日経平均最高値で上昇加速、「金・原油・銅」などコモディティ株に熱視線集中 <株探トップ特集>

配信元:株探
投稿:2026/01/06 19:30

―ベネズエラ攻撃も世界株高に、ドル下落やAI投資、政治不安で物色機運高まる―

 2026年の新春相場は好調なスタートを切った。5日の大発会の大幅高に続き、6日の日経平均株価は前日比685円高の5万2518円と続伸。昨年10月31日につけた最高値(5万2411円)を約2カ月ぶりに更新した。アドバンテスト <6857> [東証P]やソフトバンクグループ <9984> [東証P]などが買われ、東証プライムに上場する8割強の銘柄が上昇した。「米国によるベネズエラ攻撃」が3日に伝えられ衝撃が走ったが、週明け5日の米欧株式市場が上昇するなか、世界的な株高の波が東京市場を押し上げた格好だ。とはいえ、世界情勢の不安定化による地政学リスクは高止まりしたままだ。こうしたなか、投資資金は「金」「原油」「銅」など商品(コモディティ)に向かい、市場関係者の視線が集中している。26年の 非鉄や 石油関連株の動向を探った。

●米国のベネズエラ攻撃は株高要因との声も

 トランプ米政権は年明け早々の3日にベネズエラを攻撃し、同国のマドゥロ大統領を拘束した。麻薬密輸の阻止などを理由に挙げた。年末・年始の休場明けの株式市場の動向が注目されたが、日経平均株価は5日と6日の2日間で2100円強の上昇と急伸した。市場関係者は「産油国のベネズエラに米国が介入し、原油増産が進めば長期的には石油価格の下落が期待でき、米国のインフレ抑制要因となる。軍事面での圧倒的な強さをみせつけることで、11月の米中間選挙に向けて米共和党は支持率上昇も期待できる」と指摘し、米国のベネズエラ攻撃は株高要因に働いたと分析している。国際法違反も指摘されるなど地政学リスクが高まっているが、この不透明感の強さも金価格を押し上げている格好だ。

●金銀銅はそろって最高値圏、ドル安が追い風に

 そもそも「金」や「銀」「銅」など貴金属を中心にコモディティ価格は昨年後半から上昇基調を強めている。金価格は12月26日のニューヨーク商品取引所(COMEX)で、2月限が一時1トロイオンス=4584.0ドルまで上昇し最高値をつけた。銅価格もロンドン金属取引所(LME)の銅3カ月先物が5日に一時1トン=1万3000ドル台をつけ最高値を更新した。銀価格も12月29日に初めて1トロイオンス=80ドル台を上回り、25年の年間で2.4倍に跳ね上がった。

 貴金属などコモディティ価格高騰の背景には複数の要因があるが、金に関しては足もとの地政学リスクの高まりで安全資産としての価値が高まっていることが大きい。また、アナリストからは「米政策金利の低下期待が高まるなか、貴金属にはドル安に対するヘッジを求めた資金が流入した」ことが指摘されている。金利がつかない資産である金は米国債の利回りが低下すると相対的な魅力を増す。米金利下落思惑から、ドルインデックスは低下し、ドル安が進むなか金価格は上昇している。とりわけ、パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長の後任には追加利下げに前向きなハト派が就任することが確実視されている。この「ディベースメント取引(通貨価値の低下取引)」と呼ばれる運用が金や銀、銅価格などを押し上げてきた格好だ。ドル離れを進める中国などの中央銀行が金に着実な買いを入れていることも見逃せない。更に、「米国でAIへの過剰投資懸念が強まりオラクルやブロードコムなどが年末にかけ下落に転じた。このなかAI・半導体関連株に流入していた資金の一部が金や銀、銅などに向かったようだ」(前出のアナリスト)という。

●26年に金は5000ドル台、銅は1万4500ドル乗せも

 また、銅の場合、昨年は世界2位の生産規模を持つインドネシアの鉱山で事故が発生するなど、主要鉱山で操業停止が相次ぎ供給面の制約が発生したことが無視できない。更に、データセンターや電気自動車(EV)向けなどに幅広く銅が使われることで需要は拡大しており、市場には需給逼迫への警戒感も出ている。銀も太陽光発電パネルやEV向けなど産業用需要が拡大している。こうしたなか、金や銀、銅など貴金属価格は強調展開が続く可能性が高い。「26年の金の高値は1トロイオンス=5000ドル台、銅は1トン=1万4500ドル近辺は十分狙える」との声が市場には上がっている。

 一方、原油に関してはベネズエラ要因で強弱感が対立する状況となっている。足もとでは石油輸出国機構(OPEC)とロシアなどで作るOPECプラスの増産で需給が緩んだ状態にある。ウクライナとロシアの和平交渉が進む可能性もある。長期的にはベネズエラでの増産に伴いWTI価格は下落基調が続くとの見方は少なくない。ただ、当面はベネズエラの政局不透明感が原油高要因に働くとの声もあり、価格反転への期待も出ている。

 もっとも、コモディティ市場を巡るリスク要因は多い。原油価格が上昇しインフレ懸念が強まり、米金融政策が引き締め姿勢に転じた場合などは資金の流れが変わり、貴金属を中心に価格は反落に転じる可能性がある。休止している鉱山の生産再開や政治要因なども価格下落要因となり得ることには注意する必要がある。

●住友鉱やDOWA、日鉄鉱、千代建などに再評価余地

 当面激しい値動きも予想されるが、市場のホットマネーはコモディティ市場に向かっており、26年は非鉄や石油関連株への関心が一段と高まりそうだ。非鉄大手の住友金属鉱山 <5713> [東証P]や三菱マテリアル <5711> [東証P]、DOWAホールディングス <5714> [東証P]、三井金属 <5706> [東証P]などのほか、銅関連のJX金属 <5016> [東証P]、銀などの製錬事業を展開する東邦亜鉛 <5707> [東証P]、海外で銅鉱山の開発・操業を展開する日鉄鉱業 <1515> [東証P]などが注目される。また、貴金属リサイクル事業を展開する松田産業 <7456> [東証P]やAREホールディングス <5857> [東証P]、アサカ理研 <5724> [東証S]、中外鉱業 <1491> [東証S]なども見逃せない。原油価格には不透明感が強いもののINPEX <1605> [東証P]や石油資源開発 <1662> [東証P]、ENEOSホールディングス <5020> [東証P]などの株価は連結PBRなどで割安水準にあり、バリュエーション面から再評価余地は大きい。更に、石油プラントなどに絡む日揮ホールディングス <1963> [東証P]や千代田化工建設 <6366> [東証S]、東洋エンジニアリング <6330> [東証P]、それに三井海洋開発 <6269> [東証P]などへの再評価機運は強まりそうだ。

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