株式市場は世界景気の減速を織り込む形で下落トレンドが鮮明になりつつある。トレンド自体がそのトレンドを正当化するようなところがあって、典型例は「トレンド・フォロー」のアルゴリズム・トレードが活発化することである。こうしたアルゴ・トレードはCTA(コモディティ・トレーディング・アドバイザー)型のヘッジファンドが多く使用している。プログラムに、センチメント(市場心理)は関係ないから、トレンドが強くなれば、ピラミッディング(ポジションを乗せていくこと)が加速する。機関投資家などは重要イベントを控えて動けず、商いが薄いところを、こうしたアルゴ・トレードで相場が崩れている印象を持つ。日経平均は、年初来安値とその後の戻り高値までの上げ幅に対する半値押し水準を既に下回った。次はフィボナッチの61.8%押しが目途となるが、あまり強力なサポートではない。後述するQE3決定までの不透明な時期、下値目途としてレンジの下限である8500円程度まで覚悟しておいたほうが無難かもしれない。
市場の関心は米国の金融政策に向いている。12-13日に開催される米連邦公開市場委員会(FOMC)で追加緩和が打ち出されるのか否かが焦点である。それを占うのが7日発表の雇用統計。先日公開されたFOMCの議事要旨や先日のバーナンキ議長のジャクソンホールでの講演などから判断して、労働市場の改善が明確に認められない場合、次回FOMCでQE3(量的緩和の第3弾)が決定される可能性は高い。
QE3が行われた場合、米国株などにはポジティブだが、日本株にとってはどうか?ドル安円高となって素直に日本株買いにつながらないとする慎重意見もあるが、筆者はQE3は日本株にも好影響を与えると考える。それは以下の観点からである。
<ポイント1:日米短期金利差> そもそも円高になるかどうか分からない。実際にQE2のときは、QE2の前後で円高が進行したが、QE2が行われていた時期(10年11月から半年程度)はドル円は横ばいで円高になっていなかった。インフレ期待で米国金利が上昇したからである。今回もこういう展開になる可能性は十分ある。QE3は底入れしつつある米国の住宅市場の回復を後押しするだろう。そもそもドル円を動かす要因で大きいのは短期金利差だが、もうほとんど縮まりようのないレベルにある。こうしたことからQE3が実施されても円高には限界があるだろう。
市場の関心は米国の金融政策に向いている。12-13日に開催される米連邦公開市場委員会(FOMC)で追加緩和が打ち出されるのか否かが焦点である。それを占うのが7日発表の雇用統計。先日公開されたFOMCの議事要旨や先日のバーナンキ議長のジャクソンホールでの講演などから判断して、労働市場の改善が明確に認められない場合、次回FOMCでQE3(量的緩和の第3弾)が決定される可能性は高い。
QE3が行われた場合、米国株などにはポジティブだが、日本株にとってはどうか?ドル安円高となって素直に日本株買いにつながらないとする慎重意見もあるが、筆者はQE3は日本株にも好影響を与えると考える。それは以下の観点からである。
<ポイント1:日米短期金利差> そもそも円高になるかどうか分からない。実際にQE2のときは、QE2の前後で円高が進行したが、QE2が行われていた時期(10年11月から半年程度)はドル円は横ばいで円高になっていなかった。インフレ期待で米国金利が上昇したからである。今回もこういう展開になる可能性は十分ある。QE3は底入れしつつある米国の住宅市場の回復を後押しするだろう。そもそもドル円を動かす要因で大きいのは短期金利差だが、もうほとんど縮まりようのないレベルにある。こうしたことからQE3が実施されても円高には限界があるだろう。