大への期待を促す可能性が高いと見られます。
メインイベントが週末の米雇用統計と見られる以上、このタイミングで「さらにドル売りが加速」といった展開は想定しづらいところです。

あとは結果次第ということになりますが、「ドル買い・円売りトレンドは維持」されている中で、「あくまでもポジション調整の範囲内(足踏み)」と考えて対応したいところです。

◆ドル円 抵抗・支持ライン

上値5:125.680(02/12/5高値、14/12/8~14/12/16の161.8%戻し、ピボット2ndレジスタンス)
上値4:125.044(6/2高値、大台)
上値3:124.844(ピボット1stレジスタンス)
上値2:124.546(6/2高値後の61.8%戻し)
上値1:124.392(6/2高値後の50%戻し)
前営業日終値:124.093
下値1:123.741(6/2安値)
下値2:123.601(5/29安値、ピボット1stサポート)
下値3:123.488(5/28安値)
下値4:123.362(5/22~6/2の38.2%押し)
下値5:123.000(大台、ピボット2ndサポート)

※ユーロ円やユーロドルなど、他の通貨ペアの抵抗・支持ラインは〔マーケット・チェック15分Webセミナー〕にて公開。

12:14 ドル円 抵抗・支持ライン追加
武市佳史
株式会社マネーパートナーズ チーフアナリスト
配信元: 達人の予想