ゲームメーカー復権、スマホ圧勝の業界地図に変化

著者:冨田康夫
投稿:2015/05/19 16:23

PS4活況でゲーム関連新ステージへ

最近、ソニー<6758>の株価が妙に強い。ドラスチックなリストラ効果による体質改善、ネット連携強化やCMOSセンサーの実力などいろいろ言われているが、「現実的にはPS4が超売れていることが、分かりやすい株高の背景」と断言する市場関係者も少なくない。PS4の世界出荷台数は3月に入った段階で累計2000万台を突破、PS史上最速の普及と騒がれている。

ところが、市場をよくよく俯瞰してみるとソニーだけではない、ゲーム機向けソフトを手掛ける老舗メーカーの株価も妙に強いのである。コナミしかり、コーエーテクモしかりスクエニしかりである。

ついこの間までは、ゲーム専用機の時代は去り、爆発的な普及を遂げたスマホゲームに取って代わられた的な悲観ムードがあった。ディー・エヌ・エー<2432>と提携を発表する以前の任天堂<7974>の株価は、まさにそれを代弁していた。

しかし、どうやら世界の流れはそういう感じでもないらしい。国内スマホゲーム市場は一部のメガヒットタイトルを除けば、下手な鉄砲、数打てども当たらない飽和感が漂う。一方、北米市場では今年に入ってからゲームソフト販売数量が月次で前年比プラスに転じたという。PS4に代表される新世代ゲーム機の普及が新たなステージを創出しているのだ。

グローバルな視野に立てば、書き入れ時はこれから訪れるとの期待感。これが老舗ソフトメーカーの株価の値動きに静かに投影されているようだ。

◆復権するゲーム機ソフト関連株
銘柄<コード>      コメント
コーエーテクモ<3635> 歴史を題材としたソフトに強み
ファルコム<3723>   ロールプレイング系で実力
トーセ<4728>     スマホ、パチスロ関連も強い
スクエニHD<9684>  ドラクエ筆頭に人気商品多数
コナミ<9766>     カジノ機器関連としても注目
冨田康夫
株経ONLINE:編集長
配信元: 達人の予想