週末控えで一服商状、底割れ回避で中期先高期待

著者:冨田康夫
投稿:2015/01/15 21:38

16日の東京株式市場見通し

 16日の東京株式市場は、きょう大幅反発したことに対する反動や、週末を控えてのポジション調整の動きから、日経平均株価は一服商状となりそうだ。ただ、中期的な先高期待感は根強いことから下値は限定的とみられる。

 きょうの東京株式市場は終始買い優勢。前日までの大幅下落の反動もあり、日経平均株価終値は前日比312円高の1万7108円と3日ぶりに急反発した。前日の欧米株式市場が軒並み大幅下落していたことから、東京株式市場は寄り前に売り優勢の見方が強かった。これが買い先行でスタートしたことから意外性もあり上昇幅が拡大した。

 市場関係者からは「昨年12月17日につけた、日経平均の取引時間中の安値1万6672円を下回ると、12月8日の高値1万8030円と同29日の高値1万7914円でダブルトップが形成され、下落幅の拡大や、調整長期化懸念があっただけに、ひとまずそれが払拭されたことが歓迎された」との見方が出ていた。

15日の動意株

 日本航空電子工業<6807>=後場上昇加速。
同社は14日取引終了後に、防衛省に対する費用の過大請求に関する特別損失19億円を第3四半期累計の連結決算で引当計上する見込みだと発表。ただ、通期業績見通しに変更はないとしており、ひとまずアク抜け感につながっているようだ。

 リアルコム<3856>=後場に入ってストップ高。
同社は午後0時50分に、子会社のWWBと新日本金属鉱業(東京都千代田区)が業務提携すると発表。これが材料視されているようだ。WWBは、東北大学と新日本金属鉱業が共同特許出願した薄膜シリコン型太陽電池に関する研究開発プロジェクトに参画。事業化を目指して開発を新日本金属鉱業に委託し、太陽光に適した製品を商品化する。

 アクロディア<3823>=後場ストップ高。
同社はきょう、バックエンドサービス「backendless」の国内販売でGMOインターネット<9449>と業務提携したことを公表。これが買い手掛かりとなっているようだ。同社は昨年1月に米Backendless Corporationと業務提携し、スマートフォンアプリ開発・運用上で必要となるサーバー側の機能をクラウド上で提供するサービス「backendless」のマーケティング・営業活動を行っている。

 ユニオンツール<6278>=大幅続伸。
14日の取引終了後に自社株買いを発表、これを好感した買いが入っている。20万株(発行済み株式数の1.03%)、6億円を上限としており、取得期間は1月15日から3月31日まで。また、同時に発表した14年11月期連結決算が、売上高205億9500万円(前の期比12.9%増)、営業利益30億6500万円(同58.2%増)と、従来予想の売上高200億円、営業利益28億円を上回って着地したことも好材料視されている。

 ファンドクリエーショングループ<3266>=ストップ高。
同社は14日取引終了後に、大和証券と富裕層向けビジネスで連携すると発表。同社が開発・組成する富裕層向けファンドなどを、大和証券を通じて販売・紹介することなどが主な内容で、業績への寄与などが期待されているようだ。また、同日には15年11月期通期の連結業績予想も公表。売上高は33億8000万円(前期比3.8%増)、営業利益は2億8500万円(同4.2%増)を見込んでいる。

 アクトコール<6064>=ストップ高。
同社は14日取引終了後に、15年11月期通期の連結業績予想を公表。営業利益は2億5800万円(前期比3.9倍)を見込んでおり、これが好感されているようだ。 売上高見通しは35億3400万円(同25.5%増)を予想。住生活関連総合のアウトソーシング事業では本格参入した持ち家市場向けサービスの会員拡大などを図るほか、不動産総合ソリューション事業ではサービスオフィスの稼働率アップなどに取り組む。
冨田康夫
株経ONLINE:編集長
配信元: 達人の予想