*13:34JST イチネンHD Research Memo(4):2024年3月期は2.1%の営業増益となり21期連続の営業増益を達成
■業績動向
1. 2024年3月期の業績概要
イチネンホールディングス<9619>の2024年3月期の業績は、売上高が138,253百万円(前期比8.2%増)、営業利益が9,045百万円(同2.1%増)、経常利益が9,460百万円(同3.9%増)、親会社株主に帰属する当期純利益が12,253百万円(同106.9%増)となった。親会社株主に帰属する当期純利益が大幅増となったのは、新規連結子会社の負ののれん発生益(6,354百万円)を特別利益として計上したためである。
(1) 自動車リース関連事業
自動車リース関連事業のセグメント売上高は58,673百万円(前期比1.0%減)、セグメント利益は5,794百万円(同7.6%減)となった。
リース事業では、比較的競合の少ない地方市場及び中小口企業への拡販、既存顧客への取引深耕を積極的に進めたことなどから契約数は順調に拡大、期末の契約台数は95,417台(前期末比2,227台増)、リース契約高は45,327百万円(前期比19.0%増)、リース未経過契約残高は92,495百万円(前期末比8.0%増)となった。
自動車メンテナンス受託では、大口契約先の解約があったことなどから、メンテナンス受託契約台数は74,975台(前期末比6,963台減)となった。メンテナンス受託契約高は6,459百万円(前期比5.8%増)、メンテナンス未経過契約残高は8,560百万円(同1.5%増)となった。
燃料販売では、低燃費車の普及により全体の需要は減少傾向にあるが、燃料給油カード発券枚数は243,628枚(前期末比19,004枚増)と、既存顧客へのサービス向上並びに新規顧客の獲得に注力したことで販売数量は増加した。また仕入価格が安定したことで、利益は順調に推移した。車両販売では、前期の反動もあり販売台数及び販売単価が低下したことから、売上高・利益ともに減少した。車体修理管理サービスの売上台数は、前期比75台増の7,637台となり、売上高も1,064百万円(前期比6.4%増)と増加した。
(2) ケミカル事業
ケミカル事業のセグメント売上高は11,918百万円(前期比0.3%増)、セグメント利益は998百万円(同3.0%減)となった。自動車整備工場向けケミカル製品及び機械工具商向けのケミカル製品の販売は順調に推移したが、船舶用燃料添加剤及び一般消費者向け製品の販売が減少した。利益面では、営業活動の増加に伴い販管費が増加して利益は微減となった。
(3) パーキング事業
パーキング事業のセグメント売上高は7,497百万円(前期比8.4%増)となり、セグメント利益は1,121百万円(同17.5%増)となった。同事業は固定費率の高い事業であるため、売上高が落ちると利益の落ち込みは大きくなるが、反対に売上高が増加すると利益が急増する特徴がある。新規駐車場の開発が順調に進み、 駐車場ヶ所は、1,896ヶ所(前期末比63ヶ所増)、管理台数は37,552台(同226台増)と順調に拡大し、既存駐車場の継続的な収益改善活動の効果もあり、売上高、利益ともに増加した。
(4) 機械工具販売事業
機械工具販売事業のセグメント売上高は36,189百万円(前期比0.7%減)、セグメント利益は384百万円(同26.9%減)となった。建設機械部品、空調工具、計測工具の販売は順調に推移したが、産業機械部品等の販売が減少したことに加え、営業活動の増加に伴い販管費が増加し、減益となった。
(5) 合成樹脂事業
合成樹脂事業のセグメント売上高は17,330百万円(前期比41.2%増)、セグメント利益は339百万円(同110.5%増)となった。遊技機メーカーへの合成樹脂製品の販売、科学計測器並びに半導体実装装置メーカー等へのセラミックヒーターの販売が順調に推移したことに加え、当期から連結子会社となったマルイ工業グループが寄与した。前期比では大幅増益だが、2期以前に比べると売上・利益の水準はまだ低い。
(6) 農業関連
今期から新セグメントとなった農業関連の売上高は5,673百万円(前期比5,392百万円増)、セグメント利益は167百万円 (前期は138百万円の損失)となった。既存農場における農作物の販売数量が増加したことに加え、前期に新たに開設した「南国農場」が販売増加に寄与した。さらに新規連結子会社となった日東エフシー及び関連会社が増収に寄与した。増収に伴い収益性が改善しセグメント利益を計上した。
(7) その他
その他事業のセグメント売上高は2,075百万円(前期比12.4%増)、セグメント利益は216百万円 (同458.7%増)となった。ガラス関連事業を行う新光硝子工業及び新生ガラスの業績が順調に伸びたことに加え、採算面で足を引っ張っていた農業関連が外れたことでセグメント利益は大きく改善した。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)
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1. 2024年3月期の業績概要
イチネンホールディングス<9619>の2024年3月期の業績は、売上高が138,253百万円(前期比8.2%増)、営業利益が9,045百万円(同2.1%増)、経常利益が9,460百万円(同3.9%増)、親会社株主に帰属する当期純利益が12,253百万円(同106.9%増)となった。親会社株主に帰属する当期純利益が大幅増となったのは、新規連結子会社の負ののれん発生益(6,354百万円)を特別利益として計上したためである。
(1) 自動車リース関連事業
自動車リース関連事業のセグメント売上高は58,673百万円(前期比1.0%減)、セグメント利益は5,794百万円(同7.6%減)となった。
リース事業では、比較的競合の少ない地方市場及び中小口企業への拡販、既存顧客への取引深耕を積極的に進めたことなどから契約数は順調に拡大、期末の契約台数は95,417台(前期末比2,227台増)、リース契約高は45,327百万円(前期比19.0%増)、リース未経過契約残高は92,495百万円(前期末比8.0%増)となった。
自動車メンテナンス受託では、大口契約先の解約があったことなどから、メンテナンス受託契約台数は74,975台(前期末比6,963台減)となった。メンテナンス受託契約高は6,459百万円(前期比5.8%増)、メンテナンス未経過契約残高は8,560百万円(同1.5%増)となった。
燃料販売では、低燃費車の普及により全体の需要は減少傾向にあるが、燃料給油カード発券枚数は243,628枚(前期末比19,004枚増)と、既存顧客へのサービス向上並びに新規顧客の獲得に注力したことで販売数量は増加した。また仕入価格が安定したことで、利益は順調に推移した。車両販売では、前期の反動もあり販売台数及び販売単価が低下したことから、売上高・利益ともに減少した。車体修理管理サービスの売上台数は、前期比75台増の7,637台となり、売上高も1,064百万円(前期比6.4%増)と増加した。
(2) ケミカル事業
ケミカル事業のセグメント売上高は11,918百万円(前期比0.3%増)、セグメント利益は998百万円(同3.0%減)となった。自動車整備工場向けケミカル製品及び機械工具商向けのケミカル製品の販売は順調に推移したが、船舶用燃料添加剤及び一般消費者向け製品の販売が減少した。利益面では、営業活動の増加に伴い販管費が増加して利益は微減となった。
(3) パーキング事業
パーキング事業のセグメント売上高は7,497百万円(前期比8.4%増)となり、セグメント利益は1,121百万円(同17.5%増)となった。同事業は固定費率の高い事業であるため、売上高が落ちると利益の落ち込みは大きくなるが、反対に売上高が増加すると利益が急増する特徴がある。新規駐車場の開発が順調に進み、 駐車場ヶ所は、1,896ヶ所(前期末比63ヶ所増)、管理台数は37,552台(同226台増)と順調に拡大し、既存駐車場の継続的な収益改善活動の効果もあり、売上高、利益ともに増加した。
(4) 機械工具販売事業
機械工具販売事業のセグメント売上高は36,189百万円(前期比0.7%減)、セグメント利益は384百万円(同26.9%減)となった。建設機械部品、空調工具、計測工具の販売は順調に推移したが、産業機械部品等の販売が減少したことに加え、営業活動の増加に伴い販管費が増加し、減益となった。
(5) 合成樹脂事業
合成樹脂事業のセグメント売上高は17,330百万円(前期比41.2%増)、セグメント利益は339百万円(同110.5%増)となった。遊技機メーカーへの合成樹脂製品の販売、科学計測器並びに半導体実装装置メーカー等へのセラミックヒーターの販売が順調に推移したことに加え、当期から連結子会社となったマルイ工業グループが寄与した。前期比では大幅増益だが、2期以前に比べると売上・利益の水準はまだ低い。
(6) 農業関連
今期から新セグメントとなった農業関連の売上高は5,673百万円(前期比5,392百万円増)、セグメント利益は167百万円 (前期は138百万円の損失)となった。既存農場における農作物の販売数量が増加したことに加え、前期に新たに開設した「南国農場」が販売増加に寄与した。さらに新規連結子会社となった日東エフシー及び関連会社が増収に寄与した。増収に伴い収益性が改善しセグメント利益を計上した。
(7) その他
その他事業のセグメント売上高は2,075百万円(前期比12.4%増)、セグメント利益は216百万円 (同458.7%増)となった。ガラス関連事業を行う新光硝子工業及び新生ガラスの業績が順調に伸びたことに加え、採算面で足を引っ張っていた農業関連が外れたことでセグメント利益は大きく改善した。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)
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