ECB理事会控え一服、大台乗せ前に足踏み状態

著者:冨田康夫
投稿:2014/12/03 22:36

4日の東京株式市場見通し

 4日の東京株式市場は、大引け後の欧州中央銀行(ECB)理事会開催を目前にして、売り買いともに手控えムードが広がるなか、利益確定の売りが優勢となり、一服商状の推移が予想される。

 市場関係者からは「日経平均株価1万8000円、円相場1ドル=120円というそれぞれの大台回復を前にして警戒感が一段と増すなか、ある程度の期間足踏み状態を挟んでからの再スタートとなるのでは」との見方が出ていた。

 3日の東京株式市場は、2日のNYダウ平均株価が、前日比102ドル高と大幅上昇したことに加え、外国為替市場で1ドル=119円台前半へと円安・ドル高が急ピッチで進行したことを好感し、日経平均株価は一時、1万7900円近くまで上値を伸ばした。ただ、その後は利益確定売りに伸び悩む展開となり、日経平均株価終値は、前日比57円高の1万7720円で着地した。東証1部の値上がり銘柄数は822、値下がり銘柄数は884(変わらずは138銘柄)と、値下がり銘柄数が値上がり銘柄数を上回っており、利益確定売りの強さが目立った。

3日の動意株

 コムシスホールディングス<1721>=急反発。
スマートフォンの普及加速で電子部品株などが物色人気を博しているが、高速無線通信サービスのLTE基地局関連投資で通信工事会社もビジネスチャンスが広がっている。業界最大手でNTTドコモ<9437>KDDI<9433>などの基地局設備投資を強力な追い風に15年3月期営業利益は前期比5.2%増の290億円と収益成長路線を維持する見通し。

 ユナイテッド<2497>=後場急上昇。
この日、Android向け新規ホームアプリ「CocoPPaホーム」を年内に提供開始すると発表しており、新アプリへの期待感から買われているようだ。ホームアプリとは、スマホのホーム画面(待ち受け画面)をカスタマイズするアプリ。「CocoPPaホーム」は、従来の「CocoPPa」できせかえられる「壁紙」「アイコン」に加え、「時計などのウィジェット」「使い勝手」「視覚的な効果」なども簡単に変更することができるという。

 トリドール<3397>=後場一段高。
一時、前日比108円高の1494円まで買われる場面があった。同社はきょう、11月度の月次売上高を発表。全業態の既存店売上高が前年同月比10.8%増となり、4カ月連続で前年実績を上回ったことが好感されているようだ。主力の「丸亀製麺」の既存店売上高は同11.2%増と4カ月連続のプラス。新店を含む全店ベースでは12.6%増と5カ月連続のプラスとなっている。

 アマガサ<3070>=ストップ高。
同社が2日取引終了後に発表した15年1月期第3四半期累計(2~10月)の連結決算は、売上高58億400万円(前年同期比7.6%増)、営業利益3億3900万円(同24.2%増)、最終利益1億8600万円(同8.1%増)と、増収大幅増益を達成したことを受け買い気が強まった。百貨店向け販売が好調で、高付加価値商材の投入や適正価格の維持を図ったことが奏功し収益性が高まった。通期は売上高72億3200万円(前期比5.6%増)、営業利益2億7100万円(同4.1%増)、最終利益1億3200万円(同9.9%減)と従来見通しを据え置いている。

 ハピネット<7552>=反発。
ニンテンドー3DS向けソフト「妖怪ウォッチ2真打」の13日発売が迫ってきたことで、ゲームソフトの卸を手がける同社も改めて関連銘柄として注目されている。映画「妖怪ウォッチ 誕生の秘密だニャン!」が20日から全国公開されることもあり、これと連動する形で新作ソフトの人気化も期待される。

 レッグス<4286>=ストップ高。
同社は2日に、Google Play Storeで「弱虫ペダルfone」を12月中に無料配信すると発表。11月28日には「ご注文はうさぎですか?fone」や「PSYCHO-PASSサイコパスfone」の無料配信も発表しており、アニフォン事業の拡大などが期待されているようだ。アニフォンは、日本のアニメコンテンツを活用したスマートフォン・ユーザーインターフェイス・アプリケーションの開発・販売などを手掛ける事業。
冨田康夫
株経ONLINE:編集長
配信元: 達人の予想