ダウ平均は小幅安の一方、ナスダックは堅調な推移 今週のイベント待ち=米国株序盤

著者:MINKABU PRESS
投稿:2024/07/09 00:55
NY株式8日(NY時間11:45)(日本時間00:45)
ダウ平均   39341.28(-34.59 -0.09%)
ナスダック   18410.78(+58.02 +0.32%)
CME日経平均先物 41045(大証終比:+195 +0.48%)

 きょうのNY株式市場でダウ平均は小幅安の一方、ナスダックは堅調な推移が続いている。本日は半導体関連株が上昇しており、エヌビディア<NVDA>やスーパー・マイクロ<SMCI>にも買い戻しが入る中、ナスダックは上昇が続いている。ダウ平均は上昇して始まったものの、先週末付近に伸び悩む展開。

 投資家は今年の上昇相場が長続きするのか更なる手掛かりを得るために、今週のパウエルFRB議長の議会証言や米消費者物価指数(CPI)の発表を待っている。今週の大手銀を皮切りに決算も控えている。

 先週の米雇用統計を通過し、インフレ鈍化と年後半の景気減速がFRBの利下げに繋がるとの楽観的な見方が続く中、米株式市場はIT・ハイテク株中心に上値追いが続いている。先週の米雇用統計は労働市場がやや冷え込んでいることが示され、利下げ観測に拍車をかけた。6月は予想以上に非農業部門雇用者数(NFP)を増やしたものの、失業率も4.1%へと予想外に上昇。短期金融市場では現在年内に2回の利下げを予想しており、最初の利下げは9月と予想している。

 今週木曜日に発表される6月の米消費者物価指数(CPI)が現時点での予想通りに若干の進展を示せば、こうした期待を後押しする可能性がある。6月はガソリン価格の下落で総合指数は前回同様にインフレの鈍化が見込まれている。

 なお、パウエル議長の議会証言については、インフレは進展したが、もう少しそれをデータで確認したいといったこれまでの姿勢を示すと見られている。ただ、FRBの利下げ開始にしびれを切らしている議員や、ウォール街の金融機関に対するFRBなどの資本要件強化案に不満を持つ議員からの圧力に直面するとの見方も出ているようだ。

 決算については事前のハードルが高くなっているとの指摘も出ているが、大手銀については、オプション市場で事前のヘッジコストも上がっておらず、無難な通過を期待している模様。大手銀株は今年に入って20%超上昇しているが、その流れに影響はないと見られているようだ。投資銀行部門への期待が一部で出ている。同部門は金利上昇でディールメーキングのペースが鈍化していたが、回復への楽観的な見方が広がっている模様。

 医薬品のモーフィック<MORF>が急伸。取引開始前にイーライリリー<LLY>が、同社を1株57ドルで公開買付を行うと発表した。

 企業向けIT管理ソフトウエアのサービスナウ<NOW>が下落。アナリストが投資判断を「売り」に引き下げ、目標株価を640ドルに設定した。

 電気自動車(EV)のルーシッド<LCID>が上昇。取引開始前に第2四半期の生産と納車台数を公表し、生産台数は2110台、納車は2394台と、いずれも前四半期比で22%増加し、予想も上回った。

 インテル<INTC>が4日続伸し、ダウ平均をサポート。特段の材料は出ていないが、一部からは出遅れ銘柄へのキャッチ・アップ・トレードも指摘されている。

サービスナウ<NOW> 772.56(-33.92 -4.21%)
モーフィック<MORF> 55.79(+23.95 +75.20%)
ルーシッド<LCID> 3.03(+0.10 +3.41%)
インテル<INTC> 33.34(+1.32 +4.12%)

アップル<AAPL> 226.83(+0.49 +0.22%)
マイクロソフト<MSFT> 466.40(-1.16 -0.25%)
アマゾン<AMZN> 199.94(-0.06 -0.03%)
アルファベットC<GOOG> 191.54(-0.42 -0.22%)
テスラ<TSLA> 258.42(+6.90 +2.74%)
メタ<META> 532.42(-7.49 -1.39%)
AMD<AMD> 173.80(+1.90 +1.10%)
エヌビディア<NVDA> 128.67(+2.84 +2.26%)
イーライリリー<LLY> 919.23(+4.66 +0.51%)

MINKABU PRESS編集部 野沢卓美

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