変化の起こりやす時間帯に突入

著者:菊川弘之
投稿:2014/07/24 14:33

デッドクロス間近(90日&200日移動平均線)

 3週連続のジブリにも反応せず、ドル円の膠着は継続している。ただし、今週からドル円一目均衡表(日足)では、雲の厚みが極端に薄くなる時間帯になっている。テクニカル的な支持線としても抵抗線としても雲の信頼性が落ちる時間帯だ。さらに、月末にかけて、変化が起こりやすいと言われる雲のねじれが4回も相次ぐ。
 アストロージからは23日に土星が順行開始、天王星が逆行開始、27日が新月でイスラム圏のラマダンが終了する。8月1~4日はメリマンの重要変化日。連邦公開市場委員会(FOMC)や雇用統計なども、月末・月初に重要イベントとして控えている。

 膠着相場が長いせいで市場心理は「8月末のジャクソンホールまでは動かない」と油断の度合いが増えつつある中、「強気の雇用統計でドル円上昇再開」との思惑も一部にあるようだが、2月4日安値~5月21日安値の支持帯を割り込んだ場合、一時的にテクニカル的な売り圧力が高まりやすくなる可能性は高い。

 その場合は、心理的節目の100円割れを試すような流れとなるだろう。現在、ほぼ同水準にまで収斂している90日と200日移動平均線もデッドクロスとなり、2012年末にアベノミクス相場が始まって以来の円安ドル高トレンド(ゴールデンクロス)の終焉が意識されるだろう。

 雲が薄くなっているが故に、抵抗帯としての信頼性も落ちている為、101円~100.50円水準で持ちこたえて反発、薄い雲の抵抗を上抜けるシナリオも想定されるが、予想を上回る中国のPMI(HSBC)を受けてもリスクオンの動きに傾いておらず、一旦は月末・月初にかけて下振れしそうな雰囲気が高まっている。
 90日移動平均線と200日移動平均線が保合いからデッドクロスとなり、新たなトレンド発生となるのか、それとも保合いながらの収れんとなり、次なる放れを引き続き待つ展開となるのか、そろそろ変化の起こりやすい時間帯に、その答えが出てくるかもしれない。ドル円と逆相関のNY金の一目均衡表(日足)でも週末~週初にかけて雲のねじれが控えている。変化(トレンド加速、もしくはトレンド転換)が近しと見るべきだろう。
菊川弘之
日産証券調査部 主席アナリスト
配信元: 達人の予想