上昇相場をけん引する強烈な外国人買い継続

著者:冨田康夫
投稿:2014/11/16 20:14

買い越し額は13年12月第3週以来の高水準

14日の東京株式市場は乱高下となった。日経平均株価は、朝方大きく買い先行で始まった後、前引けにかけ利益確定売りに値を消し安くなったものの、後場後半に買い直され再びプラス圏に浮上する展開となった。結局、日経平均株価終値は、前日比98円高の1万7490円と4日続伸した。
 先週は、解散・総選挙観測が日増しに強まるなか、消費増税先送りで想定されていた国内景気の落ち込みが緩和されるとの期待感が高まった。これを背景に、外国人投資家が株価指数先物主導で買い姿勢を強めたことで、日経平均株価は4日連続で年初来高値を更新し、13日終値で1万7490円と、約7年4カ月ぶりの高値水準に上昇した。やはり、今回も上昇相場をリードしているのは外国人投資家ということになりそうだ。

 東証が13日に発表した11月第1週(4~7日)の投資部門別売買動向(東京・名古屋・新興市場の合計)によると、外国人投資家は現物株を3週連続で買い越し、買い越し額は7691億円と、13年12月第3週(8803億円)以来の高水準となった。また、株価指数先物も2週連続で買い越し、買い越し額は1兆3637億円と、こちらは2003年5月以降で過去最高を記録した。11月第1週の買い越しは、前週末10月31日の、日銀の予想外の追加金融緩和発表や、公的年金を運用する年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)が長期的に日本株の運用比率を拡大する方針を発表したことを好感したもの。
 さらに、第2週は消費増税延期、衆院解散・総選挙を手掛かりに、外国人投資家が買い姿勢を強めているものと見られている。
冨田康夫
株経ONLINE:編集長
配信元: 達人の予想