ドル円、一時146円台半ばまで下落 米PPIを受けて米利下げ観測がさらに強まる=NY為替概況

著者:MINKABU PRESS
投稿:2024/08/14 05:50
ドル円、一時146円台半ばまで下落 米PPIを受けて米利下げ観測がさらに強まる=NY為替概況

 きょうのNY為替市場はドル売りが優勢となり、ドル円は146円台半ば付近まで一時下落した。ロンドン時間には買い戻しが見られ148円台回復をうかがう展開が見られたものの、その手前で上値を抑えられた格好。

 この日発表の7月の米生産者物価指数(PPI)が予想を下回り、インフレ鈍化を示したことから、為替市場はドル売りの反応が強まっている。ドル円もストップを巻き込んで146円台に一時下落。

 米PPIを受けて、9月FOMCでの利下げ観測がさらに強まっており、短期金融市場では0.50%ポイントの大幅利下げの可能性も再び高めている。前日は半分以下の確率だったが、現在は55%といったところ。

 一方、ドル円の状況には変化がなく、円キャリー取引の巻き戻しは一服し、ドル円は急落からの下げを取り戻している。ただ、上値追いには慎重といった状況。次の手掛かり材料として、明日の米消費者物価指数(CPI)、そして木曜日の米小売売上高で消費動向を確認したいところではある。

 きょうのユーロドルは買いが優勢となり、1.10ドル手前まで上昇した。心理的節目の1.10ドルを再び突破して行くか注目の展開が見られている。

 本日は8月調査分のドイツZEW景況感指数が発表になり、経済見通しが大幅に悪化していた。ただ、ユーロは軌道を外れていない。ユーロ圏の成長鈍化はほぼ織り込み済みで、予想を上回るインフレの高止まりがECBの金利見通しの下方修正を妨げている。ただ、短期金融市場では9月のECBの利下げをほぼ完全に織り込んでいる状況ではある。

 ポンドドルは上値追いが続き、1.2875ドル近辺まで一時上昇。本日の上げで21日線を一気に回復したほか、7月17日から8月8日の下降波のフィボナッチ50%戻しの水準も突破した。直近高値の1.30ドル台を再び目指す展開になるか、明日以降の動きが注目される。

 本日は英雇用統計が発表になっていたが、4-6月のILO失業率は平均で4.2%と予想以上の低下となっていた。英中銀の追加利下げへの期待を後退させる内容であったことから、ポンドも買いの反応を見せていた。

 しかし、予想通りではあったものの賃金の上昇が鈍化していたことから、英中銀は年内に2回の追加利下げに踏み切れるとの指摘も出ている。週平均賃金の伸び(賞与除く)は前年比5.4%に鈍化した。概ね予想通りではあるものの、インフレおよびインフレ期待が低下している兆候を求める英中銀の期待には沿う内容だという。

MINKABU PRESS編集部 野沢卓美

このニュースはみんかぶ(FX/為替)から転載しています。

配信元: みんかぶ(FX/為替)