食物アレルギー対応食品、原因物質除去商品の開発相次ぐ

著者:冨田康夫
投稿:2015/02/02 15:18

食物アレルギー対応食品関連

 摂取した食物が原因となり免疫メカニズムを介して、じん麻疹・湿疹・下痢・咳・ゼーゼーなどの症状が起こることを食物アレルギーという。

 厚生労働省によると食物アレルギーの患者数は、乳児の5~10万人、幼児期の30万人、学童以降の100万人の合計約150万人と推定され、増加傾向を続けている。わが国で小児期の食物アレルギーは鶏卵が最も多く、次いで牛乳、大豆・小麦・コメを加えて5大アレルゲンとされる。

 食物アレルギー対応食品は、食物アレルギーの原因となる物質が含まれていない市販の加工食品の総称。食品から原因物質だけを除去したものや、遺伝子除去によって原因物質の発現を制御した食品、除去すべき食品とは別の食品でつくられた代替食品などをいう。

 日本ハム<2282>グループは、1996年から中央研究所で「食物アレルギー対応商品」を開発し、特定原材料7品目(乳、卵、小麦、そば、落花生、えび、かに)を一切持ち込まない専用工場で製造する「みんなの食卓」シリーズを販売している。石井食品<2894>も、食物アレルギー対応食品の研究開発に取り組み、特定原材料7品目を持ち込まない専用工場を山形県酒田市に設立している。

 ハウス食品グループ本社<2810>は、特定原材料7品目不使用の「バーモントカレー中辛」と「シチューミクス」を販売。また、プリマハム<2281>は、10分間の抽出で検査が可能な食品製造工程向けの「食物アレルギー物質簡易キット」を開発している。

◆主な食物アレルギー対応食品関連銘柄

銘柄(コード)  今期営業増益率  株価    PER

プリマハム<2281> ▼7.0    307   16.3
日ハム<2282>   20.4   2931   22.9
ハウス食G<2810>  4.3   2299   33.2
石井食<2894>   黒字転換    203   35.9
冨田康夫
株経ONLINE:編集長
配信元: 達人の予想