いよいよ5月に初飛行、MRJでメリットを受ける銘柄

著者:冨田康夫
投稿:2015/01/14 16:44

関連銘柄に特需あり!?

 2015年は日本の航空史における転換点になるとの見方がある。

「YS―11」以来の国産機として、三菱重工業<7011>子会社の三菱航空機が小型ジェット旅客機「三菱リージョナルジェット(MRJ)」の初飛行を5月下旬に計画しているためだ。既にANAホールディングス<9202>JAL<9201>グループへの納入をはじめ400機以上を受注。新規参入企業としては順調な立ち上がりをみせているが、さらなる受注を目指す方針で、5月の初飛行も6月のパリ航空ショーを控えて、実績を示したいとの意向があるためといわれている。

 MRJは、座席数70~90クラスの小型機で、ターゲットとするのは近距離輸送。同クラスの市場はエンブラエル社(ブラジル)とボンバルディア社(カナダ)が2強といわれているが、MRJは新世代エンジンを搭載することで、低燃費、低騒音、低排気物質といったメリットを有し、差別化を図っているほか、先進の設計技術で抵抗を大きく減らすなど運航効率を向上させ、従来の同型ジェット機と比較して20%以上も優れた燃費性能を持つ。

 三菱航空機では、今後20年間に同クラスの航空機市場規模を5000機超と予測。うち50%のシェア獲得を目指す。航空機は1機あたりの部点数が約300万点と裾野が広いことからメリットを受ける企業も多そうだ。

◆主なMRJ関連銘柄

 銘柄<コード>      MRJへの取り組み

ブリヂストン<5108>  航空機用ラジアルタイヤを納入する見込み
ナブテスコ<6268>   フライト・コントロール・アクチュエーターを納入
住友精密<6355>    民需獲得に注力しMRJの降着システムを納入
三菱重<7011>     航空機組立、主翼、胴体部分を担当
IHI<7013>     エンジンの大型ファンを覆うファンケースを納入
ジャムコ<7408>    ラバトリーやギャレーなどを納入
冨田康夫
株経ONLINE:編集長
配信元: 達人の予想