雇用統計前のポジション調整も

著者:菊川弘之
投稿:2012/10/04 10:47

短期自律反騰も大勢の下降トレンドに変化なし

 昨晩は、ADP民間雇用者数やISM非製造業景況指数が市場予想を上回ったことが欧米株価の下支えとなり、米長期債利回りの持ち直しと共にドル円は上昇。78円台半ば水準を回復した。

 本日はアジア時間に米大統領選第一回テレビ討論会(コロラド州デンバー)、欧州でスペイン中期債入札(40億ユーロ)およびBoEとECBの金融政策決定、米国では9月FOMC議事要旨発表が予定される。

 ECBに関しては年末までに25bps利下げ実施が予想されているが、今回については、追加緩和は市場で予想されていない。9月会合で国債購入計画(OMT)発表されたが、これを発動するか否かは、スペイン政府の正式支援要請の有無に依存するため、この答えが依然として出ていないためだ。

 FOMCに関しては、次回会合(10/23-24日)での月額400億ドルのMBS購入継続が予想されているため、議事要旨への注目度は相対的に低い。ドル円は足もとの良好な米経済指標と日銀追加緩和期待を受けて90日移動平均線に向けた自律反騰局面入りだが、本日は雇用統計と日銀金融政策決定会合を控えたこれまでの上昇に対するポジション調整がやや進むリスクの方が優勢か?
 テクニカル面からは、一目均衡表の雲と重なる90日移動平均線~200日移動平均線の抵抗帯は強い状態。200日移動平均線と重なるネックライン(9月19日高値)を上抜かない限り、自律反騰の域を超えないとの判断。
菊川弘之
日産証券調査部 主席アナリスト
配信元: 達人の予想