「一旦は122円を見ずにおれない」雰囲気あるも、「近くて遠い122円」…!?

著者:武市佳史
投稿:2015/05/26 10:53

◆米英市場休場の影響から動意に乏しい展開 - ただ東京タイムに移ると…

※ご注意:予想期間は5月26日と表示されていますが、本日(5月25日)の東京・欧州・NY市場の値動きを想定した記述となります。


東京タイムこそ先週末の流れを引き継ぐドル買いが優勢でしたが、米英市場休場の影響もあってその後は動意に乏しい展開でした。
121円後半に展開する分厚いドル売りオーダーを仕掛けるような素振りも見られず、利益確定の売りからやや反落すると、そのまま121円半ばを挟んだ揉みあいとなって昨日の取引を終えました。
それでも東京タイムに入ると、ジリジリと再び上値を窺いつつあります。

◆テクニカル的には“上方向へバイアスがかかりやすい”

「3/10-5/5高値を結ぶ三角保ち合いをブレイク」「118.50-120.50円レンジを上抜け」し、日足・一目均衡表で「三役好転」「先行スパンの雲にネジレ」が見られていますので、上方向へのバイアスはかかりやすいのは当然です。
また122円を突破し切ると“07/6/22高値(124.120円)”が意識されると見られるだけに、仕掛ける向きも“熱が入ろう”といったところです。

◆ただ現在の動きには“短期的な往き過ぎ懸念”が…

しかし先週末からのドル買いの原動力は「年内利上げは適切」というイエレンFRB議長発言ですが、それまでに同氏は「利上げは今後の経済指標次第」ともいっています。
住宅着工件数は驚異的な伸び、2年3月ぶりの伸びを見せたコアCPIもドル買いを後押ししましたが、4月以降の米経済指標を総じると“まちまち”というのが実状です。
その中で年初来高値更新を窺おうかという現在の動きには、やはり“短期的な往き過ぎ”への懸念が拭えません。

「一旦は122円を見ずにはおれない」的な雰囲気が見られ、材料も揃ってきていることから「さらなる上値模索」「深い押し目は期待薄」が基本と見ますが、「近くて遠い122円」になる展開は頭の片隅に残しておきたいところです。
本日は好内容が想定される米経済指標が予定されていますが、週末には大幅下方修正が懸念される米GDPが控えていますので…。

◆ドル円 抵抗・支持ライン

上値5:123.000(大台)
上値4:122.000(大台、3/10高値、ピボットハイブレイクアウト)
上値3:121.916(ピボット2ndレジスタンス)
上値2:121.844(12/8高値水準)
上値1:121.775(5/25高値、ピボット1stレジスタンス)
前営業日終値:121.546
下値1:121.449(5/25安値、ピボット1stサポート)
下値2:121.341(5/22~5/25の38.2%押し)
下値3:121.208(5/22~5/25の50%押し、ピボット2ndサポート)
下値4:121.074(5/22~5/25の61.8%押し、ピボットローブレイクアウト、大台)
下値5:120.640(5/22安値)

※ユーロ円やユーロドルなど、他の通貨ペアの抵抗・支持ラインは〔マーケット・チェック15分Webセミナー〕にて公開。

11:47 ドル円 抵抗・支持ライン追加
武市佳史
株式会社マネーパートナーズ チーフアナリスト
配信元: 達人の予想