日経平均は上昇圧力強く少し冷ますのがベター、投資格差ますます拡大?

著者:藤村哲也
投稿:2013/05/28 20:17

日経平均は上昇圧力強く少し冷ますのがベター、投資格差ますます拡大?

一気呵成の上昇には、様々な弊害が生じます。ここ数ヶ月の日経平均の上昇がこれ以上続くと、後々の経済に少なからず悪い弊害をもたらしかねない懸念が浮上していくのではないでしょうか?特に急激な円安、急激な株価上昇、急激な長期金利の上昇はバブル発生の危険な兆候になりえます。ここにきて一気に冷えたのはむしろ良かったというのが正直な感想です。

一方通行でいいことはありません。この何年もの間、ライブドアショックやITバブル、不動産バブルなど様々経験してきました。一気に上昇し、皆が一方通行に楽観に傾くほど怖く、短期間で上昇は一気に幕を閉じ、終わります。その後は墓場のように長い低迷相場が待っています。こんな経験を日本株は何度となく経験してきています。

ですから願わくば、少し調整の期間をいれ、熱が冷まされながら進んでいくくらいの方が、国債や貯金から株への資金シフトも徐々に進んでいくと思われます。その方がよっぽど皆が喜べ、経済にも好影響を与えていくと思われます。バブル発生は市場参加者が作り出すわけですから、我先にとお金の流れが一気に吹き出していくのを防ぐ必要性が今は増しているわけです。

今の低金利下で、株が上昇すればするほど、我先にと資金が殺到しかねない状況ではあります。外人、銀行などの機関投資家、個人すべてが殺到していく要素が今はあります。長い低金利政策で滞留資金が大量にいろいろなところに眠っているからです。暴落した日の5/23には売買代金が5兆8000億円を超え史上最高の売買代金を記録したのもその証左です。

この暴走しかねないマネーのコントロールが政府や日銀などで的確に行われていくかどうかが今後の相場の鍵を握ってくるのではないでしょうか?市場心理を冷やしながらバブルの発生を未然に防ぐコントロールが重要になってくるように思います。米国や中国がこの点、非常に長けており、景気をよくするというメッセージばかりでなく、マーケットを意識しバブルを未然に防いでいく発言が重要になってくるのではないでしょうか?資本主義の世の中、マーケットが実体経済に与える影響ははかりしれなく、その弊害を何度となく経験してきているからです。23日の黒田日銀総裁による「長期金利上昇はコントロールできない」という発言も今回の調整の一つのきっかけになって、売りに傾いたことから見ても、要人の発言で今後の相場状況、市場心理は大きく変わっていくように感じます。

いずれにしても、株のチャンスはまだまだ続きますがより選別色を強め、売買の仕方、銘柄選択、投資戦略により投資格差が予想以上にどんどん開いていく過程にあると感じております。
藤村哲也
ライジングブル投資顧問代表
配信元: 達人の予想