上値重いが底堅さ発揮、外部要因に依存続く

著者:冨田康夫
投稿:2015/02/06 20:26

来週の株式相場見通し

 来週の東京株式市場は、建国記念の日の祝日を挟んでの4日間。きょう日本時間夜に発表される米1月の雇用統計の内容に影響される展開でスタートすることになりそうだ。4~12月期決算の発表が終了に近づくことから、手掛かり材料は乏しくなり、大きく買い上がるにはエネルギー不足の地合いとなりそうだ。

 したがって、原油価格、外国為替相場、海外株式市場といった外部要因により大きく左右されることが想定される。ただ、外部要因がマイナスに作用したとしても、日銀による上場投資信託(ETF)や、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)による主力銘柄買いへの期待感から下値は限定され、底堅さは発揮されそうだ。来週の日経平均株価の想定レンジは1万7500~1万7900円とする。

6日の動意株

 サイゼリヤ<7581>=後場一段高。
ゴールドマン・サックス証券は6日、同社の投資判断を「中立」から「買い」へ引き上げた。目標株価は1550円から2300円に見直している。同証券では、「中国事業の躍進が目覚ましい」と指摘。「中国での平均客単価は4ドル程度と現地レストランに比べても価格競争力を有しており、中産階級だけでなく“マス”を捉えることが可能」とみている。

 テノックス<1905>=後場急動意。
午後1時ごろに、15年3月期の連結業績見通しについて、売上高を従来予想の220億円から230億円(前期比6.5%増)へ、営業利益を同11億円から14億円(同0.4%増)へ、純利益を同5億5000万円から7億5000万円(同43.7%増)へ上方修正したことが好感されている。売上高が想定を上回ることに加えて、施工効率を高めたことなどが寄与するという。また、業績予想の修正に伴い、従来8円を予定していた期末配当を12円に増額し、年間配当を16円(従来予定12円、前期12円)にするとあわせて発表したことも好材料視されている。

 ビーアールホールディングス<1726>=後場急伸しストップ高。
同社はきょう午後1時に、株主優待制度を導入すると発表。保有割合に応じてクオカードを贈呈するとしており、買い手掛かりとなっているようだ。また、同時に15年3月期第3四半期累計(4~12月期)の連結決算を発表。売上高は138億3500万円(前年同期比6.3%増)、営業損益は2億6200万円の黒字(前年同期は1300万円の赤字)での着地となった。

 日新製鋼<5413>=急騰。
きょうの東証1部の値上り率トップとなった。5日の取引終了後、15年3月期連結業績の増額修正と大幅増配を発表したことが好感されている。今3月期の連結経常利益は前期比1.4%増の200億円となる見通し。従来予想は同21.4%減の155億円であり、今期は一転増益となる。また、期末一括配当は前期比25円増の40円と大幅増配を実施することも明らかにした。原材料の鉄鋼石価格が下がり鋼材価格の利幅が拡大することなどが、業績の増益要因となっている。

 リード<6982>=一時ストップ高。
同社は5日午後2時30分に、15年3月期第3四半期累計(4~12月)の単独経常損益が2400万円の黒字(前年同期は2億5800万円の赤字)になったと発表。前日の反応は限定的だったものの、通期計画1000万円の黒字を超過していることなどが改めて見直されているようだ。第3四半期の売上高は38億700万円(前年同期比7.0%減)で着地。足もとで国内自動車生産の減少が続いていることが影響し減収を余儀なくされた半面、原価低減改善活動の推進や人件費などのコスト削減に注力したことが利益面で貢献した。なお、通期業績予想は従来計画を据え置いている。

 アールビバン<7523>=ストップ高。
同社は5日、ジー・モード(東京都新宿区)と共同配信中の美少女コレクションパズルRPG「Wonder4World」のiOS版の配信を開始したと発表。アンドロイド版は昨年12月22日から配信を始めており、ユーザー数拡大などが期待されているようだ。なお、東証は4日付で同社株の日々公表銘柄指定を解除している。
冨田康夫
株経ONLINE:編集長
配信元: 達人の予想