年初来高値更新への期待募るが、「本日に関しては、少々酷」…!?

著者:武市佳史
投稿:2015/05/25 11:01

◆米利上げ時期後ズレが再び巻き戻され… - 121円半ばへ反発

※ご注意:予想期間は5月26日と表示されていますが、本日(5月25日)の東京・欧州・NY市場の値動きを想定した記述となります。


もう少し時間がかかると踏んでいたのですが…。

「現状維持」を決めた日銀金融政策決定会合、「現時点での追加緩和は不要」を繰り返した黒田日銀総裁の記者会見における下落を120.640円で支えたドル円は、20日高値を上回る121円567円へと駆け上りました。
2年3ヶ月ぶりの高い伸び(+0.3%)を見せた食品・エネルギーを除く米消費者物価指数・コアを背景に、米利上げ時期後ズレとの思惑が巻き戻されたからです。
また「年内利上げは適切」との見方を繰り返したイエレンFRB議長発言も、ドル買いを促しました。
米英3連休前のポジション調整も手伝ってドル買い圧力が緩むことはなく、121円半ばを維持したまま先週末の取引を終えています。

◆122円ラインはもう目前、突破への期待が募るが…

当然、マーケットの注目は“目前に迫る122円ライン”に集まることになります。

120円半ばで底堅く推移し、すぐに121円半ばへと上値を伸ばした動きには強い上昇志向を感じます。
また日足・一目均衡表では、絶対的な買いサインとされる「三役好転(チャートが雲の上、転換線が基準線の上、遅行線がチャートの上)」が示現する中、「先行スパンの雲にネジレ」も生じています。
雲のネジレは“マーケットの基調転換等”も含めて“大きく動意づく可能性有”を示唆するサインとされていますので、122円突破への期待も募ろうといったところです。

◆ただ短期的な往き過ぎ懸念は残る - 一気の高値更新は酷…?

ただ4月以降の米経済指標を精査すると、はっきりと好内容を示したのは“住宅と雇用のみ”です。
それ以外は“まちまち”というのが実状の中で、住宅着工件数(19日)・消費者物価指数(22日)の“ほぼ2つだけ”で121円半ばへと駆け上がったドル買いには“短期的な往き過ぎ懸念”が残ります。

材料が揃ってきていますので“深い押し目も期待薄”となりますが、122円ライン手前では“一旦の利益確定売り”が入る可能性があります。
また米英市場休場による様子見ムードも、“調整売り”を促す可能性が残ります。
あくまでも「一旦の足踏み」であり、消去法的な「浅い押し目期待」ですが、一気の年初来高値更新は「本日に関しては、少々酷」と考えたいところです。

◆ドル円 抵抗・支持ライン

上値5:122.762(ピボットハイブレイクアウト)
上値4:122.311(ピボット2ndレジスタンス)
上値3:122.000(大台、3/10高値)
上値2:121.844(12/8高値水準、ピボット1stレジスタンス)
上値1:121.660(3/11-12高値)
前営業日終値:121.506
下値1:121.213(5/22の38.2%押し)
下値2:121.104(5/22の50%押し)
下値3:120.994(5/22の61.8%押し、大台、ピボット1stサポート)
下値4:120.640(5/22安値)
下値5:120.555(5/20安値、5/14~5/22の38.2%押し)

※ユーロ円やユーロドルなど、他の通貨ペアの抵抗・支持ラインは〔マーケット・チェック15分Webセミナー〕にて公開。

11:54 ドル円 抵抗・支持ライン追加
武市佳史
株式会社マネーパートナーズ チーフアナリスト
配信元: 達人の予想