TOKAI Research Memo(1):エネルギー事業の好調により2025年3月期第1四半期業績は会社計画を上回る

配信元:フィスコ
投稿:2024/08/29 15:01
*15:01JST TOKAI Research Memo(1):エネルギー事業の好調により2025年3月期第1四半期業績は会社計画を上回る ■要約

TOKAIホールディングス<3167>は、静岡県を地盤にLPガスを中心とした「エネルギー・住生活関連事業」と「情報通信事業」を展開する総合生活インフラ企業である。約338万件の「顧客基盤」と多彩な商品・サービスをワンストップで提供する「総合力」、顧客ニーズに即応する「営業力」を強みに、着実に成長を続けている。

1. 2025年3月期第1四半期業績の概要
2025年3月期第1四半期(2024年4月-6月)の連結業績は、売上高で前年同期比4.1%増の56,205百万円、営業利益で同33.6%増の3,319百万円と増収増益決算となった。売上高はエネルギー事業を中心にすべての事業セグメントで増収となり、4期連続増収、過去最高を更新した。利益面では、賃金改定に伴う人件費の増加やアクア事業における顧客獲得費用の増加等があったものの、継続取引顧客件数の増加に伴う月次課金収入の積み上げや、戦略的に経費の見直し及び削減に取り組んだことが増益要因となった。また、会社計画比では営業利益で6億円程度上回ったもようだ。エネルギー事業において顧客獲得競争の激化に伴う値引きの影響を見込んでいたが、第1四半期はマイナスの影響がなかったこと、また想定よりも平均気温が低く推移し契約世帯当たり消費量が計画を若干上回ったことが上振れ要因となった。エネルギー事業以外はおおむね計画どおりの進捗になったと見られる。なお、第1四半期末の継続取引顧客件数は前期末比26千件増加の3,384千件となった。

2. 2025年3月期の業績見通し
2025年3月期の連結業績は、売上高で前期比5.4%増の244,000百万円、営業利益で同3.2%増の16,000百万円と期初計画を据え置き、3期振りの過去最高益を目指す。期末の継続取引顧客件数は3,452千件と前期末比で94千件の増加を見込んでおり、このうち50千件をLPガス事業で積み上げる計画となっている。LPガス業界では、2024年7月より商慣行是正に向けた改正省令が施行されたことを契機に中小零細事業者の淘汰が進むと見られ、M&Aによるシェア拡大の好機となる。2024年8月には鹿児島市に新たに営業拠点を開設するなど営業エリアの拡大も着々と進めている。そのほかの事業では、クラウド市場の拡大を追い風に法人向け情報通信事業が好調を持続するほか、前期低調だった建築設備不動産事業もグループシナジーの創出により増収増益に転じる見通しだ。

3. 中期経営計画の進捗状況
2023年5月に発表した「中期経営計画2025」では、人的資本投資を強化しながら顧客基盤の拡大と多様なライフスタイル、脱炭素社会の実現に貢献するサービスを提供することで、持続的成長を目指す方針を打ち出した。最終年度となる2026年3月期の経営数値目標は売上高で2,600億円、営業利益で175億円(年平均成長率で4.1%増収、5.5%増益)、継続取引顧客件数は357万件を掲げている。初年度となる2024年3月期は利益ベースで目標を上回り、2年目となる2025年3月期も順調な滑り出しとなっている。主力のエネルギー事業ではLPガス事業の営業拠点をさらに5拠点開設する計画で、M&Aも含めてシェア拡大を推進していく。また、法人向け情報通信事業や建築設備不動産事業については、これまでM&Aでグループ化してきた子会社のリソースを共有し、シナジーを高めていくことで事業拡大を目指す。株主還元策については、配当性向40~50%を目安に安定的かつ継続的な配当を行う方針で、株主優待も実施している。2025年3月期の1株当たり配当金は前期比1.0円増配の34.0円(配当性向49.3%)を予定しており、株主優待も含めた単元当たり年間投資利回りは4~8%(2024年8月7日終値換算)となる。

■Key Points
・2025年3月期第1四半期業績はエネルギー事業がけん引し増収増益と計画を上回る滑り出し
・2025年3月期業績見通しは期初計画を据え置くも、上振れ余地あり
・中計最終年度となる2026年3月期の営業利益目標175億円の達成に向け順調に進捗
・配当性向40~50%を目安に配当を実施、株主優待も合わせた総投資利回りは4~8%の水準

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

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配信元: フィスコ

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