栄養ドリンク表示規制緩和、さまざまな商品登場へ

著者:冨田康夫
投稿:2015/02/19 14:34

表示規制の緩和で消費者にわかりやすく

 政府は栄養ドリンクに含まれる成分の効果を消費者に分かりやすくしようと、表示規制の緩和を検討しているという。医薬部外品に分類される栄養ドリンクには厚労省が1999年に各都道府県や政令指定都市などに通知した「新指定医薬部外品の製造(輸入)承認基準」に示された成分が配合されている。ただ、基準には多くの種類の成分が指定されているが、効果の表示については「滋養強壮」や「肉体疲労時の栄養補給」といった画一的な表現に限定されている。

 このため、メーカーは競合商品と差別化が難しく、表示について規制緩和を求める声が強かった。まして、栄養ドリンクは種類が豊富で、価格にも大きな幅がある。消費者もどの商品が今の自分の状態に合っているのか、自分の体質に適しているのかが分からない。成分の配合など特徴に応じた多様な効果の表示ができれば、メーカーは自社製品のアピールを強めることが可能になり、消費者にとっても自分に最適な商品を選ぶことができる。

 誇大表示がない限り歓迎されることは間違いなく、政府はそれぞれの成分が医薬品として利用された場合の効果や作用について、医学的に認められている範囲で具体的な効果を表示できるようにする方針。規制緩和が実現すれば、配合されている成分の特徴を生かしたさまざまな栄養ドリンクが登場してきそうだ。

◆栄養ドリンク関連銘柄

 銘柄<コード>     取扱商品

武田薬<4502>    アリナミンドリンクシリーズ
田辺三菱<4508>   アスパラシリーズ
エーザイ<4523>   チョコラBBドリンクシリーズ、ユベラ贅沢ローヤル
久光薬<4530>    サロンパス内服液
ゼリア新薬<4559>  ヘルサンシリーズ、ハイゼリーシリーズ、ヘパリーゼシリーズ
大正薬HD<4581>  リポビタンDシリーズ、ゼナシリーズ、アルフェシリーズ
ライオン<4912>   グロンサン、新グロモント
冨田康夫
株経ONLINE:編集長
配信元: 達人の予想