中長期ビジネス成長戦略「Beyond the Border」の策定~ Suicaを進化させ、Suicaアプリ(仮称)の創出によるSuica経済圏の拡大~
1 中長期ビジネス成長戦略「Beyond the Border」について
・これまで強みとしてきたJR東日本グループのモビリティと生活ソリューションの双方にわたる「重層的でリアルなネットワーク」をSuicaの進化による「移動の目的(地)づくり」と「DXによる個客との接点強化」を通じて新たな強みにリデザインしていきます。
・これにより、現在のJR東日本グループの枠を大きく乗り越え(Beyond the Border)、ビジネス圏を飛躍的に拡大していきます。
<Beyond the Borderのコンセプト>
2 お客さまのさまざまな生活シーンにつながるSuicaアプリ(仮称)の創出
(1)「Suicaの進化」
・「Beyond the Border」の基盤は、「Suicaの進化」による、新たな「デジタルプラットフォーム」の構築です。
・「Suicaの進化」とは、Suicaが「移動のデバイス」から飛躍的に利便性を高めた「生活のデバイス」になることです。今後のステップとしては、2027年度までにえきねっとやモバイルSuicaなどの各種ID統合でシームレスなご利用を可能とするとともに、クラウド化による新しい鉄道チケットシステム開始で、例えば、駅ビルで一定額のお買い物をされたお客さまに帰りの運賃割引のご提供を可能にします。さらに、Suicaアプリ(仮称)を2028年度にリリースすることでお客さまのご利用シーンにあわせたサービスを一括してご利用できるようにします。
・あわせて、新機能※を今後10年の間に順次追加し、進化したSuicaで、あらゆる生活をカバーすることを目指します。
※新機能とは、移動と一体のチケットサービス、金融・決済、生体認証、マイナンバーカード連携、タイミングマーケティング、健康、学び、物流、行政・地域サービスとの連携などを予定しています。
(2)データマーケティングによるビジネス圏の拡大
・進化したSuicaに集まるビッグデータを最大限活用し、JR東日本の強みであるモビリティの移動データをさまざまなリアル・デジタルのサービスと結び付け、例えば、お客さまの趣味嗜好や健康状態に沿ったサービスや情報を適切なタイミングでお届けするOne to Oneのデジタルコミュニケーションを行うことで、マーケットインのビジネスを進めていきます。
・あわせて、マーケットから得られるデータやニーズを進化したSuicaにフィードバックすることで、さらなる進化を目指し、次のマーケットインのビジネスに循環しながら活かします。
・さらに、東京圏で成功したマーケットインのビジネスを海外展開し、実績を積み重ねることでアジア圏でのTOD※への参画を目指します。※Transit Oriented Development、公共交通指向型開発
(3)これから実現していくライフ・バリュー
・「Suicaの進化」とデータマーケティングによって構築するデジタルプラットフォームにより、リアル・デジタルのサービスをつなげ、お客さまに新たなライフ・バリューをご提供します。
【「デジタルプラットフォーム」で変わるお客さまのさまざまなリアル・デジタルなサービス体験】
3.数値目標
・今後10年で現在のJRE POINT生活圏を飛躍的に拡大したリアル・デジタル双方にまたがる「Suica経済圏」を創出し、10年後(2033年度)における生活ソリューションの営業収益・営業利益を2023年度比2倍にすることを目指します。
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