ウエアラブル端末、開発競争進み新たな可能性広がる

著者:冨田康夫
投稿:2014/04/22 16:55

実力企業がひしめく日本

 スマートフォンとタブレットの急速な普及を経て、昨今、モバイル端末分野ではウエアラブル(着用型)という新たなカテゴリーが築かれている。世界のIT企業を代表するグーグルやサムスンなどをはじめ、多くの企業が開発を進めているが、日本にはそのなかでも技術で世界を馳せる実力企業がひしめいている。

 これまでは、眼鏡型と腕時計型が代名詞的なアイテムとして主流を形成してきたが、最近ではリストバンド型や指輪型、衣類型などさまざまな形態の端末が登場するようになってきた。共通項は、身につけて利用するということだけでなく、「それを身につけても不便や不快さを感じない軽くて小さなサイズ」(業界アナリスト)ということが挙げられる。

 また、単なる情報端末という位置付けにとどまらず、心拍数やカロリーの測定といったヘルスケアを補助する端末も実用化されている。ナイキが開発したリストバンド型の活動量計などはそれに該当するものだ。

 さらにウエアラブル端末は、外部コンピューターとの連携というコンセプトも有する。外部コンピューターとリンクすることにより、ワークステーションの環境を目の前にいる利用者に合わせて切りかえるなど、従来よりも時間の短縮や利便性を高めることができる。日本企業は市場拡大に歩調を合わせ開発強化する動きをみせており、一段と期待は高まりそうだ。

◆ウエアラブル端末で注目の企業群

○眼鏡型
ブラザー<6448>エプソン<6724>NTTドコモ<9437>、グーグル(ナスダック)

○腕時計型
ソニー<6758>カシオ<6952>ローム<6963>日産自<7201>、アップル(ナスダック)、サムスン電子(GDR)

○健康管理型
ソニー<6758>ローム<6963>、ナイキ(NY)

○センサー
オムロン<6645>、アルプス電<6770>

○音声認識装置
フュトレック<2468>AMI<3773>

○水晶デバイス
日電波<6779>村田製<6981>
冨田康夫
株経ONLINE:編集長
配信元: 達人の予想