ドルの買い戻しが強まる ドル円も157円台に戻す=NY為替概況

著者:MINKABU PRESS
投稿:2024/07/19 05:51
ドルの買い戻しが強まる ドル円も157円台に戻す=NY為替概況

 きょうのNY為替市場はドルの買い戻しが強まり、ドル円も157円台に買い戻された。東京時間には155円台半ばまで下落していた。米株式市場が大幅安となっていたことも、ドル買いに繋がっていたとの指摘も聞かれる。ダウ平均は一時600ドル超下落していた。

 ただ、FRBの9月利下げを市場は確信し始めており、トランプ氏もドル安を選好している兆候がある中、ドル買いの継続性については疑問符も出ている。一方、円の方は財務省の介入が警戒され、月末の日銀の利上げへの期待も根強くある状況。

 ドル円は一時155円台までの下げで、今年に入ってからの上昇トレンドの下値チャネルラインを一旦ブレイクしており、円は下落トレンドを脱したとの声も出ている。ストラテジストからは、一旦円安は終了し、円は150円に向かってさらに上昇の余地があるとの指摘も出ている。
 
 日銀については明日の日本の全国消費者物価指数(CPI)の発表を注目する声も出ている。依然として目標の2%を上回る水準が続くことが予想されているが、食品・エネルギーを除いたコアコア指数は2%前後が見込まれている状況。

*全国消費者物価指数(6月)19日8:30
予想 2.9% 前回 2.8%(前年比)
予想 2.7% 前回 2.5%(生鮮食料除くコア・前年比)
予想 2.2% 前回 2.1%(生鮮食料・エネルギー除くコアコア・前年比)

 ユーロドルは1.08ドル台に伸び悩んだ。本日はECB理事会が開催され、大方の予想通りに政策を据え置いた。9月利下げを巡って注目は声明やラガルド総裁の会見だったが、こちらも予想通りにコミットすることはなく、オープンな姿勢を強調していた。「必要な限り十分に景気抑制的な水準に維持」との文言も再表明している。

 きょうの動きを受けて、市場の利下げ期待は僅かに緩んでいるが、エコノミストからは、9月利下げの可能性はまだかなり高いとの指摘も出ている。

 ポンドドルは1.29ドル台に再び下落。前日は1.30ドル台を回復し、1.30ドル台半ばまで上昇していたが、いまのところ1.30ドル台を維持できていない。一方で下押す動きもなく、上向きのトレンドは維持されている格好。

 本日は英雇用統計が発表されていたが、3ー5月の失業率の平均は4.4%と前回から変わらなかったものの、週平均賃金は賞与を除く数字で前年比5.7%と、予想通りではあったものの、前回の6.0%からは鈍化していた。賃金の伸びはほぼ2年ぶりの小ささとなり、労働市場の鈍化を示す兆しとなった。

 前日の英消費者物価指数(CPI)でサービスインフレに粘り強さが示されたことで、市場は英中銀の8月利下げ期待を後退させていたが、きょうの賃金データはそれに望みをつないだ格好となっている。英中銀が最も注目する民間部門の賃金の伸びも、前回の5.9%から5.6%へと鈍化していた。

 前日の英CPIと本日の英雇用統計は英中銀の仕事を難しくしている。短期金融市場では、8月1日の英中銀政策委員会(MPC)での利下げの可能性を45%程度で見ている状況。

*ILO失業率(3-5月)15:00
結果 4.4%
予想 4.4% 前回 4.4%

*週平均賃金
結果 5.7%
予想 5.7% 前回 5.9%(前年比)
結果 5.7%
予想 5.7% 前回 6.0%(除く賞与・前年比)

MINKABU PRESS編集部 野沢卓美

このニュースはみんかぶ(FX/為替)から転載しています。

配信元: みんかぶ(FX/為替)