電気の力で減塩食の塩味を約1.5倍に増強する技術およびその技術を使った「エレキソルト」の開発が内閣府「日本オープンイノベーション大賞」で日本学術会議会長賞を受賞

配信元:PR TIMES
投稿:2024/02/15 18:47
 キリンホールディングス株式会社(社長 磯崎功典、以下キリン)と明治大学(学長 大六野耕作)総合数理学部先端メディアサイエンス学科の宮下芳明研究室は、2月14日(水)内閣府講堂で開催された“日本オープンイノベーション大賞”において、日本学術会議会長賞を受賞しました。日本学術会議会長賞の受賞はキリンとしては初の快挙となります。


■受賞タイトル
 電気の力で減塩食の塩味を約1.5倍に増強する技術の開発、その技術を活用した製品「エレキソルト」の開発
■受賞理由
・人々の健康な食生活のために大きな貢献があり、ナトリウムイオンの動きを制御するアイデアが高く評価できる。
・非常にユニークな発明であり、産学連携という意味でも知名度を生かしてさらなる洗練化や展開が期待される。
■「日本オープンイノベーション大賞」とは
 「日本オープンイノベーション大賞」は、内閣府が日本のオープンイノベーションをさらに推進するために今後 
 のロールモデルとして期待される先導性や独創性の高い取組みを表彰するものです。内閣総理大臣賞をはじめと 
 する13種の賞があり、2022年までに73件の取り組み・プロジェクトが表彰されています。
(左) 明治大学 総合数理学部 先端メディアサイエンス学科  教授 宮下芳明 (右) キリンホールディングス株式会社  ヘルスサイエンス事業部  新規事業グループ  佐藤愛
エレキソルト-椀-とエレキソルト-スプーン- ※ このお椀とスプーンはそれぞれ個別に使用するものです。お椀のみ、あるいはスプーンのみで塩味を増強させます。 ※ 画像のデバイスは実験機です。
宮下芳明研究室とキリンの共同研究
 宮下芳明研究室とキリンは、「塩分のとり過ぎ」という社会課題の解決に向けて、2019年から人体に影響しないごく微弱な電流を用いて疑似的に食品の味の感じ方を変化させる「電気味覚」の技術開発に取り組み、減塩食品の塩味を約1.5倍※1に増強させる独自の電流波形※2を開発しました。

 キリンは、この技術を搭載したスプーン、お椀型の「エレキソルト」デバイスの実験機※3を開発しました。「エレキソルト」デバイスはキリンから発売される予定で、現在販売機の開発と実験機を用いた実証実験をおこなっています。

※1 一般食品を模したサンプルと、食塩を30%低減させたサンプルでの塩味強度に関する評価の変化値。エレキソルトの技術(電流0.1~0.5 mA)を搭載した箸を用いた試験。現在または過去に減塩をしている/していた経験のある40~65歳男女31名に対し、試験用食品を食した際に感じた塩味強度をアンケートしたところ、31名中29名が「塩味が増した」と回答。
※2 この研究成果に関するプレスリリース(2022年4月11日)
https://www.meiji.ac.jp/koho/press/6t5h7p00003fh8kv.html
※3 「エレキソルト」デバイスに関するプレスリリース(2022年9月7日)
https://www.meiji.ac.jp/koho/press/mkmht0000001gs0t.html

 キリングループは、長期経営構想「キリングループ・ビジョン2027(KV2027)」の達成に向けて、「価値創造を加速するICT」の実現を掲げ、その中核としてDXによる新たな価値創造に挑戦しています。また、「食から医にわたる領域で価値を創造し、世界のCSV※4先進企業となる」ことを目指しています。その実現に向けて、ICTを活用したグループ全体のDXを加速させ、新たな価値を生み出すとともに、長年培ってきた高度な「発酵・バイオ」の技術をベースにして、人々の健康に貢献していく「ヘルスサイエンス領域」(ヘルスサイエンス事業)の立ち上げ、育成を進めていきます。
※4 Creating Shared Valueの略。お客様や社会と共有できる価値の創造
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