米国株大幅高も利食い先行

著者:冨田康夫
投稿:2014/04/17 10:50

東京株式(寄り付き)

17日の東京株式市場は売り買い交錯もやや売り優勢で始まり、寄り付きの日経平均株価は前日比21円安の1万4395円と小幅反落。前日の米国株市場ではNYダウ、ナスダック指数ともに大幅高で3日続伸し投資家心理が改善、外国為替市場でも1ドル=102円台前半で推移するなど円安水準でもみ合っており、これは主力株中心に追い風材料。
ただ、前日の日経平均株価は今年2番目の上げ幅で急伸しており、全般商いに盛り上がりを欠く中で先物主導の上昇であっただけに、きょうはその反動で利益確定売りが出ている。きょうも先物の動向がポイントとなりそうだ。4月下旬から5月上旬にかけての国内企業の決算発表も意識される場面で、実需面から上値を積極的に買う動きは限られそう。

きょう午後には内閣府から3月の消費者動向調査が発表されるが、直近まで3カ月連続で悪化している消費者態度指数の結果に注目が集まりそうだ。
寄り付き時点で業種別では33業種中21業種前後が高い。
値上がり上位には鉱業、海運、石油、電力ガス、その他製品など。半面、保険、不動産、銀行などが軟調。

当面は押しの半値戻り水準での値固めが目標

昨日の日経平均株価終値は前日比420円高の1万4417円と急伸。
上げ幅は、2月18日の450円に次いで今年2番目となった。また、東証1部の値上がり銘柄数は1729(値下がり銘柄数は49、変わらずは24銘柄)と、全体の96%が上昇する文字通りの全面高商状となった。

 ただ、これだけの株価急上昇にもかかわらず、売買代金は1兆9247億円と2兆円に届かない低調ぶりで、相変わらず株価指数先物主導の地合いが続いている。市場筋の試算では、前日比596円高したソフトバンク<9984>の寄与額は70円、同様にファーストリテイリング<9983>は50円と、この2銘柄だけで120円の上昇となった。個人投資家にとっては、こうした先物主導の波乱相場は参加しづらい状態といえる。

 市場関係者からは「チャート面では、16日の急騰により、両サイドがマド開け状態で11~15日の3日分の日足が下方に取り残される形の“アイランドリバーサルボトム”を形成したことで、短期的ながら底入れのパターンとなった。当面の戻りのメドは、4月3日高値から11日安値までの押し幅の半値戻りに相当する1万4524円。つまり、1万4500円台固めが目先の目標となる。その後は、当然4月3日高値の1万5164円へのトライが視野に入ってくる」との見方が出ていた。
冨田康夫
株経ONLINE:編集長
配信元: 達人の予想