今週のポイント
今週は、雇用統計など米国の経済指標が多く発表されます。米経済指標の結果を受けて米FRBの大幅な利下げ観測が後退する場合、米ドルが全般的に堅調に推移して、豪ドル/米ドルやNZドル/米ドルには下押し圧力が加わりそうです。
米ドル/カナダドルについては、4日のBOC(カナダ中銀)の政策会合にも注目です。BOCは利下げを行うとみられ、注目点は総裁会見で追加利下げの時期についての手掛かりが示されるかどうかです。
メキシコペソについては、司法制度改革をめぐるメキシコ議会の動きに注意が必要です。司法制度改革によって司法の独立性が脅かされると市場は懸念しており、それが足もとのメキシコペソ軟調の主な要因となっています。司法制度改革案は9月1日に開会した議会で最終審議が行われるとみられます。司法制度改革案が成立に向けて一段と前進する場合、メキシコペソが下押しする可能性があります。
主要国の株価動向も材料になるかもしれません。8月30日の米株式市場ではダウが史上最高値をつけました。米国など主要国の株価が上昇を続ければ、リスクオン(リスク選好)の動きが強まるとともに、クロス円が堅調に推移する可能性があります。
今週の注目通貨ペア(1):<豪ドル/NZドル 予想レンジ:1.08000NZドル~1.09500NZドル>
豪ドル/NZドルは8月16日に一時1.10515NZドルへ上昇した後に反落し、同29日には1.07968NZドルへと下落する場面がありました。
RBA(豪中銀)とRBNZ(NZ中銀)の金融政策面からみれば、豪ドル/NZドルには上昇圧力が加わりやすいと考えられます。それにもかかわらず、豪ドル/NZドルが反落した主な要因としては、(1)豪ドル/米ドルとNZドル/米ドルの変動幅の差、(2)NZの企業信頼感指数(8/29発表)の改善が挙げられます。
(1)豪ドル/NZドルの為替レートは“豪ドル/米ドル÷NZドル/米ドル”で算出されます。市場の関心が米FRBの金融政策へと向かう中で米FRBの利下げ観測から米ドルが全般的に軟調に推移しました。豪ドルとNZドルのいずれも対米ドルで堅調に推移したものの、NZドル/米ドルの上昇幅の方が大きかったことが、豪ドル/NZドルを下押ししたと考えられます。(2)NZの8月企業景況感指数は50.6と、7月の27.1から上昇し、およそ10年ぶりの高い水準となりました。
今週は豪州の4-6月期GDP(国内総生産。4日発表)やブロックRBA総裁の講演(5日)が、豪ドル/NZドルの材料になりそうです。GDPが市場予想の前期比0.2%を上回る結果になるなどしてRBAの利下げ観測が後退する場合、豪ドル/NZドルは反発する可能性があります。
今週の注目通貨ペア(2):<米ドル/カナダドル 予想レンジ:1.34000カナダドル~1.36000カナダドル>
今週の米ドル/カナダドルは、BOC(カナダ中銀)政策会合(4日)や米国の経済指標が材料になりそうです。
BOC会合については、3会合連続で利下げすることが決定されそう。利下げ幅は6月と7月と同じく0.25%になると考えられます。その通りの結果になれば、BOCの声明や会合後に行われるマックレム総裁の会見に注目です。市場では10月と12月の会合でも利下げが行われるとの観測があります(11月は会合なし)。声明や総裁会見がその観測を補強する内容になれば、カナダドル安材料になりそうです。
それに加えて、米国の雇用統計(6日)などを受けて9月17-18日の米FOMCにおける0.50%の利下げ観測が後退する場合(米ドルにとってプラス)、米ドル/カナダドルは200日移動平均線(2日時点で1.35856カナダドル)に向かって上昇しそうです。
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