昨日同様“もう少し時間がかかる”…!?

著者:武市佳史
投稿:2015/05/12 10:58

◆米10年債利回り大幅上昇に伴い、120円台回復

※ご注意:予想期間は5月13日と表示されていますが、本日(5月12日)の東京・欧州・NY市場の値動きを想定した記述となります。


昨日は米10年債利回りの大幅上昇に伴い、ドル買いが優勢となりました。
「米国債入札を巡る警戒感」との声もありますが、昨日はギリシャ支援を巡るユーロ圏財務相会合の“実質的な先送り”を背景に独国債利回りが再反発しています。
米国債利回りは“これに引っ張られた”と見るのが自然です。
これに中国利下げを背景にした“インフレ期待”が重なったことで、米10年債利回りは2.28%台へと押し上げられていきました。
そして120.00円のオプションに上値を押さえられていたドル円は、この権利が消滅したNYタイム中盤に緩やかに大台を回復しています。

◆ただ“さらに上値を追う”には発展していない…

もっともそこから“さらに上値を追う”といった動きには発展しておらず、値位置こそ切り上げたものの、まだ上値の重さが目立っています。
昨日も記しましたが、先週の米雇用統計は“表面上はネガティブ”も、“景気減速は一時的の可能性も示唆(ポジティブ)”されており、「今後は米経済指標の結果次第」を意識せざるを得なくなっています。
つまりこの思惑が“マーケットを揺れ動かす”との期待がある反面、“発表までは動きづらく”なっているということです。
明日の小売売上高を皮切りに、今週の主だった米経済指標は週央~週後半に偏っていますので、それまでは動きづらいと考えるのが自然です。

◆“下値は堅い”と考えるが、“もう少し時間がかかる”

テクニカル的には「日足・一目均衡表の雲上限付近の揉みあいから上放れ」した格好であり、主体性に欠けるとはいえ「米10年債利回りの上昇」もドル買いを後押しする要因といえます。
このため“さらなる上方向”への期待は募るところですが、120.20円付近に展開するドル売りオーダーは早くも厚みを増しつつあります。
“下値は堅い”と考えるものの、昨日同様“もう少し時間がかかる”と見たいところです。

◆ドル円 抵抗・支持ライン

上値5:121.000(大台)
上値4:120.839(4/13高値)
上値3:120.694(ピボットハイブレイクアウト)
上値2:120.490(5/5高値、ピボット2ndレジスタンス)
上値1:120.224(5/8高値、5/11高値、ピボット1stレジスタンス)
前営業日終値:120.070
下値1:119.929(50日移動平均線)
下値2:119.701(5/11安値、日足・一目均衡表先行スパン上限、ピボット1stサポート)
下値3:119.585(5/8安値、ピボット2ndサポート)
下値4:119.441(日足・一目均衡表先行スパン下限/転換線、20日移動平均線)
下値5:119.363(100日移動平均線、ピボットローブレイクアウト)

※ユーロ円やユーロドルなど、他の通貨ペアの抵抗・支持ラインは〔マーケット・チェック15分Webセミナー〕にて公開。

11:25 ドル円 抵抗・支持ライン追加
武市佳史
株式会社マネーパートナーズ チーフアナリスト
配信元: 達人の予想