当面は日銀のETF買い頼みの相場か

著者:冨田康夫
投稿:2015/01/05 21:10

前年末比231円安からの切り返し

2015年大発会(5日)の東京株式市場は、前場大幅安に売り込まれた日経平均株価が、後場に入って急速に盛り返すという、波乱含みながらも買いが健在なことをうかがわせる頑強な推移となった。日経平均株価は、前場に一時、前年末比231円安まで売り込まれたものの、後場はプラス圏に浮上。ただ、大引けにかけて再び売り直され、終値は前年末比42円高の1万7408円で3日続落となった。
 後場入って日経平均株価がプラス圏に転じたのは、外国為替市場で、急速に円安・ドル高が進行したことが背景にある。それに加えて、市場関係者のあいだで「昨年末にやや手控えとなっていた、日銀によるETF(上場投資信託)買い入れが、年明けとともに再び積極化する可能性がある」との思惑が広がったことが挙げられる。
 ギリシャの政局不安や、今週末に発表の米12月の雇用統計など不透明要因が多いことから、1月下旬から本格化する4~12月期の決算発表までは、目立った買い手掛かり材料は見当たらない。当面はETF買いに期待が集まる「日銀頼みの相場」が続くことになりそうだ。
冨田康夫
株経ONLINE:編集長
配信元: 達人の予想