ドル買い一服もドル円は157円付近で底堅い値動き=NY為替概況
ドル買い一服もドル円は157円付近で底堅い値動き=NY為替概況
きょうのNY為替市場は前日までのドル買いは一服していたものの円売りも根強く、ドル円は157円付近での底堅い値動きが続いた。ユーロ円やポンド円といったクロス円は上値追いが続き、ポンド円は介入前の200円台に一時上昇する場面も見られた。
FRBの利下げ期待は秋以降に後退しているものの、ECBや英中銀、カナダ中銀などは夏までに利下げを開始すると見られている。しかし、それ自体はある程度織り込み済みで、利下げ開始後の展開に市場の関心は移っている。特にECBは6月の利下げ開始は認めているものの、それ以降の追加利下げには慎重な雰囲気もうかがえる。そのような中で、これまでの円売りが対クロスで継続されているのかもしれない。
本日は日本の全国消費者物価指数(CPI)が発表になっていたが、インフレは落ち着きを示していた。来週は東京都区部の5月のCPIが発表になるが、特殊事情もあり急低下した前回からは上回るものの、生鮮除くコア指数は2%を下回る水準が見込まれている。個人消費がなお弱い中、春以降に期待されている賃上げ効果もまだ未確認の状態。日銀が正常化により積極的になる素地もない。
ユーロドルは買い戻しの動きが見られ、1.08ドル台半ばに戻した。本日の動きで100日線がサポートされた格好となっており、リバウンド相場の流れは維持されている。
きょうも複数のECB理事の発言が伝わっていたが、6月利下げ期待は追認する一方、その後の利下げについては慎重なようだ。一部からは7月の連続利下げの可能性も指摘されていたが、さすがにその観測は否定的に見ているようで、可能性があるとしても9月以降との見方を示していた。
ポンドドルも買い戻しが優勢となり1.27ドル台を回復。一時1.2750ドル付近まで上昇し、リバウンド相場の流れを継続している。今週のポンドは様々な材料が重なったが、底堅い推移を続けている。英消費者物価指数(CPI)で総合指数は2%目標付近まで急低下したものの、サービスCPIが予想ほど鈍化せず、コア指数も予想を上回っていた。これを受けて英中銀の6月利下げ期待は一気に後退している。
そして、今週は何と言ってもスナク英首相が7月4日の総選挙実施を発表したことはサプライズとなった。年内のどこかでの実施とは見られていたものの、支持率が低迷する中で、これほど早い実施は想定されていなかったようだ。
ただ、政治的にはサプライズだが、予想より早い選挙日程が金融市場に大きな影響を与えることはないとの見方が多い。短い選挙期間中に与党保守党は明確な敗北の事態は回避しようとするだろう。世論調査通りなら、野党労働党が勝利し政権交代が実現しそうだが、保守党主導のEU離脱を経て、新政権はEUとの関係修復を目指すことになりそうだという。その場合、ポンドにとっては追い風となる。
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美
きょうのNY為替市場は前日までのドル買いは一服していたものの円売りも根強く、ドル円は157円付近での底堅い値動きが続いた。ユーロ円やポンド円といったクロス円は上値追いが続き、ポンド円は介入前の200円台に一時上昇する場面も見られた。
FRBの利下げ期待は秋以降に後退しているものの、ECBや英中銀、カナダ中銀などは夏までに利下げを開始すると見られている。しかし、それ自体はある程度織り込み済みで、利下げ開始後の展開に市場の関心は移っている。特にECBは6月の利下げ開始は認めているものの、それ以降の追加利下げには慎重な雰囲気もうかがえる。そのような中で、これまでの円売りが対クロスで継続されているのかもしれない。
本日は日本の全国消費者物価指数(CPI)が発表になっていたが、インフレは落ち着きを示していた。来週は東京都区部の5月のCPIが発表になるが、特殊事情もあり急低下した前回からは上回るものの、生鮮除くコア指数は2%を下回る水準が見込まれている。個人消費がなお弱い中、春以降に期待されている賃上げ効果もまだ未確認の状態。日銀が正常化により積極的になる素地もない。
ユーロドルは買い戻しの動きが見られ、1.08ドル台半ばに戻した。本日の動きで100日線がサポートされた格好となっており、リバウンド相場の流れは維持されている。
きょうも複数のECB理事の発言が伝わっていたが、6月利下げ期待は追認する一方、その後の利下げについては慎重なようだ。一部からは7月の連続利下げの可能性も指摘されていたが、さすがにその観測は否定的に見ているようで、可能性があるとしても9月以降との見方を示していた。
ポンドドルも買い戻しが優勢となり1.27ドル台を回復。一時1.2750ドル付近まで上昇し、リバウンド相場の流れを継続している。今週のポンドは様々な材料が重なったが、底堅い推移を続けている。英消費者物価指数(CPI)で総合指数は2%目標付近まで急低下したものの、サービスCPIが予想ほど鈍化せず、コア指数も予想を上回っていた。これを受けて英中銀の6月利下げ期待は一気に後退している。
そして、今週は何と言ってもスナク英首相が7月4日の総選挙実施を発表したことはサプライズとなった。年内のどこかでの実施とは見られていたものの、支持率が低迷する中で、これほど早い実施は想定されていなかったようだ。
ただ、政治的にはサプライズだが、予想より早い選挙日程が金融市場に大きな影響を与えることはないとの見方が多い。短い選挙期間中に与党保守党は明確な敗北の事態は回避しようとするだろう。世論調査通りなら、野党労働党が勝利し政権交代が実現しそうだが、保守党主導のEU離脱を経て、新政権はEUとの関係修復を目指すことになりそうだという。その場合、ポンドにとっては追い風となる。
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美
このニュースはみんかぶ(FX/為替)から転載しています。
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