衝突回避支援システム部材、メーカーの標準搭載が追い風

著者:冨田康夫
投稿:2014/04/21 17:01

デンソー、2020年に20倍の売り上げを目指す

欧米に比べてやや出遅れていた、車載用の衝突回避支援システムの搭載がここにきて加速している。富士重工業<7270>は、「アイサイト」が市場をリードし、今年5月発売の「レヴォーグ」に次世代版アイサイトを搭載予定。ダイハツ工業<7262>の「スマートアシスト」も人気を得ており、ダイハツは「ムーヴ」の改良モデルで軽乗用車としては初めて同システムを採用した実績がある。こうした衝突回避支援システムの標準搭載化は、関連部材メーカー各社にとって追い風となりそうだ。

 デンソー<6902>は衝突回避支援システム全般を手掛けており、トヨタグループ向けを中心に売上高の急拡大を見込み、2020年に予防安全分野で2000億円(12年実績は約100億円)の売上を目指す。村田製作所<6981>TDK<6762>の2社は車載向けMLCC(積層セラミックコンデンサー)で世界を席巻。MLCCは自動車1台当たり約1000~3000個搭載されており、自動車の電装化の拡大で今後も需要の増加が見込まれる。

 日本セラミック<6929>は、超音波センサーで世界シェア約55%を占める。超音波センサーはこれまでバックセンサー向け部材として供給してきたが、足もとでは衝突回避支援システムの部材として搭載されている。イリソ電子工業<6908>も注目したい。同社は、耐衝撃性などに優れるフローティングコネクターが車載分野で急拡大をみせている。

◆主な衝突回避支援システム部材関連銘柄

銘柄<コード>   前期営業増益率(推定)  株価    PER

TDK<6762>    70.6      4565   35.8
デンソー<6902>   44.8      4662   13.1
イリソ電子<6908>    2倍      5240   17.1
日セラミック<6929> 18.9      1711   23.3
村田製<6981>      2倍      8926   21.9

※日セラミックの営業利益は今期予想、株価は17日終値(単位:%、円、倍)
冨田康夫
株経ONLINE:編集長
配信元: 達人の予想