雲のねじれの時間帯での変化に注目

著者:菊川弘之
投稿:2015/05/20 16:52

ユーロとNY金の値動きも要チェック

 メリマンの重要変化日に、ドル円は上げ加速となった。ECBのクーレ専務理事の「預金金利は理論的にはマイナス幅の拡大あり得る。夏の閑散期の前にQEペースを加速も」との発言でユーロ売りが加速。このユーロ売りがきっかけとなり、ドル円も保合いを上放れた格好になった。

 ドル円は20日間高値を上抜いてきた事で、一旦はトレンドフォロー系の買いが入りやす地合いに。ただし、今年に入って、小さな三角保合いは何度もダマシとなっており、大きな三角保合い上放れは、昨年12月高値~2015年3月高値を上抜くまでは確認されない。逆相関のNY金は、200日移動平均線を割り込んだが、心理的節目の1200ドルは維持しており、今回の小さな三角保合いが、2007年6月高値を試す動きに繋がるか否かは不透明感が強い。テクニカル面からのダマシが多発すると言われる水星の逆行期も、今週から始まっている。

 目先は、週末~週初に控える雲のねじれの時間帯での変化に注目。雲の厚みも薄い時間帯に入り、支持線としても抵抗線としても、信頼性の落ち込む時間帯に入る。今週はFOMC議事録、日銀金融政策決定会合、イエレン講演など相場の転換となりうるイベントが相次ぐ。雲のねじれの時間帯で、大きな三角保合いを上抜けず反落。再び、新たな三角保合い形成と言うシナリオも想定される。価格のリード役となっているユーロや逆相関のNY金などの値動きを睨みながら、ドル円のトレンドの行方を探りたい。
菊川弘之
日産証券調査部 主席アナリスト
配信元: 達人の予想